分かったわ。戦争よ、リン
どんな寝言を言っても、それで罪にはならないですよね?
「こんな少年が!」
「マジかよ……」
「信じられない!」
まあ気持ちは分かるから、デモンストレーションをした。
「周りを見ろ」
俺にそう言われて彼らは周りを見ると、4人の周りには光・闇・雷・氷・火・水・風・土の8属性の「矢」が1人1本ずつ囲っていた。
「いつの間に!?」
「ウソだろ……」
「無詠唱で……」
「同じ事が出来るか?」
「「「「……」」」」
「少しは納得したか?」
「「「「……はい」」」」
「次に、俺に与えられた身分だが、地元では、俺は国王と同等の立場を与えられている」
「「「「え!?」」」」
「では聞くが、災害級ザカリアスの単独討伐に釣り合う報酬とはなんだ?」
「そ、それは……」
「国王本人が言っていたよ。爵位や王女との婚姻では報酬としては足らない、てな」
「確かにそうだな」
「その結果、国王は俺に地元では国王と同等の立場を与えた。つまり、俺は少なくとも、地元では国王と同格だ。そんな俺の財産である奴隷を殺そうとしたんだから、重い罰になるのは当たり前だろう」
「……そうですね」
「序に言っておくが、地元以外の他国でも、俺の扱いは公式の場でも国王と同等並みの立場だからな」
「「「「……申し訳ありませんでした!」」」」
4人は、俺の立場を正確に認識した事で、謝罪をして円満解決となり退場した。
自分の家が有る以上は、宿屋に泊まる必要は無いから、今日は此処に泊まるのだが、「一難去ってまた一難~」となった。
彼らが帰ってから30分も経たない内に、次の来訪者が現れた。
次はこの都市アレシフルの領主の使いだ。
「先程、冒険者ギルドからSランク冒険者ヤクモ様が来られたと聞きまして、お伺いに参りました。
もし、宜しければお越し頂ける事は出来ますでしょうか?」
……行くしかないよなぁ。
「行こう」
「ありがとうございます」
そして、領主の馬車に乗りドナドナされた。
「ようこそ、我がアレシフルへ!」
玄関口から入って待っていたのは、この領主館の主たるアレシフル侯爵だった。
「初めまして。この都市アレシフルの領主のオーランド=ムレゼ=アレシフル侯爵だ」
「星屑の眼のリーダーのヤクモだ」
「ヤクモ様の奴隷リンです」
「冒険者仲間のアリシアよ」
さて、この領主はどっちかな?
情報をきちんと理解して、奴隷であるリンも尊重するのか、それとも情報を誇大報告として認識し、奴隷のリンを差別するのか。
「何をしている。きちんとリンさんの分の椅子を用意しないか」
「も、申し訳ありません」
「うちのメイドが失礼した」
「いえ、お構いなく」
ちょっと「仕込み」臭いな。
まあ、仕込みでも、表面上だけでも、尊重するのなら良いか。
その後は、雑談に入ったが、話の合間にこの都市への永住を勧めてくる。
確かに、俺がこの都市に永住すれば、侯爵は国に対して多大な貢献をした事になるからな。
だが無理だな。
本拠地が、あの地である以上は、転移が使えても離れるつもりはない。
……それに家族を残して単身赴任した父親の悲哀を偶然だが、前世で知ってしまったしなぁ。
だから、適当な所で話を切り上げて帰った。
「結構しつこい勧誘だったわね、ヤクモ」
「そうだな」
「アリシアから見た侯爵はどうだ?」
「そうね……冒険はしないと思うわよ」
「それなら良いか」
俺達は、屋敷に帰り夕食を食べて風呂に入り、自分のベッドにリンを誘い就寝した。
翌朝、右腕のリンの体温で目が覚めたのだが、何故か、左腕も温かい。
首だけで振り返るとアリシアが幸せそうに寝ていた。
……まあ、良いか。
そして狸寝入りしていると、アリシアは目が覚めたみたいで、俺を起こさない様に静かにベッドから降りていった。
「ふわぁ〜」
「おはよう、ヤクモ」
「おはよう、アリシア」
「まだ、リンは寝ているみたいね」
「そうだな」
リンは、いつも通り、幸せそうに寝ている。
「ヤクモ様、その肉串は私のです~」
「ふふ」
「俺は、リンの肉串を取ったりしないぞ」
「アリシア、そんなに食べたらオークになっちゃいますよ~」
「分かったわ。戦争よ、リン」
「アリシア待て。寝言ぐらいで怒るな」
「ヤクモ様、ゴブリンの雌に振られたからといって落ち込まないでください」
「いいだろう。リンにはお尻100叩きの刑にしよう」
「待ちなさいよ、ヤクモ」
俺とアリシアが騒いだ結果、リンは目が覚めたみたいだな。
「……おはようございます、ヤクモ様」
「おはよう、リン」
「おはようございます、アリシア」
「おはよう、リン」
「リンは、何か夢を見ていた?」
「いいえ」
「アリシア」
「何、ヤクモ」
「リンは、起きたら見ていた夢を忘れるタイプだから諦めろ」
「……リン。恐ろしい子」
アリシアは、ネタを知らない筈なのに、見事に「彼女達」と同じ反応をした。
「?」
俺達は朝食を食べた後、冒険者ギルドに行き受付嬢に近辺の事を聞いた。
特に気を引く情報は無かったが、盗賊の横行が目立っていると受付嬢が教えてくれたから、盗賊共の駆除をする事にした。
副収入が良いしな、アレ。
「オレ様の仲間にならないか?」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




