若い貴族令嬢が喜ぶ場所が館内にあるか?
世界に1人だけは、寂しいですからね。
無事に3日後に城塞都市セゴビアルに到着した俺達はサリー家族と別れ、先ずは宿屋を取り馬車を預けて、美味い干し肉を売っている店に向かった。
「ここだな」
「そうみたいです、ヤクモ様」
店に入ってみると、様々な肉を売っていた。
食べた事がない種類のモンスター系の肉もあったから、それらは全て半分買ったし、あの美味しい干し肉も半分買った。
店主も大喜びして、干し肉に使った調味料の調達先を教えて貰った。
……行ってみた。
そこは調味料屋で、とりあえず知らない調味料は全て半分買ったのだが、懐かしい匂いがした。
「店主、この匂いは何だ?」
「ああ、黒水だな」
「黒水?」
「色々と調味料を作っているのだが、偶然出来た調味料でな。オレとしては気に入っているし、好事家にも一定以上の評価を受けたが、それ以外には全く売れていないんだ」
「その黒水を味見しても良いか?」
「ああ、良いぞ」
持ってきたソレは確かに黒い水だった。
しかし、この匂いは……
……醤油だ!
「……なる程な。店主」
「何だ?」
「この黒水は、店主が作っているのか?」
「ああ、オレだ」
「そうか」
俺は、リンとアリシアを席を外させて色々とキーワードになる単語を言ってみたが反応は無かった。
どうやら、本当に偶然から出来たみたいだ。
因みに言ったキーワードは、「知らない天井」とか「チート」とか「赤い門」とか「カルテ」とか「悪いスライムじゃないよ」等を言ってみたが、店主は「さっきから、何を言ってんのこの人?」状態だった。
「店主」
「何だ?」
「全部買う」
「はい?」
「この黒水を全て買う」
「本気か!」
「ああ、本気だ」
「……全部で金貨20枚だ」
「分かった」
俺は金貨20枚を払って全ての黒水を買った。
店主には、次は何時買えるのか聞いて、その頃にまた買いに来ると伝え、また、定期的に買いに来る事も伝えた。
……転移も使えるから距離も関係ないしな。
「あの黒い水を買ったの、ヤクモ」
「ああ。これで、更に自炊の料理が美味くなるから楽しみにな」
「え~」
「私はヤクモ様を信じます」
「わ、私だってヤクモを信じるわ!」
この後、冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに到着した俺達は中に入り、冒険者達の洗礼を受けた後、カウンターに居る受付嬢に聞いた。
俺は、受付嬢に色々と聞いて確認をした。
どうやら、冒険者同士の喧嘩の責任は同じ様で、先に攻撃体勢を取った方になる。
それと、受付嬢が教えてくれたのだが、この城塞都市セゴビアルの領主の3男が、まだ12歳と若いが近い将来Sランク冒険者になると期待されているらしく、しかも性格も良いみたいだ。
因みに、現在はBランクらしい。
後、確認は、元Sランク冒険者から手に入れた屋敷がある都市の確認だ。
どうやら、聞いていた通りで王都ではなく、そこから馬車で3日の所にある都市「アレシフル」にあるらしいな。
とりあえず、今、聞くべき事は聞いたから冒険者ギルドを出ようとすると、俺達が来た方向から強大な魔力を感じて、どうやら此処に向かって来ているみたいだ。
そして……
「アレク様!」
「アレクだ」
「どうした、アレク」
「黒髪の人族の少年と、人族の金髪の美少女と黒耳の獣人族の美少女の3人組が来なかったか?」
「それなら……」
「居た!」
……俺達!?
「話したい事がある。出来れば付いて来て欲しいが良いか?」
「リンにアリシア、良いか?」
「ヤクモ様が決められたのなら問題ありません」
「私も、ヤクモが決めたのなら良いわ」
「分かった。行こう」
「助かる」
冒険者ギルドを出て歩いているのだが、結構な頻度で都市の人達から挨拶をしてくる。
……信用しても問題は無さそうだな。
「都市の人達の挨拶の内容から、アレクは此処の領主の3男か?」
「ああ、まだ自己紹介をしていなかったな。
名前はアレクライト=フーガ=セゴビアルだ」
「冒険者のヤクモだ」
「ヤクモ様の奴隷のリンです」
「仲間のアリシアよ」
その後は、予想通りに領主館に到着して、そのままアレクの私室に案内された。
「どうぞ」
メイドが出す紅茶を飲んだ。
「美味い!」
「美味しいです」
「……やるわね」
「アリシアさん、どういう意味だ?」
「アリシアは、お嬢様だからな」
「……分かった。これ以上は詮索しない」
「ありがとう」
メイドが退室すると、アレクが聞いてきた。
「黒水を買い占めただろう?」
「ん? ああ」
「お金はきちんと払うから分けてくれないか?」
「どういう事だ?」
「何時もの様に買いに行ったら売り切れで、店主に誰が買ったのかを聞いて、周りの人達に教えて貰って追い掛けた。あの黒水の愛用者なんだよ!」
「……そうか。分かった」
アレク、かなり前に出てくるなぁ。
「黒水を作ろうかと思った矢先に偶然知ってさ。
もう存在するのなら良いやと思って作るのを辞めたんだ。しかも、店主は黒水の作り方を教えてくれないしな」
「そうなのか」
「……次はミソだな」
は!?
今、「ミソ」と言ったのか!
「アレク」
「何だ?」
「若い貴族令嬢が喜ぶ場所が館内にあるか?」
「あ、ああ。庭の薔薇園は自慢だ」
「リン、アリシア」
「分かりました、ヤクモ様」
「分かったわ、ヤクモ」
「……案内を出すよ」
そうアレクが言うと呼び鈴を鳴らし、メイドの案内でリンとアリシアは退室した。
「……腹を割って話そうか」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




