アリシア、似合っているぞ
現実は、厳しいのです。
さて、これからの旅はアリシアと一緒になるのだが、ランカール辺境伯とフローラがやらかした。
アリシアの装備等が、チート級だった。
メインの武器である細剣と胸部の防具に聖銀鋼で作製して、それ以外の防具にはAランクモンスターの黒牙狼の毛皮を使い、サブの武器である短剣には同じくAランクモンスターの黒牙狼の牙を使っていて、後、外套はワイバーンの皮膜を使っている。
更に、個人登録が出来る容量(大)のマジックポーチを腰のベルトに付けていた。
……うん。Cランク冒険者の装備じゃねえな。
俺としては「流石にお金を使い過ぎじゃね?」と思ってランカール辺境伯を見たら、ボコボコにされていた。
ランカール辺境伯にこんな事が出来る存在は1人しか居ないから聞いてみたら、個人資産全額に、都市の緊急予算を少しだが使ったらしい。
……自業自得だ。
「どうかな?」
「アリシア、似合っているぞ」
「そ、そう?」
アリシアは俺に見せに来たから、ハッキリと事実を伝えた。
アリシアは頬を赤く染めていたが、きっと、貴族令嬢としての衣装から、かけ離れた冒険者としての外見に不安感を持っていたのだろう。
だから、俺が事実を伝えた事で安心感から頬を赤く染めたのだろうな。
因みに、斜め後ろに居たリンは、アリシアに感想を言った直後に盛大な溜め息を吐いた。
解せぬ……
それと、アリシアの外見は細剣を振るうエルフの騎士が、1番イメージが近いかな。
聖銀鋼は、武具に加工すると緑色になるから。
それに、胸部に聖銀鋼を使っているとはいえ、必要最小限に抑えている為に、イメージとしては騎士だが、素早さを最優先した装備になっている。
後、多分だが、余った聖銀鋼を使って、腕甲や足甲に飾り意匠みたいにしていた。
恐らくは、少しでも防御力を上げる為だろう。
冒険者ギルドで、アリシアをパーティーメンバーにする手続きを済ませ、2日間でアリシアとの連携を充分に確認し、3日目に出発した。
「出発よー!」
都市ランカールから東北方面に向かって出発して3時間後に、7人の盗賊が現れたから、アリシアの実力を見る事にしたけど、大丈夫だった。
きちんと、魔法と物理の両方の攻撃で、盗賊を殺していった。
そして、後2人という所で「待て」をアリシアに言ったのは、勿論、アジトを吐かせる為だ。
……アリシア見学で、アジトの場所を吐かせた。
流石に、盗賊を殺せる様になっても拷問はまだ無理みたいで、リンにアリシアの護衛と介護を任せて、俺はアジトに向かった。
盗賊は、きちんと吐いていたみたいでアジトを発見した俺は、流れ作業で居残り組を処理して、金銀財宝を押収して仕舞い、後は、囚われた人が居ないかの確認だが、残念ながら「使われた」人達が居た。
「自分自身をまだ手放していないか?」
「……はい」
「盗賊共は、全て処理して助けに来た」
「……ありがとうございます」
俺は、頑丈な木枠を蜘蛛の巣を払うかの様に無造作に破壊して、囚われた人達の近くに行くと、無詠唱で範囲型洗浄を使い彼女達を綺麗にした後、押収した中から、女性の衣服を「蔵」から適当に出して渡した。
牢屋の外で待っていると……
「お待たせしました」
牢屋から3人の女性が出て来た。
「助けて頂いてありがとうございます」
先程からの、俺の対応を代表してやっていた女性の名前が「ベリナ」で、残り2人が「ビオレ」と「カリア」だ。
3人の関係だが、ベリナとビオレが同じ村出身で同じ歳の24歳で既婚者で、夫達は既に……
4人は共同で行商人をやっていたが盗賊共に遭遇して護衛で、雇った冒険者4人組は1人残して殺された。
その残った1人がカリア(18歳)だ。
カリアはカリアで、同じ村出身の幼馴染みと冒険者になったが、晴れてCランクになれて、最初の仕事である、この護衛で幼馴染み達との未来を失った訳だ。
因みに、カリアは回復魔法等が使えるから、盗賊共にバレない様にしていたお陰で、今日まで自我を喪わずに済んだらしい。
アジトから徒歩20分でリン達が待つ馬車に辿り着いた。
「お帰りなさいませ、ヤクモ様」
「お帰り、ヤク……モ!?」
「ただいま」
「ヤクモ! その女達は何?」
「盗賊共に囚われた人達だ」
「!? ……分かったわ。さあ、馬車で休んで」
「「「はい……」」」
流石に直ぐに察して、余計な事を言わずに馬車に移動させるアリシア。
全員が馬車に乗ると、今日の目的地の街「サンビル」だと伝えると、3人も当初の目的地だった。
俺が御者席に行き、リンとアリシアに彼女達の話し相手をお願いした。
2時間後に、目的地の街「サンビル」に到着した俺達は、門番に盗賊共の討伐を報告して首級を全部出して討伐報酬を貰い、ベリナとビオレは、身を寄せる伝手があるらしく、さよならとなった。
俺としては折角助けた事だし、2人には金貨5枚と大銀貨10枚と銀貨20枚を渡した。
最初は2人共、断ったが、俺が「助けた恩を仇で返すつもりか?」と無茶を言うと、諦めた様な笑顔で「ありがとうございます」と言って受け取った。
さて、カリアだが「じゃあ、後は頑張れ」と放り出す気にもなれず、とりあえず冒険者ギルドに仲間募集を見て居なかったら、次の街とかで仲間募集を見る、を繰り返す事にした。
その間は、俺達の雑用と臨時の仲間として扱い、外で馬車から離れる時の留守番をやって貰う事になった。
マナside
「ヤクモ様は、きちんと定時報告に来られるけれど終わり次第、直ぐに戻られるのよね。
出来れば、引き止めて、もっとお話しをしたいけど……」
そして、奥からドンチャン騒ぎが聞こえてきて、マナは、その場所に向かった。
「どうしたのじゃ、マナよ」
「それもこれも、お前の所為よ!
この呑兵衛駄女神がー!」
とある理由で、主たるヤクモに秘密を抱える事になったマナは、ストレスを感じていた。
「落ち着いてください、マナ殿!」
「そうです! 落ち着いてくださいマナ様」
「いいぞー、もっとやるのじゃー」
「いいぞー、もっとやれー」
「アマテラス様もスサノオ様も、当人がマナ様を煽らないでください!」
「妾は、分御魂と言えども日の本の象徴たる女神なのじゃ! 早々、遅れを取らないのじゃ!」
「……こんの、呑兵衛駄女神!」
「きゃー!」
「サラ殿ー!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




