……本当か、アリシア
やっと、2人目です。
部屋から宰相と特使と、クソ親父が退室する時、ルフィナが寂しい囁きを溢した。
「さようなら、お義父様……」
リンにルフィナを任せ、俺は会場に戻るのだが、途中で出会ったメイドに、胃に優しい食事をルフィナに届ける様にお願いして、会場に戻った俺だが、パートナーのリンが居ない事で、王女や上位の貴族令嬢達のハニトラ攻勢は更に増していたが、何とかやり過ごして交流会は終了した。
因みに、宰相には、あのクソ親父が属している国は気に入らないし、終わっている可能性があると伝えた。
リンに励まされて、用意された料理をお腹一杯に食べたみたいで、俺が部屋に入ると気持ち良さそうに眠っていたルフィナが居た。
ルフィナの処遇だが、暫くは一緒に居て、メンタルケアをしつつ、体力気力が充実したら、カルザール侯爵家に行き、他の奴隷達と一緒にしようと思っている。
リンも賛成したしな。
その夜、ルフィナは俺達の部屋に来て、着ている服を脱ぎながら言った。
「まだ身体が出来ておらず貧しいですが、奴隷として、御主人様に精一杯の御奉仕をさせて頂きます」
「待て!」
俺は説明した。
確かに奴隷であるルフィナを買ったが、性奴隷にする為に買っていない事を伝えた。
そして、俺には女性の奴隷が複数居て、ルフィナと同じ様な過去を抱えている、と。
だから、無理をする必要は無く、将来開く予定の喫茶店で働いて欲しい、と。
ルフィナは、綺麗な大粒の涙を流しながら嬉しそうに「はい……」と答えた。
勿論、御主人様呼びは嫌だから「ヤクモ様」でお願いした。
……因みに、リンは口から涎を流しながら「ヤクモ様~、もう食べられません~……」と、笑顔で寝言を言っていた。
さて、交流会が開催されるまでの3ヶ月間は、討伐依頼を受けたり、イキった馬鹿冒険者や貴族のボンボンを鉱山労働に送ったり、ダンジョンに潜ったりして、リンも更に強くなり、切り札の魔法が第5位階になった。
俺もトリマーとしての腕が上がり、リンの頭髪やケモノ耳や尻尾の品質は向上して艶も更に増した。
後、たまに、王都の夜の華を愛でたりした。
交流会が終わって1ヶ月後には、ルフィナのメンタルケアも上手くいき、体力気力共に良くなり旅が出来るまでになった。
そして、俺は王都のランカール辺境伯の屋敷から旅立つ事にした。
目的地は、カルザール侯爵家だ。
理由は当然、ルフィナを他の奴隷達に合流させる為だ。
後、ルフィナをカルザール侯爵家に預けたら、必ず都市ランカールに来る様にと言われたからドワーフ国に行く前に寄る事にした。
まあ、ドワーフ国とは逆方向じゃないしな。
道中、冒険者の日常をルフィナと楽しみながら移動して、2週間後にカルザール侯爵家に到着した。
……旅の途中で、定期的にルフィナに睡眠魔法を掛けた後、爆走して距離と時間を稼いだ。
カルザール侯爵家に到着した俺は、カルザール侯爵やフランシーヌに、元王女の奴隷「パトリシア」達にルフィナをお願いして、カルザール侯爵家で1泊した後、俺とリンは都市ランカールを目指して出発した。
……カルザール侯爵とフランシーヌから、交流会の事を根掘り葉掘り聞かれて疲れたよ。
実はカルザール侯爵は隠していたみたいだが、フランシーヌとは似た者夫婦だったと、今回の事で分かった。
都市ランカールまでの道中は、体力的に気遣う必要があるルフィナが居ない事で、可能な限り爆走した結果が8日で都市ランカールに到着した。
ランカール辺境伯が居る領主館に到着した俺とリンは家族の様に普通に通され、馬車を預けて玄関口から入ると、アリシアが居て、瞬歩や縮地並みの速さで俺に抱き着いた。
「お帰り、ヤクモ」
此処は、俺の家じゃないが、空気を読んで「ただいま、アリシア」と言った。
その後は、留学から帰ったみたいな扱いになり、夕食は豪華絢爛だった。
俺やリンは当たり前だが、普段は抑えている筈のランカール辺境伯側もお腹一杯に食べた。
翌日、俺とリンはランカール辺境伯に話があると呼ばれて執務室に行くと、ランカール辺境伯とアンジェリア夫人とアリシアとフローラが待っていた。
「さて、全員揃ったな」
「ランカール辺境伯、話とは?」
「ヤクモにお願いがある」
「お願いとは?」
「これからの旅にアリシアも連れて欲しい!」
「は!?」
「アリシアは……」
「そこからは、私が話すわ」
ランカール辺境伯の言葉を遮り、フローラが割って入った。
「アリシアは、ヤクモ達が旅立った後の鍛錬を、『貴族令嬢が冒険者になる為に一所懸命頑張った』から、『過去を捨てて死にもの狂いに強くなる為に鍛錬した』に、変わったわ」
「……本当か、アリシア」
「ええ、本当よ。冒険者ランクも『Cランク』になったし、あの時のリンみたいに、オーガ6匹までなら無傷で魔法無しで楽勝で討伐出来るわ」
「それは凄いな」
「素晴らしいです、アリシア様」
「リン。これからは冒険者仲間になるのだから、敬称の『様』は、入らないわ」
「ヤクモ様……」
「リン。アリシアの要望通りに」
「分かりました、ヤクモ様」
「それじゃあ、ヤクモ……」
「そこまで冒険者になりたくて頑張ったのなら、俺は反対する理由は無い。だから、アリシア」
「はい!」
「ようこそ、俺達のパーティー星屑の眼へ。
俺はアリシアを歓迎する」
「ありがとう、ヤクモ」
「良かったですね、アリシア」
「ありがとう、リン」
「良かったな、アリシア」
「ありがとう、お父様」
「良かったわね、アリシア」
「ありがとう、お母様」
「良かったですね、アリシアお嬢様」
「ありがとう、ミモザ」
そして……
「出発よー!」
トモエside
「やっと私達もSランクに成れたわ」
「そうだな」
「それにしても、流石はヤクモ様だわ!」
「ああ。チームを組むオレ等よりも先にSランク冒険者に成られたからな」
「それにヤクモ様は、災害級モンスターを討伐しているわ」
「しかも、単独でだ!」
「それなら、僕達も災害級モンスターを討伐しないとな」
「「「賛成!!!」」」
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