実在する本物だ……
短絡思考は良くないよね?
国王が居る場所は執務室みたいで、リンに開けて貰うと、床に這いつくばっている国王と宰相が居た。
「久しぶりですね、国王陛下」
「や、ヤクモ殿!」
「や、ヤクモが、何故、此処に居るのかは分からぬが、今、起こっている異常で何か知っていたり分かる事はないか?」
「知っているも何も、今のこの状態は俺が起こした事だからな」
「な! どういう事だ!?」
俺は、牢屋での事を説明した。
「国王は、俺と敵対するんだよな?」
「まさか! あの災害級ザカリアスを単独で討伐したヤクモと敵対する意思は無い!」
「でもな。近衛騎士って、国王に1番近い騎士だから、国王が命令して俺を秘密裏に殺して、功績だけを手にいれようとしたんじゃないのか?」
「そ、そんな命令は出して無いし、そんな馬鹿げた事を考えていない!」
「本当か?」
「あ、当たり前だ! 5000を超えるスタンピードの約7割を3匹の召喚獣で壊滅する符術召喚士など、聞いた事が無い!」
「そ、そうです! 過去の我が国の建国に関わるあの英雄達や、約100年前の災害級ザカリアス戦で活躍した英雄達ですら、それ程の召喚獣を召喚した記録が無いのですから」
「こ、近衛騎士団長! 貴様は、この国を滅亡させるつもりか!」
「め、滅相もありません!」
「でも、状況確認もせずに、俺やリンに剣を向けたよな?」
「こ、近衛騎士団長……貴様!」
「で、どうする?」
「ヤクモに剣を向けた2人には近衛騎士からの除籍をし永久投獄とする」
「その程度? 俺なら、日中は日替わりで王都内の色々な場所で晒し者にするな。
……そうだな。 牢屋の看守2人も加えて、『今回の異常の原因で、国の滅亡を引き起こそうとした重罪人』の看板を立てるな。最低でも半年は」
「……そうしよう」
「国王陛下!」
「黙れ! や、ヤクモよ。きちんとした謝罪をしたい。だから、この重圧を解いてくれぬか?」
「そうだな」
俺は鬼神圧を解除した。
……この後、色々とドタバタしたがなんとか収まり、3日後に褒美内容についての話し合いが行われた。
先ずは、四肢の無いダルマの世話は大変だろうと、四肢を再生した後に再び右腕を斬り落した。
馬鹿4人の家族は可哀想だが、全員が犯罪奴隷に堕とす事になり、今日も、馬鹿4人は王都内の何処かで石を投げられているだろうな。
そして、王城の応接室では、俺とリン、国王と宰相とランカール辺境伯とで俺に渡す褒美についての話し合いをしている。
「……やはり、爵位は要らぬか?」
「必要無い」
「ヤクモ殿、何か希望はありませんか?」
「そうだな……」
俺は少し考えて、ある希望を言った。
「そうだな。建国時の死霊術師が何故、ラジャス・アークと名乗ったかは知らないが、本当の名前は違ったと、国として正式に公表して欲しい」
「何故だ?」
「万が一の例外でもなければ、その名は完全な偽名だからだ」
「ヤクモよ、もう一度聞こう。お主は『何者』なのだ?」
「俺にとっては、ラジャス・アークとは家名にも等しいからだ」
「「「なっ!」」」
「言っておくが、それ以上は言う気は無い。それと、実行に移す気は今の所ないが、本気を出せば、この王城を5秒で更地にする事が出来る」
「……分かった」
「後、貸し1つで」
「……分かった」
「心配しなくても、『明日から俺が国王になる』とか『隣国の王女全てと結婚させろ』とか、そんな無茶は言わないから」
「……本当だな?」
「ああ、本当だ」
「分かった。貸し1つだな」
この後も話し合いは続き褒美の内容も決まり、ザカリアスの上下の犬歯無しの首を献上する事になった。
何故、犬歯は無いのか、その理由を万が一の未来予想込みで話したら、国王と宰相は、「うんうん」と力強く頷いていた。
……もしかして既に居るのか、そういう馬鹿が。
話し合いは終わり、ランカール辺境伯の馬車で一緒に帰るのだが、馬車の中で愚痴られた。
「何事かと思ったぞ」
さて、3ヶ月後に謁見の間で、今回の災害級ザカリアス討伐の褒賞式が開かれた訳だが、馬鹿が居た。
因みに、王都では飲めや食えやの祭りなっている。
「お待ちください!」
「どうした、バートランド侯爵」
「本当に、この様なガキが、あの災害級ザカリアスを単独討伐を成し得たのでしょうか?」
「それは、余の判断を疑うというのだな?」
「滅相もございません! しかし、過去の資料に因りますと5つの国が連合し総力を出し、更に、建国の英雄達の子孫達が参加して、やっと撃退したザカリアスを、まだガキのこいつが単独討伐したなど、とても信じられる事ではありません!」
「それなら、証拠を見せてやるよ」
俺はザカリアスの首を出した。
「「「「「「「「「「ひっ!?」」」」」」」」」」
「納得したか?」
更に、バートランド侯爵に言った。
「このザカリアスの首が、本物かどうか確かめる為に、お前自身か、信頼する者に頼み、確かめろ」
「……」
仮にも上位貴族の矜持が多少は持っていたみたいでバートランド侯爵は自身で確かめた。
「実在する本物だ……」
バートランド侯爵は、最初の位置に戻り、俺はザカリアスの首を「蔵」に仕舞う。
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