……が、いつの間にかリンは呑んでいた!
一気に3つです!
「ヤクモ殿……」
「美味しかったか、ナルディア」
「確かに美味しかったですが、領主が報告する相手とは聞いていません!」
「言って無かったか?」
「言ってません!」
「でも、これで話を聞いてくれる高位貴族の知り合いが出来ただろ?」
「それはそうですが……」
今、俺達は、領主館の部屋に居る。
俺達が領主館に近付いていくと、段々とナルディアの口数が減り、更に顔色が悪くなり、簡単なやり取りで領主館の応接室に通された辺りからナルディアは完全に借りた猫になっていた。
そして、報告が終わった後、ナルディアを紹介したが、噛みまくって、ナルディアの舌に回復魔法を掛けた程だ。
当然、フランシーヌが討伐内容を聞きたいと言い出して、そのまま夕食からのお泊りが決まった。
その夕食の時に、ナルディアは妹の捜索をカルザール侯爵にお願いしたら、カルザール侯爵は捜索すると約束してくれたのだ。
その時、フランシーヌがちょっと顔が赤いカルザール侯爵を睨んでいたのを、俺は見ていないからな。
翌日、カルザール侯爵とフランシーヌに挨拶をした後、ナルディアとは別れて、そのまま都市から出た。
「ヤクモ様、今日は何処に行かれますか?」
「う~ん。今となっては、俺の故郷であり自宅みたいな所かな」
「ヤクモ様の……」
「そうだな」
「しかし、日帰りが出来るのですか?」
「ああ。その辺りは大丈夫だ」
「はあ……」
暫く歩いて、周りを目視と魔力探知等を使い、誰も居ない事を確認すると転移扉を使い、俺の宝物である本拠地の「ラジャス・アーク」に転移した。
「や、ヤクモ様、此処は?」
「俺に手に残った唯一の宝であり、誇りでもある本拠地の『ラジャス・アーク』だ」
「ラジャス・アーク。何処かで……」
転移扉用の小部屋に転移して、リンに軽く説明していると、小部屋の扉が開いた。
「ヤクモ義兄様!」
マナの義兄様呼びは最近諦めて認めた。
「マナ」
「今日はどうされたのですか? 近況報告なら明日が予定の筈ですが?」
「ああ。リンを紹介しておこうと思ってな」
「その小娘が、ヤクモ義兄様が自身で稼がれたお金で買われた奴隷の『リン』ですか」
「ひぃ!」
マナの絶対的な強者の威圧を受けて、短い悲鳴がリンから出た。
「マナ」
「申し訳ありません、ヤクモ義兄様」
「リンは、マナ達にとっても仲間になるんだから、仲良くな」
「分かりました、ヤクモ義兄様」
「マナ様!」
「どうしました、サラ」
侍女長サラが、彼女らしからぬ慌てた様子で、作法を無視して小部屋に入って来た。
「ヤクモ様とマナ様に申し上げます」
「何が有った?」
「神殿に祀られた神棚から信じられない魔力が発生しています」
「分かった。マナ!」
「はい、ヤクモ義兄様!」
「念の為に、リンも来い」
「分かりました、ヤクモ様」
俺達は急いで神殿に向かいながら、侍女長サラに指示を出していった。
……ただ、神殿の神棚からと言う事で、オウガ達に武装して控えさせてはいるが「迎え撃つ」というより「歓迎する」と言える配置にしてある。
そして、可視出来る程の黄金と黒と青の魔力が膨れ上がり弾けた。
「やっと来れたのじゃー!」
「姉上、待ってください!」
「姉さん、待てって!」
「はい!?」
「おお! ヤクモよ、息災か?」
「誰だ?」
「そうであったのじゃ。加護は与えていたが、こうして会うのは初めてであったのじゃ」
「つまり、誰だ?」
「妾は、天照の分御魂なのじゃ 」
「私は、月読の分御魂です」
「オレは、須佐之男の分御魂だ」
「……分御魂、つまり分身体とかか!」
「そうなのじゃ!」
「そんな分身体とはいえ、日本の神々の頂点に君臨する三柱貴子が何故、異世界で、しかも、俺の神殿の神棚から顕現した?」
「簡単に言えば、暇潰しなのじゃ」
「姉上、正直に言い過ぎです」
「別に良いんじゃねえの。どうせバレるし」
「須佐は黙っていろ!」
「へ~い」
「……分かった。それで、何時まで此処に居るつもりなんだ?」
「此処が存在する限りなのじゃ!」
「は!?」
「既にあの星は、我等神々の手から離れておるから、暇なのじゃ」
「かと言って、本神が地上に降りる訳にはいきませんから、こうして、加護を繋がりにして顕現した訳です」
「まあ、選考基準は話せねぇが、あの寄付は大きかったな」
「そうなのじゃ! アレで、宴会が10段階グレードアップしたのじゃ!」
「そういう事です」
「あの神酒は美味かったよなぁ。親父の秘蔵まで出たからな」
……親父!?
……考えるのは止めよう。
三柱に聞いたが、今の所、そう「今の所」は、この神殿からは出れないらしい。
そして、出来る事はほぼ無いという事だ。
まあ、もしかしたら、年1回、本体からの祝福が有るか無いか……ぐらいらしい。
とりあえず、家族への言葉を送って貰った。
これでも、かなりグレーゾーンでギリギリの内容らしいが、それでも、俺の最後の心残りは消えたな。
「ヤクモ様……」
「リン」
リンには、少し嘘を混じえて、ほぼ事実を話してみたが、やっぱり直ぐには信じるのは難しいみたいだ。
それでも、リンが「それでも私リンは、ヤクモ様に付いていきます」と言ってくれた。
思わず、頭を撫で撫でしたら、リンの顔が崩れて甘えてきた。
感覚では10分程、リンに構ってから、神殿に集まっていたから、お互いの自己紹介をした。
その後は、闘技場でオウガ達の対戦を見たりして、その後は「大宴会」になった。
……まあ、あの「三柱」もいるからな。
俺とリンは飲んでいない。
……が、いつの間にかリンは呑んでいた!
そして、リンはやはり甘え上戸だった。
リンをあやすのは大変だった。
しかも、天照と須佐が煽るし……
「ヤクモ様~、大好き」
そして、リンは寝た。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




