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……ちょっと危なかった。

やっぱり出したい、あの「笑顔」です!

 俺達は、冒険者ギルドで詳しく聞いてみる事にしたが、どうやら、調査を行った冒険者の報告では、北の森の奥に「黒炎虎ブラックフレイムタイガー」が現れたらしい。

 しかも、今までこんな事は無かった為に、以前の棲家から移動した個体だろうとなった。

 そして、この強力な個体が居着いた為に、森に今まで棲んでいたモンスターにも影響を与えて全体的に殺気立てているみたいだ。

 そんな事になると、弱い低ランク冒険者達は森に入る事が難しくなり、それなりに都市にも被害を受けている訳だ。


 受付嬢から説明を受けて、北の森に行く事にしたのだが、森に入ると直ぐにゴブリンやフォレストウルフ等が襲い掛かって来た。

 リンに取っては緊張を強いる連戦という意味では良いかもしれないが、正直、俺に取ってはウザい絡みでしかない。

 リンの体力が4割を削れた時点で、俺は威圧を放ち雑魚が来ない様にして、それでも来たモンスターは俺が一蹴した。

 買ったばかりの剣だが良い切れ味で、良い仕事をしてくれている。

 モンスターは襲い掛かる、首8割斬る、モンスター絶命、地に倒れる前に接触して「蔵」に仕舞うを繰り返して、森の奥へと移動した。


 そして、俺の探知に反応が出た。


「こいつか……」


 俺とリンは、森の中を慎重に移動して、今回の元凶を発見した。


「ヤクモ様。あのモンスターが、冒険者ギルドでも報告された黒炎虎ブラックフレイムタイガーですね」

「ああ、間違いないだろう」

「どうされますか?」

「最初はリン主体で攻撃して、途中からは俺が攻撃する」

「分かりました」


 そして、森の中だというのに、物音を殆ど立てずに移動しながら攻撃魔法を放つ。


氷矢アイスアロー

「Ga……」

「はっ!」

「GaAAAーーー!」


 リンは、教えた通りにモンスターに対して堅実に慎重に攻めているし、合間合間に攻撃魔法を織り交ぜているな。


 しかし、本来なら5、6人のベテラン冒険者達が相対するモンスターをリンだけで戦っている為に次第に防御の時間が増えていく。


 そして……


「がぁあ……」

魔法牢マジックプリズン


 俺は簡易の魔法に因る結界で黒炎虎ブラックフレイムタイガーの動きを封じるとリンに駆け寄る。


「あ……」

完全回復パーフェクトヒール! 大丈夫か、リン」

「あ、ありがとうございます、ヤクモ様」


 ……ちょっと危なかった。


「交代だ」

「……はい」

「気に病むな。本来ならベテラン冒険者6人で対応するモンスターを1人で対応したんだからな」

「はい」


 因みに、その間も、黒炎虎ブラックフレイムタイガーは、魔法牢マジックプリズンから出ようと藻掻もがいているし、黒い炎を撒き散らしている。


「来いよ、ドラ猫ちゃん」

「GaAAAーーー!」


 魔法牢マジックプリズンから解放して、軽くあおると、意味を理解したのか、俺に向かって来て、残り3mで飛び上がり、両前足を突き出し、俺を押し倒しながら首に噛み付こうとした。


「はっ!」

「Ga……」


 黒炎虎ブラックフレイムタイガーに対して踏み込みながら身体を沈ませ、そのまま全身のバネを使いながら腹に右拳で一撃を入れて、無詠唱で「飛翔フライ」を使い、黒炎虎ブラックフレイムタイガーに両拳の攻撃を加えながら上昇して、ある程度の高さになると、縦に一回転しての時間差両踵落としを放ち、黒炎虎ブラックフレイムタイガーは、地面に向かって加速して落ちて行くが、俺は黒炎虎ブラックフレイムタイガーを追い抜き、地に着くと同時に掌底の破壊力で地面に穴を開けて、黒炎虎ブラックフレイムタイガーに対して落ちる加速と下からの突き上げのカウンター攻撃を心臓辺りに左拳の一撃を入れる。


「Gah……」


 俺は軽く上空に浮かすと完全回復パーフェクトヒール黒炎虎ブラックフレイムタイガーに放ち、外傷を消すと、腰の剣を抜き、一閃する。


「Ga……」


 首が胴体から離れると、俺は直ぐに黒炎虎ブラックフレイムタイガーを空中で後ろ足を掴み血抜きが終わると「蔵」に仕舞った。

 その後、そこら辺りの地面からゴーレムを作成して、開けた穴をゴーレムで塞いでからゴーレムを解除した。


「……ヤクモ様」

「何、リン」

「何故、回復してから仕留めたのですか?」

「ああ! それはな、冒険者ギルドに売るから外傷が綺麗な方が高く売れるだろう?」

「……はぁ。その為に回復魔法を」

「そういう事だ」

「……ヤクモ様は、デタラメです」

「え!?」

「確かに強いですが、内容がデタラメです!

 何ですか、あの殴りながら上昇するアレは、魔法ですか!」

「ああ、飛翔フライという第4位階魔法だ」

「はぁ……」

「何故、溜め息!?」

「私が知っている常識は何処に……」


 ……リンの反応だと、もしかしたら、早い方が良いかもな。


「さて、リン。凱旋だ!」

「はい!」


 都市に戻って冒険者ギルドに行って黒炎虎ブラックフレイムタイガーを解体場に出すと、予想通り驚いてくれた。

 普通は、討伐難易度が高くなれば高い程、素材の利用価値が下がるからだ。

 要するに「倒すのに精一杯で、素材とか気にしていられるか!」という事だ。

 因みに、討伐難易度はBランクで、それを俺達2人でやった事も驚いてくれた。

 この相手のリアクションも、異世界ラノベ系転生者にとっては楽しみな娯楽だよな。


 当然、ギルドマスターからの呼び出しを受けて小言を喰らったが、「死ね寸前まで追い詰めてから外傷を回復させ、困惑している隙を突いて首を斬った」と言ったら疲れた声で「退室して良い」と、言われて喜んで退室した。

 解体場に戻り、魔石と毛皮と牙と爪は引き取ると言ったら悲しそうな顔をしたが知らん!


「討伐報酬と素材報酬で、合計が白金貨3枚と大金貨5枚と金貨7枚になります。

 それと素材は明日以降に取りに来てください」

「分かった。それと黒炎虎ブラックフレイムタイガーの討伐証明書を」

「畏まりました」


 領主であるカルザール侯爵に報告しないといけないから、報酬を受け取り冒険者ギルドを、出るとナルディアから声を掛けられた。


「ヤクモ殿」

「ナルディアか」

「仕事は終わったのですか?」

「後、もう1つ残している。ナルディアも一緒に行くか?」

「どんな仕事ですか?」

「簡単だよ。ただ、依頼された仕事が完了したと報告するだけだ」

「それだけなら……」

「それに、もしかしたら美味しい食事に誘われるかもな」

「行きます!」

「それなら、一緒に行こう」


 その時、俺は「計画通り」な黒い笑顔だった。



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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