表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/115

ヤクモ、何を出すの?

やはり、アレは外せません。

 あの後、リンに稽古を付けて時間になったから都市に帰り、1日分の薬草等とホーンラビットを提出して報酬を貰い、冒険者ギルドを出ようとすると、「待った」が掛かった。


「待ちたまえ」

「……」

「待ちたまえと言っている!」

「俺達の事か?」

「そうだ」

「何の用だ?」

「その奴隷を私に売れ」

「は!?」


 ……誰を売れだと!?


「そうだな……金貨5枚でどうだ? 君みたいに若いと金貨すら見た事が無いだろう」

「おい」

「嬉しいか? そうだろうそうだろう。早速、奴隷館に行って主の変更手続きをしに行こうか。ああ、費用は私が出してやろう。感謝するが良いぞ」

「待てよ」

「何だ? 金貨5枚では足らんか? それなら、もう1枚出そう。これならどうだ?」


 ……こいつ、馬鹿か!?


「何、勝手に話を進めている。俺は売るとは一言も言って無いが?」

「金貨6枚だぞ! どうやって手に入れたのかは分からないが、金貨6枚は大金だぞ」

「そんな小銭なんぞ、要らんわ!

 それに、黒金貨100枚入り袋を100袋を用意しても売る気は無い!」

「……貴様、私を誰だと思っている」

「知るか」

「私は、ランカール辺境伯様と懇意にしている商会の者だぞ」

「なっ!?」

「やっと、自身の立場に気付いたか」

「そうかそうか。ランカール辺境伯と懇意にしている商会か!」

「そ、そうだ」

「それなら、話は早い。もし、ランカール辺境伯に会えるのなら、俺の名前ヤクモを出してみるんだな」

「き、貴様、先程もそうだがランカール辺境伯様を様付けで呼ばないとは不敬だぞ! それに……」


 激昂しかけた馬鹿が、更に何か言おうとしたら、冒険者ギルドに乱暴に入った男が現れた。


「ウカ・エララーイ、遅いぞ。何を時間を掛けている!」

「申し訳ございません。実は、希少な黒猫人族の奴隷を購入したので、カルザール侯爵夫人に献上したいと」

「そうか、それはカルザール侯爵夫人も喜ばれよう。して、その希少な黒猫人族は何処だ?」

「此方で……」


 馬鹿が勝手に話を進め、リンの肩を掴もうとしたから、俺の方に寄せた。


「貴様!」

「言っておくが、購入した事実も無ければ、俺は売るとは言っていない」

「……どういう事だ?」

「貴様にも、美味しい思いをさせてやるから『売った』と言え」

「売る訳が無いだろ、バ~カ」


 馬鹿とのやり取りを聞いていた従者らしき男は、かなり怒りを抑えている。


「つまりだ。売買が完了していない奴隷を、カルザール侯爵夫人に献上しようとしたと?」

「いえ、あの、それは……」

「カルザール侯爵夫人、いや、我が主であるカルザール侯爵様も甘く見られたものだな! カルザール侯爵様に報告するから覚悟するがいい!」

「あ、ああ……」

「少年よ、済まなかった」

「まあ、別に良いけど。最低でも、この馬鹿は切った方が良いと思うぞ」

「そうだな」


 そして、冒険者ギルドにちょっと前に別れた侯爵夫人が現れた。


「遅いわよ!」

「申し訳ありません、カルザール侯爵夫人」

「全く。それ……で……ヤクモ!」

「久しぶりだな、フランシーヌ」

「ヤクモは、どうして此処に居るの?」

「俺は、冒険者だからな」

「そうだったわね。それでヤクモ、何が有ったのかしら?」

「実は……」


 俺は説明した。


「ウカ・エララーイ、今までご苦労様です。何もしてあげられないけど、新しい場所で、頑張っていける事を祈っているわ」


 意訳だと、ウカ・エララーイ、あんたクビで、懲戒免職ね。後、商会に戻っても席無いから、違う場所で最底辺からやり直せ!……に、なる。


「カルザール侯爵夫人!」

「さ、行きましょう。ヤクモにリン……ちゃんも、私の馬車に乗りなさい」


 見事に、カルザール侯爵夫人こと、ランカール辺境伯の長女のフランシーヌは、馬鹿を無視して、俺達を馬車に乗る様に言った。


 因みに、フランシーヌが冒険者ギルドに寄ったのは、近況報告を聞く為だった。


「正直に言うと、アレ、切りたかったからちょうど良かったわ」

「この都市カルザールの領主カルザール侯爵に嫁いだとは聞いていたけど、会えるとは思わなかったな」

「遠慮しなくても良いのよ」


 俺達とフランシーヌは、到着するまで雑談を続けた後、そのまま泊まる事になり、宿屋に使いを出して貰い、カルザール侯爵と挨拶を交わして、夕食の席で言われた。


「ヤクモ君は、知っているかい?」

「何をです?」

「この都市で、3ヶ月後にオークションが開催される」

「ヤクモ君も、参加してみないか?」


 ……もしかしたら、何かが起きるかもな。


「分かりました。参加しようと思います」

「それは良かった。席は私の方で用意しておこうと思うが良いか?」

「ありがとうございます。カルザール侯爵様、よろしくお願いします」

「うむ」

「それと、幾つか出品したいのですが」

「3日前までなら大丈夫だ。ヤクモ君の名前を伝えておくから、期日を守って出品する様にな」

「はい、ありがとうございます」

「ヤクモ、何を出すの?」

「宝飾品を……」

「待って!」

「フランシーヌ?」

「失礼しましたわ。ヤクモ、何を出すの?」

「勿論、フランシーヌや皆に上げた奴よりも、価値の低い奴を出す予定だ」

「それなら良いわよ」 



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ