プロローグ~その1
後2巻かぁ、と読んでいたら書きたくなりました。
俺は「はい」と入れた。
気が付けば幹部専用の謁見の間の玉座に座っていて、俺のあの場面な。
その後は、オウガやリゼンが行った後、マナを除く全員に30分後まで自分達が担当する階層を調べる様に言った。
だから、今、マナしか居ない。
「ヤクモ様…」
「マナ、心配する必要はない。恐らくはリゼンの報告以外は『異常無し』となる筈だ。」
因みに、城内と言ったが地上部分の城は俺的にはダミーだったりする。
まあ、城のラスボスを倒さないと、地下への入口は開かないけどな。
それでも、城内の戦闘型NPCでゲーム上の公式ラスボスより強いヤツが3人居る。
城の地下のダンジョンこそが本命の防衛線であり本拠地でもある。
ダンジョンの戦闘型NPCの全員が、ゲーム上の公式ラスボスを1人で片手間で倒せる強さを誇る。
まあ、その強さの秘密は課金もあるが、ゲームの特性であり「売り」の「転生システム」が大きい。
簡単に言えば、条件を満たせば「強くてニューゲーム」をプレイヤーもNPCも出来る訳だ。
因みに、転生システムを使うとレベルは「1」からになるが、それ以外は全て残る上に、設定上の性別と身長以外は全て変更可能だ。
コレを使えば最初は「人族」で、次は「猫の獣人族」に、次を「大鬼族」にする事で器用で魔法が使える素早い動きの大鬼族が出来る訳だ。
しかも、転生するタイミングや積み重ねた種族に因ってレア種族やレア職業とかが有るから、他のユーザーとほぼ被る事は無い。
それと、この「転生システム」は、公式ストーリーの7割に達すると使える様になる。
まあ、公式ストーリーと言っても、ラスボス倒したら第1章完みたいな感じで、その後からが本番の「冒険」が始まる。
そして、ユーザーの脳波とかを記録するからリセマラが出来ない。
つまり、「自分が選んだ選択から逃げんな!」と言う事だ。
更に言うと、この「転生システム」を使わずに公式ストーリーのラスボスを倒すと、かなり破格な特典が与えられる。
はっきり言って、原作ヤ○チャと超な孫○空ぐらいの差が有る。
この情報は、どんなゲームにも存在する「最速クリア」を目標にする連中から流れた。
その結果、転生システム有りの最速クリアした者が、本社にアポを取った上で、直接乗り込み、土下座してリセットの許可をお願いしたらしい。
本社も条件付きで許可を出した。
その条件は、イベントで手に入るポイントで入手したいアイテム等が有る場合は、そいつだけ必要ポイントを2倍で、その刑期は2年間とした。
そして、それを知ったリセット希望の他の転生システム利用者が、本社に突撃して、順番待ちの長蛇の列が出来て、その様子が全国ニュースで放送された。
その結果、良い意味で、転生システム無しでクリアしたユーザーは、芯がある勇者として扱われる様になった。
……30分後
全員が帰って来たが、やはりリゼン以外の報告は「異常無し」だった。
そして、その報告では、外の景色がゲームの景色である小川と草原ではなく、ある程度の深い森の中だと言う。
……やっぱりな。
まあ、「周りは墳墓でした」と言われなかっただけマシかな。
後、上の城もそうだけど、地下のダンジョンの私的エリアは「和風」にしてあるし、NPC達も「和風」系で固めている。
やっぱり養子とはいえ、老舗旅館の息子としては譲れない線だな。
はっきり言って、金に物を言わせてプロに依頼し、課金に課金を重ねて拘りに拘り抜いた自慢の内装だ!
しかし、家族である身内からは、何処からか持って来たハリセンで後頭部を叩かれるぐらいには呆られていたがな。
……妹よ、アレは結構痛かったぞ。
それと、彼がやっていたゲームと同じで、負けて消えたNPCはゲーム内の通貨を使えば復活する事が出来るが、当然、課金したNPCだから、その分の追加が出る為に、此処でもソロギルドとしてゲーム内の最高額を記録した。
それと、ダンジョン内は、日本の伝記等を参考やモチーフにしている。
後、上の城内や下のダンジョン内の宝箱には有料ガチャで手に入れた必要の無い武器やアイテム等を入れている。
1番良いアイテムだと、80万円ぐらい回さないと手に入らないヤツを用意している。
まあ、手に入れたプレイヤーは居ないがな。
……話が逸れたな。
報告では森の中かぁ。
それとモンスターが居て襲い掛かって来たが雑魚だったと言っていたが、リゼンの強さも廃課金魔改造だからなぁ。
強さか……
確かめるか。
俺は地表にアラーム付きの軽い警戒網を張り、闘技場に向かった。
まあ、彼、いや、彼らのダンジョンを参考にしましたが何か?
「俺や皆の強さを確認したいと思う。先ずはリゼンとシュナ!」
「は!」
「あいよ。」
リゼンの元ネタは四神の青龍で外見は中華系武将で、シュナは同じく四神の朱雀で外見は中華系女武将だ。
「準備は良いな? ……始め!」
「「破っ!」」
お互いのファーストアタックの余波が飛んで来たが、元ネタ玄武の外見は中華系老武将のゴウキが結界を張ってくれたお陰で難を逃れた。
「ありがとうな、ゴウキ」
「当然」
暫く続いたが……
「止め!」
「「は!」」
感じた強さは、充分にゲーム内の強さを発揮していたと思うし、スキルも魔法も使えていた。
……次は俺だな。
「次は俺と……マナ」
「はい」
NPCは問題無かったが、プレイヤーである俺はどうなのだろうか?
「準備は良いな? ……始め!」
「覇っ!」
マナは自身の特性故に徒手空拳だ。
俺もそれに合わせて徒手空拳で対応した。
……スキルは良し、魔法は……良し!
次は内装されたスペックでは無く経験は?
俺は、ゲーム的な攻防から現実的な技術が含む攻防を繰り出したが、対応出来なかった。
やはり、この辺はNPCみたいだな。
使った現実的な技術は、バットを折るローキックとか柔道や合気道とかの投げ技だな。
念のために、自身のステータスが見れるか確認したら見れたのだが、俺のレベルが「1」だったわ。
しかも、種族が「鬼神族」から「闘神族」になっていた。
……俺、アップデートしない限りカンストしてて頭打ちだったんだよなぁ。
まだ強くなれるんだ!
それと異世界転生か転移したからか、外見にも変化があった。
まあ、ゲーム上のアバターだが、容姿が変わっていて黒髪黒眼でヤンチャ系の少年になっていた。
ぶっちゃけ、中三の時の俺を、弄って格好良く美化させた感じで、ゲーム内では銀髪紅眼だったんだけどなぁ。
それと、彼と同じく似た効果を持つ指輪を填めているから、装備者の種族と魔力量を隠蔽して分からない様にしてある。
これで、何処かの双子の妹想いのお嬢さんみたいに、魔力を可視化する能力を持つ者に、必要以上の警戒心を持たれる事は無いだろう。
「クゥ~…」
ん?
音の発生先を見ると「ユキ」だった。
まあ、耳までリンゴちゃんになって……
「食事にしよう」
食堂に移動して幹部達と食事を始めた。
皆、美味しそうに食べているな。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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