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全く違うけどな!

説明文が混じっている為にちょっと長いです。

「その、ヤクモが……」


 アリシアお嬢様が、答えようとした途端に、俺は魔力の収束を感知した。

 そして、誰かが、会場である大広間の天井に向かって魔法を放ち、天井のシャンデリアの1つを破壊した。


「我らは、真に国の将来を憂れる者!」

「この国の腐敗を排除し、再生しなければならない!」

「因って、国の腐敗を甘受した王族を抹殺し、零れた毒蜜をすする貴族共も抹殺する!」


 ……うわぉ、クーデターだ!


 さて、無関係な奴らなど、どうでも良いが、アリシアお嬢様が悲しむ顔は見たくないな。

 そんな事を考えていると……


「ぐぁ……」

「国王陛下!」

「止めだ!」


 迷っている暇は無いな。


「召喚! 静寂の花妖精リリー!」

「え!?」


 俺は、即座に「蔵」から腕輪を取り出し装着して魔力を流し腕輪の宝玉から出たカードの召喚獣を召喚する。

 召喚された「静寂の花妖精リリー」は、右手の平を自身の顔の前に出して、息を吹き掛けた。

 すると、見えない何かが会場全体に広がり、クーデターに加担した者達が次々に倒れていった。


 ガタッ! ドサッ!


 俺は、カードを仕舞い、腕輪を「蔵」に仕舞うと、国王陛下の所に行き魔法を唱える。


回復魔法ヒール

「う……」

「国王陛下!」


 意識を取り戻した国王陛下は、この場の収拾を近衛騎士団長と筆頭王宮魔術士と法務大臣に任せて、俺達は指示に従い、各々が別室で待機する事になった。


「ヤクモ」

「はい、アリシアお嬢様」

「ヤクモは、先程、何をしたの」

「手持ちの召喚獣を召喚して場を収めました」

「ヤクモは、伝説の符術召喚士だったの!?」


 何、その伝説の符術召喚士って?


「あ、ああ」


 まあ、話を合わせておこう。


「それなら、ヤクモは召喚獣を受け継いだのでしょうから、どの系譜になるのかしら? 

 初代国王アルディーノ様……は無いわね。

 それだと、ヤクモは王族になるし……

 そうなると、孤高の神聖騎士セル・ファード様?

 それとも慈愛の聖女カナ・シジョウ?

 それとも氷結の魔術師マレ・ギィール様かな!」


 誰、それ?

 でも、聞いた事だけは有るんだよなぁ。

 多分、何処かで名前を見たか、聞いた筈だ!


「……まさか! 裏切り者ラジャス・アークじゃないわよね?」


 ……はっ!?



 何で、アリシアお嬢様から、ゲームでの俺のギルド名が出るんだ?


「アリシアお嬢様、その裏切り者ラジャス・アークとは何ですか?」

「……そうよね。ヤクモがそんな訳無いわよね。

 裏切り者ラジャス・アークはね、学園に入園して最初の1年目の歴史で学ぶの」


 話を聞くと、建国した初代国王には、国王になる前に伝説までになった冒険譚があって、その中心人物が先程出た4人だ。

 この初代国王と4人が、諸国を廻り、様々な問題を解決していき、この地で厄災とも言える封印されている魔王の手下の魔族を見事倒して建国したという。

 その時に、使っていたのが、符、つまりはカードから召喚した召喚獣らしい。

 その戦いの中で、仲間を裏切り魔族に手を貸したのが、死霊術師ラジャス・アークだという。

 そして、魔族と手を組んだ裏切り者ラジャス・アークと戦い勝利し、めでたしめでたし。

 ……が、アリシアお嬢様が知る「伝説」らしい。


 だから、この国と周りの国は、この「ラジャス・アーク」は、裏切り者の代名詞になっている。


 と、アリシアお嬢様が教えてくれた。


「……それで、ヤクモは裏切り者ラジャス・アークの子孫とかじゃないわよね?」

「ああ、勿論です。その裏切り者の子孫では無いのは確かだよ、アリシアお嬢様」

「良かった。それならやっぱり、孤高の神聖騎士セル・ファード様?

 それとも、慈愛の聖女カナ・シジョウ?

 もしかして、氷結の魔術師マレ・ギィール様かな?」

「どれも違います、アリシアお嬢様」

「どういう事なの!」


 とりあえず、その3人の誰かの系譜だと誤魔化しても、そんな嘘は何処かでバレる。

 だから、あり得る嘘で誤魔化すしかない。


「何か、大きな事を成し遂げた時、歴史に残せぬ真実が存在します」

「え!? それはどういう……いえ、そうよね」

「分かって頂けましたか、アリシアお嬢様」

「分かったわ、ヤクモ」


 自己完結したアリシアお嬢様と、俺は呼び出しが来るまで、紅茶とお菓子を頂きながら雑談をして時間を潰していると、国王陛下からの呼び出しが掛かって、案内され応接室に入ると、国王陛下や王妃に、宰相が居た。



「待たせたな。この場は公式では無いから無礼講で良いからな」

「いえ、国王陛下の危機に微力ながらも参加出来た事を人生最大の幸運だと、神々に感謝しておりました」

「うむ。お主の、回復魔法に因って、余は助かったのは事実だ。だから、また後日に報酬を与える場を設けようと思っている」

「ありがたき幸せです、国王陛下」

「さて、ヤクモよ」

「はい、国王陛下」

「お主は、の死霊術師ラジャス・アークの子孫ではないか?」

「何故、その様に思いで?」

「これから話す事は、口外禁止とする。もし破れば死刑を覚悟せよ」

「「「はっ!」」」

「実は、あの伝説には誤りが有るのだ」

「それは?」


 国王陛下の話はこうだった。


 死霊術師ラジャス・アークは裏切り者ではなく、慈愛の聖女カナ・シジョウと恋仲だったらしい。

 そして、魔族との戦いの中で、聖女カナ・シジョウを庇い大怪我を負った死霊術師ラジャス・アークを無視して魔族と戦い勝利し、慈愛の聖女カナ・シジョウに横恋慕していた初代国王アルディーノは、死霊術師ラジャス・アークを国境を越えた遠方に秘密裏に破棄したらしい。

 そして、昏睡から回復した慈愛の聖女カナ・シジョウには、死霊術師ラジャス・アークが死亡した報告した。

 絶望に染まった慈愛の聖女カナ・シジョウは、初代国王アルディーノの求婚を自壊気味に受けた。

 しかし、孤高の神聖騎士セル・ファードは、隠し切れずに真実を慈愛の聖女カナ・シジョウに全て話してしまった。

 怒った慈愛の聖女カナ・シジョウは、初代国王アルディーノの制止を無視して死霊術師ラジャス・アークを探す為に旅に出た。

 初代国王アルディーノの強引さに呆れて、孤高の神聖騎士セル・ファードも氷結の魔術師マレ・ギィールも、初代国王アルディーノの下から立ち去った。

 しかも、慈愛の聖女カナ・シジョウが、旅に出たのは結婚式当日だった。

 これには怒り狂った初代国王アルディーノは、死霊術師ラジャス・アークは、魔族に寝返った裏切り者とする物語を国本として国中に配布した。

 そして、結婚式に参加した者達には、箝口令を引いて、かつての慈愛の聖女カナ・シジョウを含む仲間は、「己の道を行く」と言って旅立ったと公表した。


 ……国が公表をした事を知ったという内容の手紙が初代国王アルディーノ崩御したという公表から3週間後に、慈愛の聖女カナ・シジョウの花押付きで王宮に届けられた。


 どうやら、当時、慈愛の聖女カナ・シジョウが実の妹の様に接していたメイドが、結婚式から3日後に居なくなったらしい。

 そのメイドが、慈愛の聖女カナ・シジョウを見つけ出して教えたのではないかと、王家は思っているみたいだ。


 だから、正確に言えば、王家としては、俺を死霊術師ラジャス・アークと慈愛の聖女カナ・シジョウの子孫だと思っている訳だ。


 全く違うけどな!


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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