俺達の勝利だー!
まあファンタジーだし、こんな「牛」が居ても不思議じゃないだろう。
勝利の戦女神アテナは、GRで、所有者は俺を含めて5人しかいない超レアなカードだ!
入手方法を語り出すと長くなるから割愛するが、兎に角大変だった。
「勝利の戦女神アテナよ、戦士達に勝利の祝福を!」
俺がそう言うと、アテナから3つの光る黄金の玉が生まれ、3人の胸の中に消える。
すると、勝利の剣皇スターリアは青い光に包まれ、勝利の聖騎士ドラグシアは緑の光に包まれ、勝利の拳聖シュンは赤い光に包まれた。
勿論、アテナには装備する武器がある!
「封印解放! 天覇烈光槍!」
もう1つ!
「封印解放! 天覇烈光鎧!」
まあ、分かる通り、錫杖が槍に変わったフル装備した彼女を思い浮かべてくれ。
そのイメージが近い。
「征け!」
そして、青と緑と赤と白の光が線となってスタンピードに向かう。
……アテナ達の闘いは、彼我の大きさが違うだけの蹂躙劇だった。
剣皇スターリアが、聖騎士ドラグシアが、拳聖シュンが、上手くコンビネーションを駆使して攻撃して、最高の攻撃力を誇る勝利の戦女神アテナが討伐する。
それを繰り広げていった。
1時間以上が過ぎて、スタンピードは収束したと思われた。
実際、もう奥の大森林からモンスターが出て来ないしな。
それでも、もう20分待った。
そして……
「野郎共、勝鬨を上げ……」
奥の大森林から、スタンピードから受けた比ではない、圧倒的な魔力を全員が感じた。
「どうやら、ラストボスの御出ましだな」
「ヤクモ、勝てるか?」
「愚問だな。俺がどうやって災害級ザカリアスを倒した?」
「……あ!」
「そう! 単独討伐だ!」
「頼む、ヤクモ」
「ああ、任せろ! 災害級ザカリアスの単独討伐が、伊達じゃない所を魅せてやる!」
そして、アリシア達の……
「ヤクモ、勝って!」
「ヤクモ様、勝利を手に!」
「ヤクモ殿、勝つであります!」
「我が君、信じています!」
「我が主君、神のご加護があらんことを!」
「ヤクモさん、頑張ってね!」
「ヤクモ義兄さん、生きて帰ってください!」
「行ってくる」
俺は、アテナ達をカードに戻し、召喚の腕輪を仕舞うと、災害級ザカリアスを素材にした武具を装備した。
皆から、200mぐらい離れて待っていると、奥の大森林から地響きが近付く。
そして……
現れたのは、5階建ての建物の屋上部分よりも高い所に頭がある、ドラゴン並みの巨体を誇る幻想的な闘牛だった!
「BuMoOーーー!」
おいおい……今、確実に大地が揺れたぞ。
コレ、災害級モンスターの枠に入ってないよな?
まあ、想像通りだとしても、やる事は変わらないがな。
……色々な奴らが、覗いているだろうが、表舞台のこんな場面で登場した以上は、派手に演じて魅せてやるさ!
「先ずは、小手調べだ。順番に喰らえ!
第1位階魔法、火矢10連! 第2位階魔法、風槍10連!」
「……」
「まだまだ! 第3位階魔法、氷球10連! 雷球10連!」
「……」
「まだ終わらせない! 第4位階魔法、岩槍10連! 闇球10連!」
「……」
「次行くぜ! 第5位階魔法、光槍10連!」
「……」
まあ、災害級モンスター以上のこいつには、この程度の位階魔法じゃあ、反応すら無いか。
城壁の上の騎士達side
「なあ?」
「何だ」
「オレ達は夢を見ているのか?」
「残念だが、現実だ」
「そうなると、第3位階魔法までなら、まだ納得出来るが、第4位階魔法に、第5位階魔法までもが、同時に複数の攻撃をしているよな?」
「ああ、そうだ。自分の目で見ても信じられねぇが現実だな」
「あの人が、多分だが、災害級ザカリアスを単独討伐したヤクモ様だろうな」
「あのヤクモ様か!」
「ああ。だから、ヤクモ様なら倒してくれる筈だ」
「そうだな……」
ヤクモside
さあ順番通りに行こうか。
「第6位階魔法、炎刃竜巻! 氷刃竜巻!」
「……」
「まだ、無反応か。……なら、これは!
第7位階魔法、重力陣!」
「……」
「コレも無反応かよ。」
こうなると、当然浮かぶ疑問があるが、とりあえずは後回しにして、先に、目の前のコイツを倒すのが先決だ!
「第8位階魔法、白炎爆裂!」
「BuMo!?」
「やっとかよ。それなら、これはどうだ!
第9位階魔法、皇帝不死鳥!」
「BuMoOーーー!」
「……やっと、小さい火傷かよ。こうなったら最後までやってやらー!
第10位階魔法、氷雪暴嵐!」
「BuMoOーーー!」
「やっと効いた!? まだまだ行くぜ!
第10位階魔法、灼熱太陽!」
「BuMoOーーー!」
「これで決める!
第10位階魔法、雷霆槌!」
「……BuMoOーーー!」
「どうだ!」
凄まじい大落雷に因って、粉塵は舞い視界を塞いでいたが、次第に晴れると、そこには外見は多少のダメージを受けているが、戦闘不能には……程遠いだろう。
やはり、多少は痛かったのか、前足の蹄で大地を削っている。
そして……
「BuMoOーーー!」
遂に突進を始めた。
勿論、進行方向先は王都だ!
……行かせるかよ!
俺は、右手中指の指輪を外す。
その瞬間から身体から圧倒的な魔力を噴き出し、俺本来の「力」が十全に使える様になった。
俺は駆け出し、自身の影が消失する程の速さになり、一瞬で巨体闘牛の後ろに抜刀した体勢でいた。
そして、右前足を失った巨体闘牛は支えを喪い転倒する。
俺は右前足を仕舞うと、立ち上がろうとするが出来ない巨体闘牛に近付き、再び居合に構え一閃!
「Bu……」
先程までの曇天が嘘の様に光が射した。
その光に照らされた巨体闘牛から首が落ち、雨の如く血が周囲に降り注いだ。
俺は、文字通り血の雨が落ち着いた後、巨体闘牛の首級に登り、抜身の剣を天に掲げ宣言する
「俺達の勝利だー!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。
残り1話です。




