この方が、誰か分かっているのか?
普通は、ハーレムだと思うから……
都市の道路に、汚い赤い染みを付けない様に注意しながら、俺達は領主館に到着した。
因みに、アリシアとアリスは、使い捨ての手袋を装着して、バカのズボンの裾を握っている。
門番も気が付いて、誰何しようとしたら、俺達の後ろで、拘束された上で引き摺られていたのが誰か分かると、手持ちの槍を俺達に向けた。
「この方が、誰か分かっているのか?」
「領主の息子だろ」
「分かっているのなら、キホーテ様の拘束を直ぐに解け!」
「拘束する理由があるから、拘束して領主館に来た。領主と話がしたい」
「……分かった」
2人居た門番の内、1人が領主館に向かって、残った門番は、俺を睨んだまま槍を俺に向けていた。
……待つ事30分以上過ぎた頃に、執事らしき男性に案内されて、俺達は領主館に入った。
バカは、領主館お抱えの治癒術士に因って傷は治療されたが、拘束されたままだ。
応接室に案内されて待っていると、10分後に領主であるロイトハンゲム侯爵が入って来た。
「待たせたな」
冒険者的な挨拶と、自己紹介を済ますと本題に入った。
「足下に転がしている『コレ』は、侯爵の息子で間違いないか?」
「確かに、三男のキホーテだ。それで、どうしてこうなった?」
俺は、最初から説明した。
「……そうか。迷惑を掛けて大変申し訳ない! キホーテには、しっかりと言い聞かせておく」
「それだけか?」
「どういう意味だ?」
「言葉のままの意味だ」
俺は、王紋を見せた。
「……!? そ、それは!」
「昨日、冒険者ギルドから手紙を出した筈なんだがな」
「ま、まさか、貴様……いや、貴方が『ヤクモ』か!」
「ああ。Sランク冒険者にして、災害級ザカリアスを単独討伐したヤクモだ」
まあ、噂と実物に大きな差があると、自己紹介をしてもこうなるよな。
「さて、改めて聞こうか。俺に対して敵対行為をしたコイツをどうする?」
「……」
「最近、マリベージャル国で起こった王族が関わる事件を知っているか?」
「それは、どうい……!」
きちんと仕事をしていれば、確実に耳に入る事件だ、アレは。
「キホーテを、我が侯爵家から廃籍し、この都市から永久追放とする」
「それなら良い」
俺は王紋を仕舞う。
この後、一泊を勧められたが、リン達やリドナ達が待っているからと断ると、その者達も呼ぶと言い出し、仕方なく一泊する事にした。
アリスに肘で突つかれ、荒事担当の4人を思い出して、彼らの事も伝えた。
まあ何人かは、宿屋に居る、病に苦しむ仲間の方に行った。
領主館側に来たアリシア達とリドナ達で昼食を頂いたが、媚び全開の豪華な料理には若干引いた。
そして、この豪華な料理が、皮肉にも、バカこと元ロイトハンゲム侯爵が三男キホーテの最後の晩餐となった。
昼食後に、最低限の装備と荷物を渡され、即座にキホーテは城塞都市から追放され、1時間も経たぬ内に、ゴブリンの歓迎を受けたらしく、その日の夕食後に死亡報告だけが、領主館に届けられた。
ダンジョンに行っていた4人は、昼食後から90分後に領主館に来た。
しかし、求めていた「セルダム草」は、必要量に達していなかった。
そして、4人は全身ボロボロで、侯爵の善意と政治的考慮込みで治療を受けている。
「ちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃい、ヤクモ」
「行ってらっしゃいませ、ヤクモ様」
「お土産も忘れないでね、ヤクモさん」
「宿屋に、必要な人材と道具等を揃えておきます、我が主君」
俺は、アピールに成功した4人と出遅れた2人の顔を見た後、セルダム草を1つ貰うと、ダンジョンへと向かった。
……夕食時、病が回復した奴も含めて、ダンジョンの30階層のエリアボスを倒して出た宝箱の中身の1つ「ハイホーンバイソンの霜降り肉」をメインにした晩餐で、楽しく皆で舌鼓した。
夕食後、風呂に入ったのだが、アリシア達全員が全裸で突撃してきた。
因みに、リドナまで参戦していた……
「マナーを守るのなら、一緒に入る事を許してやる」
と、ガチで言ったら、大人しくマナーを守って入浴した。
勿論、湯着込みだが、桜色に上気したアリシア達は芸術品だった。
入浴後に、侯爵に呼ばれて1人執務室に入ると、明日からの予定を聞かされ、注意事項を聞いた。
「国境を越えると、左手側の大森林には、鉱物が採掘出来る深い谷があるが、ダークエルフが住んている。
普段のダークエルフ達は、争いを好まぬ種族なのだが、最近、不穏な動きをしていると報告を受けている。
ヤクモ殿なら、問題は無いだろうが、注意して欲しい」
「分かった」
この後は雑談になったが、途中でさり気なく三女を嫁に薦められたが丁重にお断りした。
翌日、侯爵の執事に見送られ、俺達は国境を目指した。
無事、俺達とリドナ達は国境を越えた。
のんびりと馬車で移動をしていると、褐色のエルフこと、ダークエルフの美少女が、当たり屋の如く俺達の前に飛び出た。
「お願いします。私達を助けてください!」
とりあえず、ソフィアが回復魔法を掛けた後、説明をして貰った。
「実は……」
内容は、まあまあ胸糞だった。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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