素晴らしい舞だった!
久し振りの「足長おじさん」です。
「あの漫画、結構面白いけど、それにしてはマイナーからのリスペクトでしたね、ヤクモさん」
「まあ、お気に入りだからな」
あれから、1時間後に城塞都市で、最高と言われるレストランに行き、白金貨を3枚見せる事で対応した店員を黙らせて入店し、個室で出された料理を美味しく頂きました。
その後は、各自が自由に散策する事になったが、アリシア達が気を利かせて、俺とアリスだけになった。
それで、先程の台詞だ。
「ヤクモさんは、後は何が出来ますか?」
「後もう少しで、『天地○闘の構え』が使える」
「あははは! それは楽しみです!」
「因みに、カイ○ーフェニックスは使えるが、メド○ーアは無理」
「他には?」
「虎砲はまだ練習中で、界○拳並みに戦闘力が上昇する身体強化は出来る様になった」
「凄~い!」
……結構……いや、本当に激難なんて言葉が陳腐に感じる程に困難で、あのブルーからの界○拳を目標にしていたからなぁ。
こんな感じで、アリスと楽しくデートをしていると、進行方向先にある広場で、何やら騒ぎが起こっていた。
「冗談じゃないよ!」
「金は、払うって言ってんだろうが!」
「リドナは、芸は売っても、身体は売らないよ!」
「は!? 何を言ってやがる! それだけの身体を持っているのに、寝言を言ってんじゃねえよ! どうせ、行く先々で夜毎に男を食っているんだろうが!」
確かに彼女の外見は、妖艶にして美しい肉体美を誇っている上に、逆に顔は幼い顔立ちをしている。
後、彼女の服装や、周りの人達を見る限りは旅芸人の一座かと思える。
まあ実際、旅芸人の一座の中で舞う踊り子が、夜とかに、貴族や権力者の所に行っているのは特に珍しい事じゃないからな。
つまり、あの男も、それなりに「権力」や「金」を持っているのだろう。
「リドナは、舞を安売りする気は無いね!」
「……この売女が! 捕えろ」
あ、強硬手段に走った。
勿論、彼女の仲間は必死に庇い、相手のご機嫌を取り、宥めているが、相手は聞く耳を持っていないな。
「ヤクモさん……」
「分かった」
大切な恋人のお願いは断われないな。
「ちょっと待て」
「誰だ、貴様は? 部外者は引っ込んでいろ!」
「そういう訳にもいかなくてな。
それに、同じ男として、あんたの見苦しい言動に我慢出来なくてな」
「……やれ」
護衛か私兵らしき男共が、俺に向かって来たが、そうとう頭に血が上っているな。
とりあえず、相手の様子見の一撃を受けてから、相手を腹パンの一撃で沈めた。
「ば、バカな!?」
「どうする? まだ恥を晒すか?」
「……お、覚えていろよ」
「ああ、覚えといてやる。その代わり、次は無いからな」
「……」
返しの言葉を言わずに向こうは撤収して、周りの野次馬からは喝采を受けた。
「危ない所を助けてくれて、ありがとう」
「どういたしまして。それじゃあ。
そちらも、早々に、この都市を出た方が良いぞ」
「ちょっと待ってくれ」
「どうした?」
「……助けて欲しい!」
「どういう事だ?」
話を聞くと、彼女の名前は「リドナ」で、俺の予想通りの旅芸人の一座だった。
そして、この一座が、この城塞都市に来たのは、仲間の命を救う為だった。
何でも、仲間の1人が病に罹り、その病に必要な薬草が、最寄りのダンジョンから手に入れる事が出来るらしい。
そして、一座の荒事担当の4人がダンジョンに行っている、との事だが、道理で、強面の男が居ない訳だ。
そして、もし、その薬草を持っているのなら、買い取りたいと言ってきた。
「どうかな?」
「悪いが、その薬草は持っていない」
「そ、そうか。余計な時間を取らせて済まないな」
「それは良いんだが……」
「ヤクモさん、良いですよ。私もアリシア達も反対しませんから」
「……そうだな」
「?」
いきなり現れたアリスや、その台詞に意味が分からない為に、頭の上に「?」マークを浮かすリドナが居た。
「乗り掛かった舟だ。手を貸そう」
「……良いのか?」
「ああ」
「……ありがとう」
お互いの自己紹介を終わらせて、リドナから話を詳しく聞く。
目標の薬草の名前は「セルダム草」で、大体、25階層からの森林エリアから見掛けるらしい。
因みに、ダンジョンに行っている4人は、20階層までなら行ける実力は持っているが、それ以上は難しいかもしれないとの事だ。
そんな訳で、4人の無事な「凱旋」を待ちながら、旅の路銀を稼いでいた訳だ。
そして、その4人が居れば、あの手の男は普段なら撃退出来るらしい。
「なるほどな。リドナ」
「なんだい?」
「軽く踊ってみてくれ」
「……分かったよ」
……美しく鮮やかな舞だった!
正直、旅芸人の一座に収まるとは思えない程の実力だ!
ハッキリ言って、舞姫としての彼女を気に入った。
是非、見たい時に自由に見たい!
アリスも、俺と同じく見惚れているから、アリシア達も気に入る筈だ。
「素晴らしい舞だった!」
「ありがとう」
「単刀直入で聞く。1つの土地に落ち着かないか?」
「それはどういう事だい?」
「衣食住の全てを、俺が面倒をみよう。
更に、舞台も用意する」
「な、何を言ってんだい! まだ若いヤクモにそんな金や伝手を持っているなんて……」
「両方、持っている!」
「……本気かい?」
「本気だ」
「それなら……」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




