表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

与えられることに慣れてしまった

作者: 白夜いくと

 あまりチヤホヤされることの無かった私ですが、ある連載がほんの少しだけウケて大はしゃぎしていました。更新するごとに感想や評価が入っていた時間が有ったり、時にはレビューなんかも貰ったり。


 ホントもう物凄く嬉しかったのです。そこで「長期連載しちゃおう!」って決めて、ちょっと欲が出てきたときにピタッと評価が止まりました。


(な、なんで。いっぱい更新したよ! 見てよ!)


 などと思いましたが、いくら更新しても評価やブクマは増えず。「いいね」もピタリと止んでしまいました。そうなのです。こういう反応が普通なのですよね。でもこっちは承認欲求の塊になってしまいました。


 一時でも、プチバズったから!


 活動報告を華やかにするという方法もあると思います。しかし、それをするなら次話を投稿して様子を見たいとも思うのです。悩ましい!


 また。肝心の私は人の作品は滅多に読まなかったりします。そういう所がダメなんでしょうね。「私は書き専だ! がっはっは!」と言えるほどの筆力はないし、有るといえばこの時代に浮世離れした日常を過ごしているという事実くらいでしょうか。


 決して贅沢してるわけではなく。かといって瀕しているわけではなく。薬を飲み、気が向いたら小説を投稿して、疲れたら眠る。たまに発作。人生経験は少ないですが、私にとっての普通は世間の普通とはえらく違っているようです。


 何事も与えてくれる社会にすっかり溶け込んでしまった気がします。福祉関係の人が掛ける、「生きているだけでえらい」って言葉は、10年前の私に聞かせたら耳まで真っ赤にして怒ったでしょう。


「そんなわけない」


 と。

 そう。普通の人はそれだけでは生きていけないのです。普通で無くなることに恐怖を覚えていたのが、段々慣れてきて、「今月年金減っちゃうのかぁ」とか「疲れたからタクシーで行く。発作が起こったら怖いし」とか言っちゃうくらいに傲慢になったと思います。


 少なくとも私は、『働かなくてもお金が貰えるシステム』を最初は物凄く怖がっていました。あとで「すべて返してもらいます」とか、「その代わり施設に入ってもらいます」とか言われるのではないかとか、ものすごく警戒していました。


 確かに失った物は大きいです。現状では旅行は出来ないし、一人で生きていけません。そのためのお金だって言われれば「まぁ、ね」とは返せますが、それ以上の言葉が出せません。


 もちろん、福祉の充実は過去の人たちの訴えによって成し得た物であり尊いものです。これは理解できますが、じゃあ私が出来る最大限の義務とは何か。考えてみても思いつかないのですよ。


 そこで、「生きているだけでえらい」は『おかしい』に繋がるのです。病気になる直前までそう思っていたし、今でも少し思います。


 何か。出来ることはないのか。考えてしまいます。これが、与えられることに慣れてしまった者の日頃の悩みです。


 でも、そんなことを小説にしても面白くないかなって思い、私の考える『日常に近い非日常』を描いているのです。きっと、それはこの先も続く……と思いたいです。


 リアルでは、『普通ではない』ことがステータスみたいになっていますが、ネットの世界なら平等です。面白い作品を沢山作って、少しでも楽しんでもらえたら、それこそ『生きているだけでえらい』に繋がるかなって思います。


 素直に受け入れられるようになりたいなぁ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  みんながこういう心根でいてくれたらいいのですけどねぇ。  医療無償化とか教育費無償化とか、犯罪者に育ったら返してくれるのかしらと思っています。
[良い点] 響くエッセイですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ