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異世界転生は許可制になりました。

だいぶご無沙汰してしまい申し訳ございません。久しぶりに投稿いたします。更新が止まってしまっていた小説も書いていくつもりですが、まずは筆慣らしに新作を投稿します。


会見会場には重い張り詰めた空気が漂っていた。

その異様な雰囲気を察し、冷や汗を垂らしながら地球の女神「ルプナ」は壇上へ登る。


見渡す限り多種多様な神々が集まっている。

これほど多くの神々が集まるなど異例のことである。


ルプナは意を決して今回の決定内容を伝える。


「皆さんお集まりいただきありがとうございます。この度、地球からの異世界転生を『許可制』にすることに致しました!これは決定事項です!」


どよめく会場。

そして当然の如く怒り狂う作者、もとい神々。


「勝手に決めるな!クソ女神!!」

「急すぎる!理由もわからず承諾できるか!」


未だかつて神々からこれほど罵声を浴びせられたことがあっただろうか。

あまりの怒号にルプナはたじろぎながらも話を続ける。


「理由と致しましては、日本人の少子化です。ご存知の通り日本人の少子化が止まりません。この要因について調査したところ、日本人を異世界に転生させすぎた為である事が判明しました。そこで地球を管轄する女神として、今回異世界転生を『許可制』にすることを決断しました」


会場はさらにヒートアップする。


「ふざけるな!!俺たちのせいにするな!その国の政治の責任だろうが!」

「お前が神として職務怠慢なだけだろう!管理しなかったお前が悪い!」


思っていた以上の反発にルプナは負けじと懸命に話を続ける。


「私はこれまで人材の派遣に多大に協力してきました。これ以上の人材は必要ないはずです。それに何も禁止するわけではありません!特にインドやナイジェリアなど人口の多い国からの転生は広く認める予定です!そもそも根本的にはその世界のことはその世界で解決するべき問題です!」


その言葉にさらに神々は怒りを露わにする。


「生意気な!魔法すら存在しない地球の管轄者の分際で!」

「ふざけるな!日本人の転生は認めないのか!?彼らの真面目っぷりを我々は評価しているんだ!!日本人の転生を認めないなんてあり得ない!」


怒り狂った神々の声がそうだ!と追従する。


「日本人でも異世界転生を認めることもあり得ます!この決定はあなた方の活動を決して阻害するものではありません!」

「ふざけるな!転生を許可するのは貴様だろう!?日本人の転生などを認めたはずがないではないか!基準はどうなっている!」


「基準は私が決め…」

そう口から言葉が出かけるが、その瞬間神々の殺意に満ちた瞳が強まった。


地球の管理者の立場は低くはないが高くもない。

これ以上神々から非難されるのは避けたかった。

神とはいえ同じ神々であれば場合によっては暗殺される事さえある。


−この雰囲気はまずい–

勘の鋭いルプナは自らの危険を察知すると瞬時にその聡明な思考でこの場で言うべき最適解を導き出す。


「この件は全て少子化担当大臣のミーナに委任しています。詳細については、今後大臣から説明があることでしょう。私に聞いても何も答えることはできません!」


秘技「責任逃れ」である。


その後も非難は続くものの、私は一切関与しませんの一点張りで、のらりくらりとやり過ごす。ルプナは見事に会見の場を乗り切ることに成功する。


しかしその成功の裏で被害を被った者がいた。


「私、何も聞いてないんですけど…」


彼女は自宅で中継の様子を見てただただ顔を真っ青にしてプルプル震えていた。

彼女こそルプナの部下で、たった今テレビ越しに少子化担当大臣に任命されたミーナであった。

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