日常を生きる
人を好きになるのを忘れた。
日常がたんたんと過ぎていく。
私はいつから人を好きになるのを忘れたのだろう。
人間だから簡単な好きはわかる。
タイプの人を見て好きとは思う。
先にある恋愛への好きがわからない。
私はこんなことを長々と考えながら掃除をした。
何年も恋愛らしい恋愛をしてない自分。
家事はそれなりにできる。
料理も煮物を作れるくらいの腕はある。
ただ相手がいない。
実家に帰ると母はニヤニヤと笑っている。
どうやらお見合いの話らしい。
私は断った。
お見合いも選択肢に入ってないわけではない。
それでも自分の目で心で見極めたい。
缶ビールを買って帰ろう。
冷たい風が身に沁みる。
わかってる。
みんなが言うことも望むことも。
ビールを飲みながら愚痴っぽくなる。
窓を開けて月を見ていたが寒さに負けた。
さて、寝ようか。
目覚まし時計をセットした。