5.ルールがある理由
その生き物にエリックは話しかけてみる。
「何者なんだお前は?」
「私は、殺し屋だ」
「お前は、人間ではないだろう?」
エリックは、そのオーラといい、存在感といい人間ではないことぐらいは、すぐに分かった。
「ああ、私は人間ではなく龍人だ」
その生き物、いや龍人はそう答えてきた。
「龍人?なんだその種族は?聞いたことがないぞ」
「当たり前だ、この種族を知っているのは、ごく一部だけだからな」
そんな、ごく一部だけが知っていることを、こうも簡単に教えてもいいのか疑問に思ったが、それは後回しにして龍人にふたたび質問をする。
「俺を殺しに来たのか?」
一番聞きたかったことを質問した。すると、意外な返事がかえってきた。
「いや、違うな。ここに来た理由はお前を仲間にするためだ」
「俺を仲間に?どうしてだ?」
「この世界で、人を殺せる人間が、少ないからだ」
「何故、少ないんだ?」
「詳しい話しは私の昔使っていた地下室で、話そう。ついてこい」
エリックはその龍人に言われるがままに、ついていく。
▦
数分、数十分いや、数時間、自分がどれだけ歩いたか、時間感覚が狂っていて分からない。それぐらいに、凄いオーラを放っていたのだ。
やがて、地下室に着き扉を開ける。中は、何もないが結構広々していて、部屋の隅4つにランプがついている。
龍人は、魔法でランプに火をつけ、部屋の中央に行きエリックに手招きをして、こっちに来るように促す。
そして、エリックと龍人は向かい合い龍人が、素顔を見せる。その龍人は、長く綺麗な青い髪、瞳の色は、とても綺麗な赤色をしている見た目は、女の子だ。一言で言うなら超絶美少女。そんな龍人が話しかけてきた。
「改めまして、勇者パーティー副リーダーのエリックさんですよね」
「えっ、えっとそうですけど」
少し変な声で返事をしたエリックだが、何故自分を知っているのか、戸惑いながらもそう言った。だがそれは、どうでもいいらしい。
「まあ、それは置いといて。では本題に入りましょうか」
ささっと話しを変え、本題に入いった。
「では、まず人を殺せば、レベルが一気にはね上がることは、さっき分かったと思います」
「確かにレベルが一気にはね上がったな」
「次に、人を殺してはいけない「絶対的」ルールがあるのは、このためでレベルを上げるのを目当てに、たくさん人を殺す人をうまないよう、創られたルールなんです」
エリックはなるほど、と一言。
「では、何故この世界では、人を殺せる人間が少ないのか、についてもお話ししましょうか」




