王国内での平和
「と言う事で帝国をなんとかしなければならないけれど…戦争とかになるのは嫌だしな。」
と俺は書類を見つめ真剣に考える。この書類は全て帝国領にいる王国側のスパイが送って来てくれた物だ。
検閲が厳しい帝国からそうやって送ってきているのか俺も少ししか知らないが、賄賂や偽装なのでごまかしているそうだ。
「お疲れ様です。レイン、少し休憩を取った方がいいですよ。」
と【越えざるもの】はそう俺に言いながら、コーヒーカップを渡してくる。入れ立てなのか暖かい、冷めない間に飲んでしまおう。
「ありがとう…ん、美味しい。」
と俺は率直にそう言った。ブレンドとか、配合具合などを知りたくなってきた。今度教えてもらおう。
「そう言えば…私の名前どうします?さすがにずっと【越えざるもの】と呼んでいたら…。」
と【越えざるもの】はそう戸惑いながら言った。確かに彼女の名は今はないし、何しろ本人が覚えていない。
どうかにかしなければな…
「じゃあ… アナベル・ケイト・オコンネルでどうだ?珍しいし、そうそう見つかることはない名前だけど。」
と俺は頭の中をフル回転させながら答えを導き出し、その答えを彼女に告げる。欠点としては、中々長いから呼ぶのが難しいことと後はこの世界に存在するにしてもその人数が少なすぎて厳しいこと、それに国籍が無い名前ということだが…全てコネを使えばまぁなんとかなるだろう。
「う…嬉しいです…///。 アナベルとお呼びください、レイン様。」
と照れながらアナベルは俺に向かって笑顔で言ってきた。うん…可愛すぎる、なんで俺の周りには可愛い子しかいないんだか…
「ねぇねぇ…なんでこんなことになっちゃったのかなぁ?。」
とアリスは書類を指で叩きながら俺に向かってそう言った。一応アリスは帝国の大使も兼ねているため俺が呼び出したのだが、どうやら彼女は王奥が決定したことに対して不満のようだ。
それもそのはず先ほど国王陛下が帝国に対して国際法に基づき経済制裁を科すことを決定したからだ。
「と言われてもなぁ…明らかに帝国が悪いんだし。それにこれから戦争になりそうだけど、アリスはどうするんだ?。」
と俺は1つ疑問に思ったことをアリスに聞いた。俺の予想としてはアリスは帝国に人間だから、帰ると予想している。次に会うのは戦場かな。と思ったその時
「私?私は王国に亡命するわ。だって私だけ逃げても、いい未来は待っていないんだから。」
とアリスは俺に対して笑顔で亡命手続き書を差し出す。
「分かったよ、一緒に戦おう。」
と俺はアリスの亡命を受け入れる旨を国王陛下に通告した。




