国王陛下との面談
「ん…ここはどこなの?。」
と【越えざるもの】はふかふかのベットの上で目覚めた。時刻は午前6時、本当なら彼女にとって不要な睡眠を彼女自身が欲していたからベットまで運んだのだが起きたのだろう。
「起きたか…ここは王国だ。先ほどついたばっかりなんだが元気そうだな。」
と俺は彼女にそう声を掛けた。彼女は不思議そうに聞いてくるが無理もないだろう何故なら、彼女の魔力は完全に回復していないからだ。恐らく小さい頃からよく使ってきた彼女にとっては、初めてのことだったからではないかと思う。
それは何故わかったかと言うと、精一杯自身の瞳に魔力を宿そうとしてみてもさっきから失敗しかしていないからだ。何故そうしようとしているのかと言うと、恐らく俺の考えと現在地を知ろうとしているからだと思っている。
「ええと…あなたはレインよね?どうやってここまで早くついたの?。」
と俺は色々と【越えざるもの】…彼女から質問された。早くついたことに関しては本当のことを言えなかったが、簡単に言えば"固定哨戒機を買収し帝国に報告しない口止め料もセットで払ったからだ"。
________________________________だから本当のことは言えない。____
「さて…では国王陛下と話に行こう。キミの処遇と身分の保証も兼ねてね?。」
と俺は王城の借りていた一室の鍵を閉めると、まだ12、3くらいの【越えざるもの】にそう言いながら歩き出す。
「別に…捕虜なり、奴隷なりあなた方が自由にすればいいのに。」
と【越えざるもの】は自分に置かれた状況を察したためかそう言った。恐らくそれが彼女の本音なのだろう。「負けたから…人権なんて保証されない。」と
結局俺はその答えを悩みながら歩いたが、答えを見つかることはできなかった。
何故なら、「そんな事は言わせない。」とか「そんな事を言うな。」と言うのもどうなのかと躊躇ったためだ。
彼女は彼女なりにそう言ったから、俺自身は悩んだ。
「そんなことを彼女に言ってしまっていいのか。?」と_________________________
王城を歩き始めて3分後、俺と【越えざるもの】は移設された王城の5階にある。王の間にたどり着くことが出来た。「前の城なら3階だったからすぐだったのに。」とそう思いながら三回ノックをし、
「国王陛下、オルウェッド=レイン王都守護星です。事前に通告した通りの話をしに来ました。」
と俺は大きな声で国王陛下にそう言うと。
「入りたまえ…お茶を入れておるから、早く来てな。」
と部屋の中から許可がすぐに出たのでありがたく入らせてもらう。
「おぉ…レイン君生きておったか。てっきり死にかけと聞いておったから、そのまま負けてしまったかと思っておったわい。そのうち勲章でも与えないとな。」
と国王陛下は丁寧にこの大陸では珍しい品種のお茶を丁寧に注ぎながらそう言った。勲章か…最初いじめられていた時から比べると想像もつかなかったな。
「ありがたき幸せ。で隣にいるのが例の。」
「【越えざるもの】か…一応国際指名手配されておるからな。で、レイン君はどうしたいのかね?。」
と国王陛下はティーポットを机に置くと俺の顔を真剣に見ながらそう言う。俺に聞くと言うこと俺の意見を採用すると言う前提で聞いているのだろう。
「僕は…普通に護衛にさせたいですね。僕と同じくらい、いや育てれば僕以上の人物になりますしどうせなら僕と一緒に王都を守らせながら、自分の命も守って欲しいかなと思っております。」
と俺はカップを手に取りながら、国王陛下の顔をまじまじと見つめてそう言う。目には魔力まで込めて言ったことだから真剣さは伝わったことだろう。
「理由は?。」
と国王陛下は負けじと疑惑の目に魔力を込めて言った。恐らく言ったことが意外すぎたから、理由によってはいけるのだろう。
「まずは【越えざるもの】は帝国によって作られた生物兵器です。そもそも異能力というものはスキルと全然違いました。実戦で分かったことはエリートクラスで互角、僕や使徒で苦労して勝てるクラスの強さということです。今では自分も宿したから圧倒的に抑えることもできますし。
そもそも返してしまうと、何かしらの再教育されかねないからです。そうすると僕でも抑えられるのかが分からず、暴走を止めることはできかねないです。」
と俺ははっきりと国王陛下に隠し事もせずそう言った。俺のことがわかってくれたのか、
「分かった…それならレイン君の護衛に決定する。そして身分も保証しよう…帝国に早めに証拠を見つけ、国際会議で報告しよう。」
と国王陛下はあっさりとそう言ってくれた。これで我が国にまた最高戦力が増えた…心強くなったと言える。




