神話になるもの 主食
「では…踊り狂いましょう。この戦いと言う場でね。」
と【越えざるもの】は前の携帯の声を用いて俺を誘ってくる。躍り狂うと言うのは恐らくだが本気の戦闘をしようと言うことだろう、どちらかが死ぬまで。
「あぁ…いいぞ、だが俺には教養ってものがなくてな。それでもいいか?」
と俺はそう逆に聞いた。一瞬で終わらせてやると意思を込めて、相手にプレッシャーをかける勢いで。
「いいですよ…この場において教養なんて必要ありませんからね。」
と俺は彼女の答えを聞いた瞬間にこう言った。
「さぁ…本当に終わらせよう、この戦いを【アルティメットオルナティブ】を用いて。」
「はっ…何かと思えばそんなものでか、いいだろう。」
と【越えざるもの】は言うと、一瞬で魔力を込め始めた。恐らくだが、俺の【アルティメットオルナティブ】が異常なほどの魔力を使用するので使えなくするためだろう。
「厄介だな…ならこれでどうだ?。」
と俺は言うと【アルティメットオルナティブ】の本来要求する魔力量をスキル【調節者】でいじり始める。
さすがにあの【越えざるもの】そのものをいじることはできなかったが、さすがにこの武器自体のスペックを少しだけでもいじることは可能だろう。
「っ…しつこいぞ!これで終わらせてくれるわ。【水彩烈火】」
と【越えざるもの】は火属性最強魔法を驚異の速さで魔法陣を描いていく。何かしらの魔法関係のスキルを持っているからこんな人からかけ離れたことができるのだろうか。いやそれとも、最初から持っていたからか!。
「【アルティメットオルナティブ】!。限界出力を持って限界せよ!。」
と俺はそう早口で、早く終わらせなければと言う一心で出現させ早めに終止符を打つことを決断。そうしてこちらの方がコンマ0,01秒の速さで出現したので早めに撃てるはず。
「ちっ…こうなったら、【時をも超える魔法】。」
と【越えざるもの】は俺の知らない魔法を打ってきた。俺は3学年の時ずっと読書に開け更けていたから大体の魔法を知っているが、俺が知らないと言うことは未知なる属性かまたはオリジナルか。
魔法の効果は瞬時に分かった。その名の通り時間を遅めに操作することでこちらの魔法の出現を、相手と同時刻にさせ相殺。と言ってもどちらもスペックが違う魔法を使用したためか、魔法は一時的に使用不可になっている。
「くたばれ…【百弾蒼華】!。」
と俺は【全滅剣 オルドカルデアス】を瞬時に【愛娘】と交換し、一歩を素早く踏むと剣技の1撃目である横切りを勢いよく振るために、瞬時に相手の懐へ潜り込む。否、潜り込んだ。
「28連撃…これを全て受け止めてなお耐え切ることはできるかな?。」
と俺は剣技の2連撃目を決めようとした瞬間に気がついた。手応えがないことに。
俺は足をスキル【調節者】で時速500km級にすると、敵が逃げるであろう場所に移動する。魔力が周囲に足りていないから相手も浮くことができないのだろう。
いや…できないと見せかけて逃亡するつもりか!
「見えないと思ったか?残念…光が反射しやすくなっている偽装スキルだと意味がないぞ!。」
と俺は言うと剣を構え相手の場所目掛けて、突進し始める。そうしてまだ少ししか頼っていないためか全然成長していないスキルを無理して使用、自分の重力を落とすことに成功する。
「どうせなら…永久にお前のような犠牲者を出さないようにしてやるよ。」
と俺は剣を前に突き出しながら重心を前にかけそう言うと、思いっきり足を踏み出す。そうして一点だけおかしい反射をする物体に剣を突き刺した。
「ぐはっ…だが、これで終わらせるつもりかな?もう遅い。」
と【越えざるもの】は一瞬でまた形態をあげる。これで最終形態か…魔力量が異常な程に感じられる。
「はっ…お前みたいにこっちは余裕ぶっこいているわけではないんだわ…お前のように異常ではないからな。こっちは命を賭けているんだよ!。最後の剣技を見せてやる。【エンドポータ・ジエンド】」
と俺は言うとイメージしながら【越えざるもの】に接近し始める。本当に終わらせるつもりで、そのうち【越えざるもの】の味方がこっちへ到着することを知っているから。
「では終わらせよう…【オルタネートⅳ】絶空爽快!。」
と彼女が宣言すると、数え切れないほどの全属性を以って作られた剣が、こちらへと雨のように降り注ぎ始める。が、こちらの剣技の連撃数は85。圧倒的に終わらせてやる。
「はあっ…!。」
と俺は言うと空中へ飛び、剣の迎撃を図る。この剣を壊せばこちらの勝ちだろうから、早めに!。
「はぁ…負けたよ。君みたいな人間に。」
と彼女は落ちながらそう言う。俺へ全身全霊で【越えざるもの】へ向かうと瞬時に抱え、落下し始めたのだった。




