俺とアリスとメイドと
「なあ…一つ思ったんだけど、食料ってどうするんだ?」
と俺は一つ思ったことを聞く。その答え次第では学院まで逃げて帰ることだってできるからだ。
さすがに俺自身が思春期ということもあるが、それでも年頃の女の子とずっといるとなると、意識しかねない。
「それはね、私のメイドが行ってくれるから大丈夫だよ。」
とアリスは料理をするつもりか、包丁を取り出し野菜を手にしながら言った。
すると程なくして玄関からドアをノックする音が聞こえた。
「噂をすれば。来たから紹介するね!」
とアリスは言いながら俺を玄関に無理やり、連れて行くとドアを開けた。
開けると底にはこの国では珍しい銀髪の女の子が、鞄を両手に持って仁王立ちして待っていた。
「アリス様、おっしゃっていた食材を持ってきました。」
とその女の子はそう言うと、両手に持っていた鞄をアリスに渡した。
その重そうな荷物をアリスは、軽々と持ち上げ。
「ありがとう、千歳。またお願いしても良いかな?」
「はい。勿論です、アリス様のためなら。」
とそんな会話を俺の前でしていたが、千歳という女の子は俺の存在に気づくと、ポケットから短刀を取り出し俺の喉元に突きつける。
「なっ、あぶねえなあ。死ぬところだったじゃねえか」
と俺は言いながら千歳を組み伏せる、”念には念を”という言葉も世の中にはあるのでナイフは没収済みだ。
「さすが、レイン。腐ってもまあ王都守護星の地位があるからね。」
とアリスは褒めているのか、褒めていないのか分からない事を俺に言う。
「えっ、この男いつの間に。ってかアリス様さっき何と」
と巻き込まれた千歳はいまだに理解していない様子だ。
「ええとね、説明するわ」
「はあなるほど、分かりましたでは失礼しました。」
と説明を終えて千歳はすべてを理解したようだ。ナイフは一応返しといた。
「ですが、レイン。あなたにアリス様はあげませんから」
というと千歳は俺の前から姿を消した




