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どうやらバイト先に新人さんが入るらしい。

 さて、今日はバイトだ。もちろん夜勤。

 いつも通りチャリを漕ぎながらバイトという名の戦場に向かっている。

 何度も言うが、やはり夜勤のバイトという奴は美味しい。

 普段であれば時給1200円のところが、夜勤になった途端1400円になる。まあ人によっては大したことないと思うかもしれないが、男というやつはキャバクラやガールズバーなどといった女子の特権である高給バイトはできないのだ。

 確かに今の時代、レンタル彼女だのレンタル彼氏などが流行っているみたいだが、俺にそんなバイトができるほどの容姿はないし、相手を虜にできるような魅力があるとも思えない。

 やはり大学生活を彩るのはバイト選びもかなりの重要性を秘めていると思う。

 学校での交友関係とは関係なく、自分のコミュニティを築き上げることができるからな。もし学校内での人間関係によるトラブルがあったとしても、バイト先だけは裏切らない。なぜなら全く関係のないコミュニティだからな。

 まあ俺学校でトラブルになるほど友好関係広くないんだけどね!!!


「それにしても……喜一の問題、なんとか解決してやりたいな」


 今日の大学の授業では、美琴ちゃんと被っている授業がなかった。

 そもそも俺と美琴ちゃんは大して関わりがない。なんなら美琴ちゃんからしたら俺は喜一と関わる鬱陶しい奴だという風に煙たがられているまである。

 たまたま授業が被ることが何度かあったけれど、一緒に授業を受けようなんてあるはずもなかった。

 でも確か……明日の授業、美琴ちゃんと同じ授業を取っていたはずだ。

 何回か見かけたことがあるから間違いない。でも俺の時は、喜一が言うような間男の姿は見かけなかったけどな。


「まあ大学生活も残り僅かだし……数少ない友人の手助けぐらいしなくちゃな……」



 この問題が終わったら、そろそろ自分の進路について真剣に考えないとな――――



 ***


 チャリを駐輪場に停めて、いつも通りハンバーグくさい裏口からバイト先に入る。


「お疲れ様でーす」


 店長がいる事務室に入るも、店長の姿がなかった。

 なんだ? 珍しく店長もウェイターで出てるのか?

 今日は確か日向先輩もシフト入ってるはずだが……。


「ま、行けばわかるか」


 更衣室で着なれたウェイター服に着替えて、鏡で自分の顔をチェック。

 うん! 20点! いつも通りだ!

 さて、そろそろ勤務時間だし、ホールに向かうか。


「おお、尾崎くん来たんだね」


「あ、店長。お疲れ様です。……もしかして今出勤したんですか?」


「いや違うよ!? ちょうどさっきまで面接をしていてね。今日から新人さんが入るから」


「あ、それでどっか行ってたんすね。事務室行ってもいなかったんで」


「あーゴメンごめん! 喫煙所行ってたんだよ」


「なるほど。それで、その新人さんいつから入るんですか?」


「今日からだよ」


「へー今日から……今日!? 面接して今日の今日!?」


「いや〜実はさっき日向さんから連絡あってね、体調が優れないみたいなんだよ。だからホールは人が足りないしと想って、尾崎くん一人じゃ大変かなーとね」


「いや俺のことを思っての行動みたいに言ってますけど、結局新人さんに手取り足取り教えなくちゃいけないんで業務量倍ですよ倍」


「……てへ」


「てへって……まあいいですけど」


 日向先輩とはこの間の一件以来会ってないんだよな……。

 ラインでのメッセージでは謝ったりしたけど、やっぱり面と向かって謝罪したいよな……。期間空くと言いづらくなるし。


「まあとりあえず、行っておいでよ。もう新人さん待ってるから。色々教えてあげて」


「あ、わかりました」


 新人さんの教育か……日向先輩に俺もみっちり叩き込まれたなあ。

 そんな俺にもとうとう後輩ができると思うとしみじみするもんだな。

 ま、それで俺よりも全然年上のおじさんおばさんだったら先輩面するなんてできないけどね!


 やはり俺は軽度のコミュ障なので、初対面の人と会う直前は少し緊張する。

 バックヤードで控えているとのことなので、おそるおそる入ってみるとーー


「……え」


「……」


 会いたくない人物がそこにいた。


 一度切り離したはずの過去を、彷彿とさせてしまうーー真っ暗な高校時代の知人と。


「ま、まさか尾崎くんがいるなんて思わなかったな……ひ、久しぶりだね」


 高校時代、それも俺が野球部に所属していた時代の、野球部マネージャー。


 星宮ほしみや夏帆かほ


 俺が天狗になっていた頃から、見事に崩れ去る様を見届けた人物だ。

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