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第三話 大規模ギルドバトル

 今回行われた大規模ギルドバトル、このバトルにおいて相手のギルドを倒す方法は二つ存在する。


 相手のギルドマスターを倒すこと。

 もう一つは、相手のギルド拠点の最終守護領域にある、ホームクリスタルを破壊することだ。

 前者は単純にギルドマスターを倒してしまえば良いが、後者はそう簡単ではない。

 

 ギルドホームには領域と呼ばれる空間がいくつか存在する、ロフィスの所有している ”空中都市 アルカナ” は五つの領域が存在し、五人のNPCがそれぞれの守護領域を守っている。



 第一守護領域――アルカナ市街地

 第二守護領域――市街地中央大塔

 第三守護領域――メビウスの回廊

 第四守護領域――地下牢獄

 最終守護領域――アルカナ城内部



 もちろん、ギルドホームを守っているだけでは相手のギルドホームを攻略できないため、こちらから攻めなくてはならない。ギルドで使役できるNPCは、合計十三人と決まっているため攻守の絶妙な配分が勝負の明暗を分けるのだ。



「うっ……。確かに第三守護領域は難関だったわ。守護者を倒さないと、次の領域に続く道が出現しないなんてチートよ! あれのせいでどれだけ時間を取られたことか……」


「特殊な魔法がかけられているからな。この領域を突破しただけでもすごいと思うけど?」



 アルカナ城内部に入るにはメビウスの回廊と呼ばれる巨大通路を通り抜ける必要がある。

そして様々なプレイヤーがこのメビウスの回廊をチートと呼ぶ理由が一つ存在する。

 この回廊には特殊魔法、<エターナル・オブ・フリューア / 無限の回廊>がかけられている。そして、この特殊魔法を起動した場合、出口のない無限回廊と化すのだ。

 突破する方法は一つだけ、無限回廊に魔力を供給しているNPCを倒すこと。


 

「スピードと防御特化型のステータスで、さらに回避を優先的に訓練したNPCだからな。あいつを倒せたのはお前だけだ……誇っていいぞ?」


「はぁ……。あんなチートを放置している運営も何考えているのかしら」



 大きく肩を落とし、呆れた表情で彼女は呟く。

 チートと言われたからだろう、ロフィスはすかさず反論する。



「弱点も一応存在するんだが……。まぁ見破れたら大したもんだな」


「そうなの!? 普通にゴリ押しで突破かと思った……」


「あはは! 決勝の舞台まで上がってきた人のセリフじゃない気がするんだが?」



 ぼっちぶぅの返答にロフィスは笑いながら返答する。決して相手を馬鹿にしているわけではない笑いは、友人に対する信頼から来るものだった。



「もぉ……笑わないでよ!」



 笑われたことが恥ずかしかったのだろう――顔を赤らめている彼女は、話題をそらすために、一度咳払いをしてから口を開く。

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