小心者かあっ!
初めて書いてみました!
今日もひとりの家に帰る。
狭い住宅街に入って車を止める。まわりからはにぎやかな団らんの声。ニンニクとゴマ油の匂いは中華…かな。
わが家だけ暗闇を吸い込んだように冷たく黒くたたずんでいる。
ミニチュアダックスフンドのマルコは自分に気付いてくれたか。気配がしない。
いつも宅配にワンワンうるさく吠えるくせに、今日はどうした!
ドアを開け、中の様子を確かめる。
しーんとした空気。お母さんが家にいないってこんな感じかー。
電気を付けまくる。玄関、台所、居間…
明かりが付いた瞬間何かが自分めがけて飛んできた!
うわゎー!驚かすなよマルコ!
心拍数がヤバいぜ。
ふわふわのからだを撫でてるうちに少し落ち着いてきた。
だがまだまだやることはある。
トイレ、お風呂場それに2階も見回らなければ。
暗闇が普通の空間に変わるのを確めながら、各部屋を順番に点検して行く。
2階の安全が確認された時、下でマルコの吠える声。
おいおい。いったい何に向かって吠えてるんだ。何か、何かいるのか…
全身の鳥肌をなだめすかしてそろそろ階段を降りる。イヤだー!絶対何かいる!やめてくれぇ~!
「何やってんのマモル?」
わわわ!
ねえちゃんかよ!!
料理の作れない自分のために買い物してきてくれたんだ。
バカじゃないの、部屋中電気付けてーと言いながら買い物袋をドサッと置いた。
「まさか、オバケが怖かったんじゃー」
まさか、んな訳ないだろ。あーこれ好きなんだ、気が効くねー
安心したら、急に腹がへってきた。ありがとねえちゃん!