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たっくんとゆかいななかまたち

たっくんとゆかいななかまたちシリーズ<14>たっくんと虹色ベーグル

作者: 杉浦達哉

挿絵(By みてみん)

たっくんがテレビを見ているとカラフルなレインボーベーグルを紹介していました。

「とーちゃん、俺あれ食いたい!買いに行こ!」

とたっくんは言いました。

ジェイムスン中佐は

「おいおいお前パンは嫌いじゃなかったのか」

と言うと

「でもあれ、きれいな色でうまそうだよ!」

とたっくんは言い、中佐は

「こいつのうまそうな色というのはよく分からん」

と呆れました。

「でもたっくんがパンを少しでも好きになってくれるなら朝御飯やおやつの準備が楽になって僕は助かりますけどね」

とケビンは言いました。

「ふぅん、そんなに言うならひとつ注文するか」

と中佐は言いました。

「場所はヌーヨークですよ」

とケビンが言うと

「俺なら30分もあれば行けるよ」

とたっくんが言って、さっそくいつもの仲間を呼びました。

「ヌーヨークまでレインボーベーグルを買いに行こう」

とたっくんが言うとみんなも面白そうだから一緒に行くと言いました。

ケビンは代金をF35に預けました。

「たっくんだとお金を猫ばばするかもしれないしね。君に預けるよ」

「分かりました」

F35はお金をキャノピーの中にしまいました。

いつものようにたっくんを先頭にF35、A10ちゃん、B2君の順番に離陸して4機は出発しました。

その頃、そんな4機を見ていた機影がありました。

ユーロファイタータイフーンです。

スマホの画面にはSNSでたっくんが『これからみんなでヌーヨークに行くぞ』と4機の写真をのせているのを表示しています。

「あいつらが4機揃って出掛けるなんか秘密の演習でもしてるのか?よし、後をつけてやれ」

と、ユーロファイターはたっくん達のあとをこっそりつけていきました。

たっくん達はユーロファイターのことなど気にせずまっすぐアビオニクスのナビゲーションに従ってヌーヨークのベーグル屋さんに向かいます。

「先輩、都心は飛行機が降りる場所はありません。降下して道路をタキシングで移動しましょう」

F35が言いました。

「よし、分かった。みんな降りるぞ。俺に続け」

とたっくんが指示を出して4機はヌーヨーク都心少し手前の幹線道路に着陸してタキシング(車輪で地上を移動すること)でヌーヨークに近付きました。

基地のあるたっくん達の地元のパンプトン市ではAI型の戦闘機が町中を移動するのは普通のことですがヌーヨークに突如軍用機が4機も並んで現れたので町の人は珍しい動物を見るようでビックリしていました。

しかもたっくん達は大型トラックよりも大きいのです。女の子のA10ちゃんですら顎についた機銃1つ分が全長6.4mで中型トラックほどありますので彼らの大きさが分かるでしょう。

そのために狭い道路が通れずF35のナビゲーションに従ってかなり遠回りでしたが広い道路を通ってようやくベーグル屋さんに到着しました。

お店はいつも4機がおやつやおつかいに行くイオンモールと違ってドアも小さくとても中には入れません。

そもそもお店自体がたっくん達よりずっと小さいのです。

「ここは俺に任せておけ」

機首がひらべたいたっくんがお店のドアから機首を突っ込みました。

普段たっくんはケビンがいないときおつかいで近所の小型店舗型のお弁当屋に行くときこうやってお店に入っていたのです。機首を突っ込めばお店の人がたっくんのノーズにお弁当袋をくくりつけていたのです。

でもここは地元のお店ではありません。


いきなり機首を突っ込んできたF22に店内でベーグルとコーヒーを楽しんでいたお客さん達がぎょっとしてしまいました。

「戦争でも始まったのか?」

「逃げろっ」

しかし逃げようにもお店のドアはしっかりたっくんの機首がふさいでいます。

ところがたっくんは

「なんだよ、人のことバケモンみたいな目で見やがって」

といった態度だったのでF35が

「先輩、いきなりはまずいですよ。ええと、すみません、ベーグル下さい」

と言うと事前にケビンが電話予約していたのでF35がお金を出してすぐにベーグルが何十個も入った袋が出てきました。

袋は全部で12個あったので、たっくんとF35が3つずつ、B2君が2つ、ウエポンベイに入れ、残り4つはA10ちゃんのハードポイントに取り付けました。

「どんな模様か早く見てみたいな~」

とたっくんが言うとA10ちゃんが

「駄目よ。帰るまで袋を開けないで。これはみんなのベーグルなのよ」

とA10ちゃんが言いました。

最後に4機はお店の前で記念撮影をして来た道を戻りました。

4機が再び郊外で離陸したので上空で待っていたユーロファイターは再びたっくん達を追跡しました。

ユーロファイターはたっくん達が往路には持っていなかった袋を持っていることに気付くと

「あいつらあの袋をピックアップに行ってたんだな。中身は重要な新型兵器に違いない」

と勘違いしているようでした。

その頃F35がたっくんに

「先輩」

「なんだ」

「往路から僕達の後ろをユーロファイタータイフーンが付けてきているの知ってます?」

「ええっ、なんかやだな怖いな」

とB2君。

F35の最新のレーダーはとうにユーロファイターを捉えていたのです。

でもたっくんは

「ああなんか付いてきていると思ったらアイツだったのか。いいよ、別にほっとけ。早く帰ろう」

ユーロファイターはたっくんやF35やB2君同様ステルス機なので自分は絶対に見つからないと思っているのでまさかたっくんに存在を気付かれ、F35に至っては機体識別までされているとは夢にも思いません。F22とF35にすら感知されない自分のステルス能力を信じて疑わず、そのまま 4機の後をつけていきます。

基地のたっくんのハンガーに戻るとケビンとジェイムスン中佐が待っていました。

ケビンが

「みんな中で手伝って。ベーグルサンドイッチパーティーの準備をしなくちゃ」

と言い、全員がハンガーに入っていきました。

その様子をユーロファイターが離れた場所から見ていましたが、みんなハンガーの中からなかなか出てきません。きっと中では新型兵器の実験をしているのだろうとユーロファイターは思いました。

その頃、そんなユーロファイターを無視して、というかすっかり忘れてみんなはハンガーのキッチンでベーグルサンドイッチ作りを手伝っていました。

カラフルな夢のような色をしたベーグルにクリームチーズやホイップクリームを塗り、フルーツやスプレーチョコをのせていきます。

「ねぇ、A10ちゃん、あの人ずっといるよ。あの人もベーグル欲しくて僕達に付いてきたんじゃないかなぁ」

とB2君がユーロファイターのことを言いました。

「あげた方がいいんじゃないの。こんなにたくさんあるし」

とB2君が言うとA10ちゃんが

「B2君って本当にお人好しだよね」

と言って出来上がったサンドイッチを3つ紙に包んで紙袋に入れてB2君に渡しました。


ユーロファイターがなんとかハンガーの中を覗こうと頑張っているとB2君が出てきてユーロファイターによく見える位置に紙袋を置いて

「こそこそしないでちょうだいってちゃんと言ってくれればあげるのに」

と呟いてハンガーに戻ってしまいました。

「あいつ間抜けめ、大事な荷物を置いていったぞ」

ユーロファイターは大喜びで紙袋を持って、ブリテン王国の基地に帰り、さっそくトーネードさんとECRさんに紙袋を見せて自分の冒険談を語って聞かせました。

新型兵器の輸送をしているたっくん達を見つかることなく追跡してその荷物を強奪したと話しました。

「ほーお」

とトーネードさんは紙袋を開けて

「これが新型兵器なのか?で、どうやって使う?」

と言いました。

中にはクリームチーズとスプレーチョコのたっぷり付いたレインボーベーグルが 3つ入っていたからです。

「あいつらは単にこれを買いに行ってただけなのさ」

とトーネードさんは言いました。

「そんなぁ…」

トーネードさんはベーグルを一口かじって

「そもそもお前はなんでラプター達がヌーヨークに行くことを知ったんだ?」

とトーネードさんが聞くとユーロファイターはスマホを出して

「あいつが今からヌーヨークにみんなで行くってSNSで書いてる」

と言いました。

「もし本当に重要な演習や秘密の任務ならわざわざ情報が流出するところには書かないだろうしうっかり書いたってすぐに消されるだろ」

とトーネードさんは言い、自分のスマホを見せました。

そこにはベーグル屋さんの前でお店のロゴの付いた紙袋を持って思い思いのポーズをとるたっくん達やサンドイッチパーティーの写真がありました。

そういえばユーロファイターが持って帰ってきた紙袋と包み紙にも同じロゴが付いています。

それでもユーロファイターは

「でも俺は途中あいつらに気付かれることなく尾行できたんだぜ」

と言うとECRさんが

「それも違うね。気付いてなかったんならなんであたしらの人数分ちょうどのベーグルが入ってるわけ?」

と言いました。

「あの子達はちゃんとあんたに気付いてたけどほっといてただけよ。つまり強奪じゃなくてプレゼントって言うのよ」

とECRさんが追い討ちをかけて言って

ユーロファイターは

「なんだよ!ちくしょう!」

と悔しがりました。

「ハハハ、ラプター達に会ったらうまいベーグルをありがとうとお礼を言うんだぞ」

とトーネードさんはベーグルを食べながら言いました。

<終わり>

先日遠征した時に麻布十番のお店で予約で買ったレインボーベーグルがとてもおいしかったのでお話にしてみたかったのです。

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