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作戦終了

―戦艦大和―


 特別警備隊は2001年に創設されたそうだ。海上自衛隊、そして陸海空自衛隊初の特殊部隊だ。

海上警備行動などで、臨検、容疑者確保を任務とする。


 今、こんごうの容疑者たちは、特別警備隊の前に屈服せざるを得なかった。


 統合任務部隊司令官が事態の解決を知らせる。

"作戦部隊に告ぐ!!特別警備隊からの報告……被疑者全員確保!状況終了!"


 その時、若い隊員たちの爆発的な歓声が無線越しに響いた。


「状況終了。対水上戦闘用具収め」

 そう命じると、親父は感慨深そうにため息をつき、椅子にストンと座った。

 終わったのだ。

「お疲れ様。親父」

「さんきゅ」


 もっとも、美香は親父たちの活躍をいまいち分かっていない様子だったが……。



―国連日本海軍軍港(東京湾自衛艦隊司令部)ー


 談笑しつつ俺たちは大和から降りる。親父はこれから、報告などで忙しくなると言っていた。


 タラップを降りると、人だかりができていた。

やたらと警察の姿が目につく。何やら無線機をつけた私服警察官もいる。


何事だろうか?


 少ししゃがれた声が耳に飛び込んでくる。その声は、2015年現在、国民に1回しか直接届けられていないものだ。また、戦前は玉音と呼ばれていたものであった。

「ご苦労様です。」

 その声の主は、なんと陛下だった。 

陛下の御前にてさすがに親父もカチコチに固まってしまった。

陛下の労いのお言葉にも上手く返事ができていない。


 まあ、日本人なら誰でもそうなるか。

 2700年近くも続く世界最古の王朝であり、同時に地球上唯一無二の皇帝でもある畏れ多い存在だ。どこぞのゴーマンな宣言の評論漫画家でさえもビビる存在なのだ。

 神話では、陛下のご先祖様、イザナギとイザナミは日本列島を創造されたそうな。何らかの神秘的なオーラを陛下は醸し出しているのは間違いない。明治憲法下では実際、神様だったし。


 しかし国内に天皇の存在を快く思わない者はいる。野党の最左派、共産連合党だ。「天皇の行為が憲法を逸脱している」として、国の儀式をボイコットし続けている。

 あんな連中に票は入れたくないが、自衛官になるであろう俺は、政治に首を突っ込むことは許されない。もどかしい。


 後に親父は、陛下にお会いした瞬間、自分たちの功績を実感したと言っていた。

 そりゃそうだろう。天皇陛下という日本人の象徴を守ったのだから。


 ヤマト作戦。


 戦艦大和の戦いはこれからも続く……。


 





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