自衛隊全戦力投入
ー戦艦大和ー
統合任務部隊は第2波攻撃を開始した。
親父は俺たちの方に向き直る。
「やることもなくなったし、説明するよ」
親父がヤマト作戦の概要を説明する。
第1波攻撃においては、戦艦大和のレールガンを付近に叩き込み、こんごうに衝撃を与えた。極超音速のレールガン砲弾は、いくらイージス艦と言えど落とせる訳がない。
この衝撃で、こんごう艦内は混乱し、トマホークの発射どころではなくなってしまった。
作戦第2波以降では、陸海空自衛隊の航空部隊の攻撃および挑発行動が実施される。
そして米軍の無人機を投入する。
こんごうに迎撃を行わせ、対空ミサイルなどを消費させるのだ。
戦艦大和の攻撃は終わったが、むしろ作戦全体は加速する。
"観測機は退避!"
"無人機集団、攻撃開始しました!"
"こんごうのSM2発射を確認!"
"ッ!!グローバルホークおよびプレデター撃墜されました!"
"損害に構うな!……航空自衛隊第3飛行隊攻撃開始!"
バカスカと大火力がこんごうに向けられる。
こんごうの対空兵器の類は確実に消耗していた。対空ミサイルのSM2やESSMはほぼ底を尽きたとのことだった。
それは作戦最終段階のためでもあった……。
"第3波攻撃に移行!!"
"第1ミサイル艇隊!攻撃開始!"
"ミサイル艇わかたか、くまたか、ミサイル発射!!"
"無人機は現針路を維持!"
ミサイル艇の攻撃に対し、こんごうは主砲で応戦する。
ミサイル艇は、こんごうの主砲弾を消費させる役割を負っていた。
無人機も引き続き遊弋し、こんごうを挑発する。
もう、限界だった。
"ッ!!こんごうの迎撃が止みました!!"
飽和攻撃の前にこんごうは為す術もなく、兵器を撃ち尽くした。
統合任務部隊司令官は命じる。
"攻撃やめ!攻撃やめ!"
ついに作戦は最終段階に移行する。
海上自衛隊の特殊部隊、特別警備隊の投入だ。
小型艇で突撃する彼らを、対戦車ヘリコプターがこんごうへの機銃掃射で援護する。
何人かの敵が反撃しようとするが、呆気なく薙ぎ倒されるのが映像で確認できる。
勝敗はもう、目に見えていた。