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93 再興

 ◯ 93 再興


 ヴァリーとホングはクリッパーランダ世界で、リーンベイトの港町に組合の転移装置を付けるという依頼を受けたらしい。技術者一人をそこに送り込んで一緒に行動したみたいだ。土地を買い、転移装置を取り付け、建物の工事をして人の出入りを制限する為に、色々と仕掛けをするまでを手伝ったらしい。まともな仕事が出来たと満足そうだった。この仕事を聞くと、管理組合が本格的に手を入れ始めたのが分かる。


「じゃあ、卵料理を皆で食べに行こうよ」


 と、レイが言うので皆で出かける事になった。皆でリーンベイトの港町に向かう準備をしながら聞いたところによると、どうやらレイは訴えた時にここの世界の自分の出入りやら、力の使い方とかの制限を取っ払って貰ったみたいだった。一緒に入る僕達の分まで制限されないみたいだ。成る程……自分の自由と取引したんだね。


「んー、でも半分は組合の管理が入ってるから、組合の規定くらいに緩まったってだけだよ。本部にいるのと同じと思えば良いよ」


「そっか、それでスフォラの分体も活動出来るんだね」


 転移装置と共に通信やら色々と便利になったみたいだ。ここを基点に国に一つずつ転移装置を置いて行く計画で移動が楽になるみたいだ。森の神殿ではクリッパーランダ神が自ら草むしりをしているらしい……。


「そうだよ。ここの食堂は人気があるの分かるよ。このふわふわ卵はいけてるよ」


「うん。色々味があるより、それが一番人気みたいだよ」


「シンプルな方が卵の良さが出るのね。分かるわ〜」


「ここの卵は取引されるのか?」


「マシュも気に入ったんだ、卵は50センチくらいの大きさだったよね?」


 卵の大きさはそのくらいだ。ゼベキューガが三メートル以上はあったからその大きさにも頷ける。餌があの姿にしては意外にも草食だ。


「うん、ククントの町だけじゃなくて、他のギューザフト山脈内の町でも飼育を試してるって聞いたから、多分増えると思うよ」


「良いわね〜、市場にはまだ出てないって事ね」


「ここの食堂が独占してるんだ。というかここの食堂と飼育場の人達って家族なんだ」


 この町にはもう一件と、もう少し先の港町にも一件店舗があるみたいだ。ククントの町で聞いた話だ。


「成る程、一族経営か。手堅くて良いな、当分つぶれないだろう」


 ここの人達の服装の写真をマリーさんに見せたら、現地の人のファッションね、と言ってそれを参考に服を作ってくれて今日はそれをみんな着ている。

 卵料理の後は港らしく魚介料理を食べてから、アストリューに戻った。食文化は中々良い感じだ。僕とマリーさんはその後、食材を色々と物色しに時々訪れるようになった。

 マリーさんとマシュさんは卵料理店に交渉して、予約したら卵を買える仕組みを作って貰っていた。向こうも卵の出先を考えていたけれど、数が安定するところまでは行ってなかったので、歓迎されたみたいだった。マリーさんは焼き菓子なんかに使って売る事を提案していた。

 卵をここの世界から持ち出す許可は、組合からは条件付きで降りた。料理以外には使わないように有精卵は除外された。

 どうやらあの獰猛な見た目の鳥のゼベキューガはここの固有の生き物みたいで、保護対象だったみたいだ。でも飼育化がされてるので、数が増えればそれもいずれは無くなるとは言われている。有精卵はこの春の時季にしか出る事は無いし、それは飼育の段階でちゃんと除外されてるから問題ない。

 野生の方のゼベキューガは、隣の国が乱獲していて減っているみたいだった。それで一時的に保護する団体を管理組合が作っていると聞いた。卵が輸出されるくらいになれば、乱獲は減るだろうと見られている。


「ところで、なんであんな依頼をしてきたんだろう? これならゼベキューガの卵なんて、調べる意味があったのか分からないよね」


 お茶を入れながらレイに聞いてみた。


「それだけさぼってたんだよ。こっちの世界の動きを監視してなかったんだね」


「……成る程。それで頓珍漢な依頼になってしまってたんだね」


「そうだね。あの映像の図書館の受付嬢の方が詳しかったのは、恥ずかしい事だよ?」


「クリッパーランダ神はどうしてるの?」


「お勉強中だよ。サボリ癖を取る所からだね」


「……大変だね」


 教育係が大変だと思うけど、頑張って欲しいな……ここの人達は意外にいい人が多いから、クリッパーランダ神も本来はそんな人だと思うんだ。


「アキ、同情は無用だよ。僕に失礼な事を言ったからねっ、許さないんだから!」


 マリーさんの方を見て何故か目で聞いたら、苦笑いしつつ教えてくれた。


「派手な黄色頭の馬鹿が……とか言ってたかしらね」


「……それは酷いね、綺麗な蜂蜜色なのに」


「美を理解してないんだよ! だから破綻するんだっ。ちゃんと僕の美しさが分からないと、ダメなんだからね!」


 レイが怒り出したので、頭を撫でて怒りを鎮めておいた。怒ると皺が出来るよ?


「ハッ、今日はちゃんとパックをしておこう」


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