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67 連携

 ◯ 67 連携


 ホングとヴァリーから連絡があった。僕の作った魔結晶が足りないとの連絡だった。どんな使い方をしてるんだろう……? 魔結晶は二ミリサイズのがいくつかあるからそれを送ってあげる事にした。前回と似たデザインで送ってあげたら喜んでくれていた。

 無茶は余りしないようにと伝えた。いつ内乱状態になっても、おかしくない状況で動いているから大変そうだ。どうやら第二皇子の居住区に忍び込むつもりのようだ。直接に話を聞くか、様子を見ないと進展が見込めないから、まずはそうするみたいだった。

 確かにその通りだ……。出発までに時間はないみたいで、慌ただしそうにしていた。僕は汗の溜まりにくいブーツと靴下も送ってあげた。


「皇子様も大変ね〜」


「そうだね、無事に会えると良いな」


「大丈夫よ。アキちゃんのお守りも付いてるもの〜」


「うん、効いてると良いけど」


「大丈夫よ。こういうお守りは、身近な人からの物が良く効くのよ」


「うん、そうだね。僕が行くとダメだって言うんだ。何でかな?」


「そ、それはアキちゃんにお城に忍び込ませるなんて事はさせれないわ〜、どう考えてもドジりそう……えーと、見つかりそうだもの」


 マリーさんの目が泳いでいる。


「闇のベールでも?」


「そうね〜、それを使って入ったら大丈夫でしょうけど。……なかったらどう考えても、悲惨な結果しか見えないわ。大体お友達にはまだそれの事は言ってないんでしょ〜?」


「あ、そうだったね……」


 死神の組合のバックアップがいる、とかレイが言ってた気がする。そうか、まだ言えないんだった。となるとこのままで忍び込む……無理かもしれない。何か分かった気がする、機敏さが足りないかな? いつでも隠れる為のベールがあれば問題ないけど、それがない状態でだと僕には無理だと思う。


「大人しくしておくよ」


「そうね〜、終ったら見に行ってあげたら良いわ〜。きっと回復が必要よ〜」


「そうだね、そっちを頑張るよ。そうだ、マリーさん、僕の飛ぶ練習を見て欲しいんだけど良いかな?」


「いいわよ〜、どうするの?」


 闇の色のグリフォンとの追いかけっこを見せた。


「これ、僕が飛んでたんだけど、中々難しくて。もうちょっとうまく飛びたいんだ」


「あら〜、連携ね?」


「うん、そういうのかな? スピードを出すと壁に激突だし、出さないと後ろからの攻撃に当たるし、大変だったんだ。もうちょっとうまく逃げれると良いんだけど」


「大丈夫よ〜、意外だわ、ちゃんとうまく飛んでるわ。だってこれ、アキちゃんの初めての空中戦でしょ?」


「うん、スフォラに誘導して貰って飛んだんだ」


「納得ね。大丈夫よ〜、これをもう一回再現しましょ〜」


 僕達は訓練場に来た。


「狭い場所を飛ぶのには、距離感の把握が大事よ〜。空間の把握というべきかしら? 今日はこのボールをそこから飛んで取りに行くのよ〜?」


 最初は単純にボールを取りに行くだけだったが、途中からマリーさんの魔法を避けながら取りに行くようになった。今回はスフォラの誘導は無しだ。五分飛んだら休憩し十分後また始める。そんな感じで一時間の練習は終った。

 距離とスピードの関係が大事だ。マリーさんの魔法の方が、ボールの速度より早いから先に避けないとボールに触れない。避けるとボールが刎ねて取りにくくなる。全ての動きと、動かない物との差を考えながら、優先順位は動いてる物だと割り切った。次は多分大丈夫だ。


「このくらいで目を回しちゃダメよ〜?」


「うん、でも次は大丈夫だよ。出来そうな気がする……」


「そう〜? 辛かったら止めるのよ〜?」


「うん。うまく逃げるくらいはしないと」


「アキちゃん……」


 僕が飛んでる間は、折角スフォラが攻撃に集中してられるんだからやらないとダメだよね。二人で体が一つだから出来る事、やってみないと。

 目標はグリフォンの攻撃を余裕を持って、避けれるくらいには……せめてしっかり逃げ切れるくらいにはなりたいところだ。


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