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世界を繋ぐお仕事 〜カウンターアタック編〜  作者: na-ho
せんれいなるせんのう
61/144

57 選別

 ◯ 57 選別


「スフォラに魔法を返されたんだな、くくくっ」


 確かに、スフォラからはちょっぴりやってしまった感が来ている。眠気覚ましに軽い電撃のはずが、魔法を返したみたいだ。寝ぼけてたんだろうか? マシュさんは昨日の映像を見ながら笑っている。いや、電撃も遠慮したいけど。

 スフォラとは繋がってるんだから、意識は僕と重ねておけばそう眠気は来ないと思ったんだけどな……違うんだろうか?


「ちゃんとコントロールして、スフォラには掛けないようにしないと機嫌を損ねるぞ?」


「う、分かったよ。ごめんねスフォラ、大丈夫だよ。もし掛かってもすぐに起こすから許してよ?」


 ちょっぴり不貞腐れてるみたいだ。


「頑張ってコントロール覚えるから。ねえ、機嫌直してよ……」


 その後しばらくスフォラは機嫌を直してくれなかった。というか、自分の失敗に落ち込んでもいたみたいだ。


「スフォラ、僕だって失敗するんだから、スフォラにだってあるよ、気にしないで? スフォラは優秀だから、僕の眠りの魔法も、その内に魔法無しで耐えれるようになるよ。一緒に頑張ろう」


 昨日のはかなり本気で掛けたせいで、スフォラに掛かったが、その前の時は掛かってなかったし、普通なら掛からないはずだ。そこも加減をしないとダメかな? 落ち込みが収まったら仲直り出来ると思う。

 それにあの講師の眠りの攻撃だって、スフォラは平気だったじゃないか。それとも、マシュさんが言う精神が出来て来たせいで眠いんだろうか? 


「確かにそれもあるが、アキの魔力が変わってるのもあるんだろうな。二重結晶みたいな訳の分からないものを作ってるんだ、他人の魔力も少し影響を受けるくらいしそうだ。魔法生物なら操り放題かもしれないぞ?」


 マシュさんに聞いたら、そんな答えが返って来た。それは困るよ、コントロールが出来なくて困ってるのに……。でも、スフォラが僕の魔法に掛かるのは、成長の証ってことだよ。すごい事だよ? それでやっと機嫌が直ったみたいだった。


「そうね〜、一番近くにいるんですもの、そりゃ掛かるわよね……」


 昨日の練習が途中で終ったのを謝ったら、マシュさんから聞いてたのか、マリーさんは笑って許してくれた。


「まあ、原点から出発よ。そういう時はね〜」


 どうやら、気を扱うところから始めるみたいだった。僕とスフォラを感じる……そうか、スフォラを僕の中だと思えば、分ける事が出来るかもしれない。


「ん〜、好い感じかしら〜? でもその方法だと外にいる人は区別付かないわよ〜」


 う、でもこれも有効ってことだよね? ちゃんと繋がりを感じながら、個別の流れを感じて分ける。こんな感じかなあ?


「まだ混ざってるわよ〜、頑張って」


 まだ甘いみたいだ……もっとしっかりと、自分とスフォラを感じて分ける。なんか分かって来たかもしれない。


「そんな感じよ〜。こつを掴んだら休憩しましょ〜」


「うん、分かったよ」


 もう十分程集中してから、マリーさんとお茶を飲んだ。


「実際、同じ体にいるんですもの、難しいと思うわ〜。でも焦らないで、アキちゃんなら出来るわ。今も半分は出来てるもの、もう少しやれば後はスフォラも自分で防げるわ〜」


「そうなんだ」


 目標が見えて来たらなんだかやる気がでて来た。マリーさんは教えるのが上手だと思う。

 最近はポースと紫月は歌を歌って過ごしている。魔法が使えるようになったので、ポースは外に良く出ている。家の庭をみて、中々立派な庭だとか言って褒めてくれている。

 マシュさんにはもう一度大きい魔結晶を作る道具を作って貰って、ポースの為に作っている。今度は僕の闇のベール越しに自分で魔力を入れていってみている。実験で作った小さい方を見せたら、マシュさんは確かに闇の属性だ、と言ってくれたので多分気に入ってくれると思う。見た目にもこだわって中に小さな星を沢山作って入れて二重結晶にして渡すつもりだ。そっちは光のベールで米粒より小さい結晶を作る予定だ。


「魔結晶を自分で作れるようになれば一番好いんだがな……」


 横目でマシュさんにみられた。


「う、それはその内に頑張るよ?」


「そうだな。結局は魔法陣を刻むのは出来なかったしな……」


「そうなんだ? 無理だったの?」


「ああ、今までの方法だと難しい。だが他の方法を思いついたから、それを試してるところだ。成功したら組合も無視出来ないはずだ」


 何やら悪そうな顔をしている。何も聞かないでおこう……。


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