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37 魔力

 ◯ 37 魔力


 マシュさんが自分の魔力の魔結晶を繁々と見つめていた。縦長の一センチにも満たない大きさで、薄緑の少し筋の入った物を手に何やら考えていた。


「どうしたの?」


「いや、ちゃんと出来たが魔法が使えない」


「そうなの?」


「魔結晶としても使えない屑だ」


「えー?」


 そう言って魔結晶をテーブルに転がしてコーヒを飲み出した。変だな? 僕はそれを手に持ってゆっくりとマシュさんの魔力の固まりを見る。何か綺麗な感じだけど……。念の為にライトを念じたら軽く光ってすぐに消えた。


「何でアキが光らせてるんだ? おかしいだろう」


「え? そうかな」


「もう一回やってみる」


 マシュさんが僕の持ってたのを取って、もう一度何か念じた。今度はうまくいったみたいで、光った。筋の部分が光ったり消えたりしてちょっとチカチカする。


「驚いたな……」


「マシュさんの魔力だから捻くれてるのかも」


「煩いぞ!」


 ソファの上のクッションを投げられてしまった。ちょっと失言だ。


「ごめん」


 口が滑りました。すぐに謝ったら睨まれたが、後は許してくれたみたいだった。


「こつがいるな……だが、一度慣れれば大丈夫だ」


「そうみたいですね」


 僕はマシュさんが光量を自在に操っているのを見ながら同意した。もう、こつを掴んだんだ。さすがだ。

 どうやら、魔結晶について色々調べたら、練習用の機械的に作っている物は規格が揃っていて扱いも決まっているみたいだった。魔法生物の作った物や、魔力素の多い自然で出来た純度の高い物は値段が張るだけあって色々出来るみたいだ。種類や、性質によって得意不得意の分野があって特徴が出るみたいだった。

 で、僕達の作った物は原点というか自分の魔力の結晶なので、魔法陣を刻まなくても本人には魔法が使えるみたいだった。ただ、結晶化しているので大きな魔法よりは、持続性のある魔法に使うと良いみたいだ。質の問題で魔法陣は刻もうと思っても刻めないけど、マシュさんはチャレンジするみたいだった。


「意外といけるかもしれないだろ?」


「そうなの?」


「まあ、90%ぐらいの確率で失敗と思うけど、アキの不気味な魔結晶なら刻めそうな気がする。もう少し大きなのを作ろう。実験に付き合えよ?」


「う、分かったよ」


 妖気の籠った威圧に負けました。マシュさんがその日からもう少し大きい魔結晶を作る為の物を作り始めた。四日後には出来上がって、完成予定は三十日後だと言われた。了解です。

 紫月のおやつは完成しているので問題ない。三十日も保つかなおやつ……。別で昼間に少しずつでも小さいのを作っておこう。

 ポースにも見せても良いか聞くと、私が先の予約だ。見せても良いが渡さない、との事だった。

 ポースは最近は神殿で悪神、邪神達の様子を質問攻めにされていた。管理組合と死神の組合に、体の為の良い素材をちらつかされての質問みたいで、かなりストレスが溜まっていそうだった。明日には、迎えに行ってあげようと思う。ポースに余り酷く当たらないで欲しい。


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