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世界を繋ぐお仕事 〜カウンターアタック編〜  作者: na-ho
うつくしいよそおいにかれんなうそをささげよう
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130 買い出し

明日は最後までを一気に投稿予定です。お気をつけ下さい。

 ◯ 130 買い出し


 ナリシニアデレートのナッド大陸から見て、西の位置にあるゴッダル大陸に来ていた。緑の森に大河が横切り、水と緑、動物と妖精の国だった。ナッド大陸との境目には海が広がっていたが、二日程竜で飛べば着いた。

 途中の間にある小さな島々は竜の良い休憩所となっていて、二つの大陸同士はこの島には不可侵の約束がなされていた。船は大型船だと暗礁に乗り上げたりしやすいので、この辺りは小舟から中型船での行き来が頻繁にある形だ。

 今回は船での旅を楽しんだ。海賊も時々出るけれど、それに遭う事なく、六日程で無事に着いた。この大陸の海の玄関口であるラトネスト国はエルフと獣人の国だった。きっと耳フェチの人には堪らない国だと思う。変身した美寿さんのように耳としっぽがある人が歩いている。

 僕達は移動用の手段を探していた。やっぱり動物達にお世話になるみたいだ。


「この子はラバっぽいけど、どうかしら? アキちゃんは乗馬は出来るの〜?」


「やった事ないよ。でも、鳥には乗った事あるよ」


 マーロトーンでの足の長い鳥だ。


「あら〜、それなら大丈夫ね。急ぐ旅でもないし、ゆっくり回りましょ〜」


「そうだね。今日はここのフェーゼンの街に泊まるの?」


「朝市があるって聞いたからそこで食料を調達してから進みましょ〜」


 僕達は仕入れの旅に出ていた。主にマリーさんの創作物の為だけれど、僕も少しづつ買物している。最近ではサンダルくらいは作っているので、デザインの参考にと露天を回るのも楽しみにしている。大体は魔法アイテムな材料を集めていて、今回の旅も収穫はまずまずだ。

 今回はナッド大陸の神殿をスタートして、セーラさんとネリートさんに地竜の脱皮した物を貰ったり、鉱山によっていくつかの魔石と金属、船旅では珊瑚や貝殻、そしてこの大陸では植物と動物の皮等を手に入れるつもりだった。セーラさんとネリートさんには地竜の皮で装備を作る約束をマリーさんはしていた。

 こっちの大陸の中心地ぐらいにラークさんの神殿がもう一つあって、そこに転移装置があるのでそこから帰れる。ゆっくりの旅だけど、異世界を渡る際に時間を何処に繋ぐかの感覚を覚えたので、地球時間で三日間ぐらいに出来るようになった。便利な業を覚えたので、異世界巡りが楽しくなった。勿論、転移装置の補助があるおかげで僕にも出来ているに過ぎないけど、長期の旅行が出来るのが有り難かった。


「ここの靴の底は変わったゴムみたいなのが使われてるよ」


 露天がひしめいている場所で僕は靴を見ていた。


「本当ねぇ、ちょっとあたしには軟らか過ぎるけど、中間に挟めば長持ちするかしら……」


「微かに魔力が籠ってるね」


 そんな事を話していたら、店の主人が説明してくれた。どうやらこの状態から自分の好きな魔法を掛けて自分好みに出来るのだとか……つまり魔法の効果を付ける事が出来るらしい。

 良い物を見つけたとマリーさんと微笑み合った。ちなみに一番多いのが頑丈にするみたいだ。マリーさんは器用に三重構造にし、衝撃吸収と靴底の補強とを付けていた。一番上は僕にまかされた。勿論、蒸れ防止の効果を付けた。二人で靴底の素材を仕入れに明日から出かけることにした。

 店主は快く教えてくれた。……どうやら、余り売れてないみたいだった。新しい魔法の効果が付いた物の競争に負けてるみたいだ。自分好みに出来るというのはすごく良いと思うけれど、やっぱり物作りする気質な人にしか受けないみたいだ。僕達の作ったあの魔術の服みたいな反応だ。よく考えたら買う人の器用さが問われそうな気がする。マリーさんの三重構造の靴底を見てそんな事を考えた。


 宿を取って、ゆっくり寛いでいたら、マリーさんがこの魚の尻尾亭の主人に聞いたさっきのゴムの話をしてくれた。このゴムみたいな素材はトーイの実で出来ていて、どうやら最近は品種改良でもっと魔力の強く籠った物が出来たらしい。二束三文で旧トーイの実が売られているみたいだ。新トーイの実は今高騰しているらい。それであの自分で効果が付けれるという靴が、旧トーイの実で作られて売られてるみたいだった。さすが宿の人は情報通だ。


「今回はあたし達は旧の方を買い取って色々試しましょう。ここの人達優先だし、カシガナがうちにはあるから、掛け合わせも見てからの方が良いわ〜」


「そうだね。新しい方はもし余ってたら少し買うぐらいで、今回は素材に慣れる方が良いよね」


「ええ、そうしましょ〜」


 ねこ耳としっぽの宿のお姉さんに案内されて、宿の食堂で夕食を取った。港街なだけあって魚介のおいしい料理が出た。香草の蒸し焼きの魚はマリーさんも褒めちぎっていた。朝市でこの香草が売られていると聞いて早速買い出しに追加された。

 この日はそのままゆっくりと眠った。


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