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世界を繋ぐお仕事 〜カウンターアタック編〜  作者: na-ho
うつくしいよそおいにかれんなうそをささげよう
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128 変身

 ◯ 128 変身


 夢縁では学生の店舗アルバイトも解禁された。怜佳さんが取ったアンケートに多かったらしい。学業をおろそかにしない程度には認められたみたいだ。星三つまでの学生を積極的に取る方針みたいで、それ意外の人は外の世界にでる事を推奨するみたいだ。もしくは夢縁の運営のアルバイトもあるのでそっちに行くかだ。主に森の手入れとかが多いみたいだ……。さすがに組織の機関には簡単には携われないみたいだから、期待していた人にはがっかりだと思う。

 夏休みの終わった夢縁には学生が戻って来ている。早速店舗アルバイトを始めた人も多いみたいだ。加島さんもその一人だ。一人暮らしは大変だからここのバイトの解禁は嬉しかったみたいだ。


「今まで図書館に籠ってただけだったし、外も新鮮だよ」


 照れの入った笑顔で加嶋先輩は答えた。


「そうですか? でも、購買の仕事だから大変そうだけど……」


 扱ってる物が結構多いと思う。コンビニ並みにおにぎりまで置いてあるし。


「いや、僕の担当時間は落ち着いてからだし、そうでもないよ。鮎川はやらないのか?」


 どうやら週にニ回、ニ、三時間ぐらいの店番みたいだ。土日は木尾先輩達と、勉強会か他の単発の外のバイトをしていると聞いた。


「グルメレポートは成田さん達に任せたけど、高校の勉強もやらないとダメだし、外の仕事があるし……」


 神界警察との探偵まがいの仕事だ。明日の休みに幽霊が見えるかどうかをまた確かめに行かないとダメだし……。


「そっか、忙しいなら無理しない方が良い」


「うん、そうだね」


 加島さんに、購買で買った授業で使う呪符を渡して貰ってから、夢縁総括本部へと向かった。


「夢縁の店舗が随分入れ替わったみたいですね」


「ええ、不正で点数稼ぎしていた人はいられないようになったから、規模を小さくしたり大通りから外れたりと入れ替わりが起こってるわね。夢縁からの完全撤退もあったわ」


「そうなんですか?」


「ええ、別の神界に繋を取るつもりのようね」


「多神教同士なら、受け入れが緩いってレイが言ってました」


 地球の神界同士の付き合いもあるみたいで、たまに交流があったりするみたいだ。


「そうね、実際掛け持ちをしている人もいるわね。でも、ここの人々は結局はここに戻る事が多いわ」


「一番敷居が低い気がします。親しみやすいかな?」


 親しみやすさはやっぱり贔屓目に見てしまうせいだろうか。


「そう感じれてるなら成功かしら」


「はい。変わった夢縁ならそんな感じです。皆は良くなったって言ってるし、希望が見えてきたって言ってる人もいました」


「ええ、ちゃんと目指せば届くようにしておいたわ」


 怜佳さんがにっこりと笑った。きっと、おかしくなる前も良い感じだったんだと思う。時々梃入れが必要ねとも言っていたから、組織維持の難しさがあるんだと思う。


「スイーツもまた色々と変わりそうですね」


「ええ、学生のアルバイトで質が下がらなければ良いのだけれど、こればっかりは分からないわね」


 実際に雇う所は半々といった感じみたいだ。高級店辺りはイメージの都合からか学生のバイトは難しいみたいで入れてはいない。


「そういえば、マリーと一緒にカバンとか靴下を売り出してるって聞いたのだけど」


「あ、はい。組合の方で売りに出してます。アイデア商品とか品質とか相談しながら作って、販売は通販だから殆ど組合任せですけど……」


 言いながらスフォラの画面に組合の通販のページを見せた。マリーさんのデザインの靴下は女性向けが多いので女性には良く売れている。カバンとか財布もそうだけど……。例外としてヴァリーとかホングの為に考えた物はかっこいい感じだったけど、基本は女性向けの物が多いと改めて見て思った。男性向けのデザイナーを入れるか?


「まあ、可愛い。むくみ取りは良いわね」


 デザインを褒めてから、靴下の効果を見て興味を持ったみたいだった。


「えーと。もう少ししたら魔術服が完成します。魔結晶をPCとかスマホ等の端末に繋げて二十から三十くらいの服装を登録して、自在に形を変える魔法の布を端末を通して制御する感じですね。購入時にマリーさんのデザインとか持っている服を登録しても良いし……自分で作る人には型紙とかからでも制作出来るように色々やってます。職人とかは何も無しで服に出来るんですけど、慣れないと難しいみたいでそういう形になりました」


 デザインの登録の入れ替えも端末経由で簡単に出来るし、季節での入れ替えも楽に楽しめる。


「面白そうね」


「はい、微調整が出来るので体型にも合わせれます」


「温度調節の機能はついてるのかしら?」


「はい、適温適湿効果に汚れ臭いも魔術で綺麗に出来ます」


「あら、今年の残暑も厳しいのよ、必須だと思うわ」


 汗をかいても服と体ごと綺麗に出来るし、服が破れても画面操作ですぐに直せる。


「ステージ衣装とか特別なバージョンもあって、それにマリーさんが凝っちゃって……」


 僕はデモンストレーション用の映像を見せた。どこかの魔法少女の変身シーンだ。


「あら、マリーがこっちに来た頃、こういうのを食い入るように見ていたのを思い出したわ」


「……やっぱり?」


 董佳様の言葉に納得した。続きを見ながら怜佳さんも少し苦笑いだ。


「そうね、これはこれで子供受けしそうね」


「成る程、子供向けなら考えても良いかな。妖精達の衣装には採用が決まってたんだけど……」


「あら、妖精達の衣装に使ったのね? それは絶対可愛いわね」


 怜佳さんの目が輝いた。


「はい。可愛いです。元々変身するタイプの人用だからデザインはオーダー出来るようにもしてるので。決まったデザインでも色やサイズ調整でだいぶ変わりますね」


 伊奈兄妹の変身に合わせての映像を怜佳さんに見せた。


「狐の姿の時はバンダナとリボンにしたのね?」


「はい。この姿の時は余り服は着たくないみたいで、二人ともそんな感じにと要望がありました。他にも色々登録出来るんですけど、本人達はこのままが気に入ったみたいです」


 仕事柄か街になじむ様なスーツとかの衣装も入れてたと思う。実際の服も動きやすさを一番優先してるみたいだし、戦闘になったらスーツからすぐに変えれるとか、意味分かんない事を言っていたのを思い出す。

 マリーさんもそれに近い事を言ってたと思う。戦闘用の頑丈なバージョンも作るとか、張り切っていたからきっと出来上がるはず。


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