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世界を繋ぐお仕事 〜カウンターアタック編〜  作者: na-ho
うつくしいよそおいにかれんなうそをささげよう
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122 意見

 ◯ 122 意見


 家の修復は速やかに行われ、一階はすっかり元通りになった。僕の部屋の家具は取り除かれ、神界警察の出先……交番のようになってしまった。事務机に椅子が置かれて殺風景だ。ティランの仲間は捕まったからもう大丈夫じゃないんだろうか?

 董佳様には、どうせアストリューで生活してるから、ベッドは要らないでしょ、と言われた。確かにそうだけど、ここで何をするんだろうか。


「ここが神界警察所属の、新しい情報経路の為の機関の現地本部になりそうだ。現地情報収集課になる」


 どうやら名称が決まったらしい。


「こんな住宅地の僕の部屋がですか?」


「既に建物がセキュリティーだらけだし、地域密着と言ったら家の中だと思う」


 まあ、泥棒も最早この家には入れないくらいにはなっている。僕も壁抜けが出来ないし……。折角慣れてきたのに。伊東さんは頷きながら僕の部屋を見回していた。まあ、やってる事を考えれば、探偵事務所的なものと思えば良いか……。


「探偵事務所みたいな気がしてきた」


「その通りだ。疑われたらそう言っておくように」


「……了解しました」


 成る程、それは良いかもしれない。僕はそのままアストリューに戻った。


「アキちゃん、見て〜。試作品が完成したの〜」


 家に帰ると、マリーさんが新しい白のワンピースを着て、ポーズをとって何やら見せてくれた。


「魔術の衣装だね?」


 普通と違って魔力の籠った布を変化させた衣装だ。


「そうなの〜、見てて〜」


 そういってマリーさんは魔結晶に魔力を込めて着替えた。光がくるくると全身を包んで消えたと思ったら着替えが完了していた。


「…………うん、すごいね。白い服だけなの?」


 感想を聞いてくる視覚からの妙に熱いエネルギーに負けそうだったけれど、冷静に努めて聞いてみた。


「色付けをするのが難しいの〜、アキちゃんの光のベールだと簡単だったのに〜」


 たしかに光のベールというだけあって色づけは簡単だ。どうやら、全身が単色なら出来るみたいだけど、二色三色と増えるごとに難しくなるみたいだった。マシュさんの所に行って魔法陣を見てみた。既に訳が分からない事になっている。


「範囲の指定が必要なのかな? 襟の部分に色を載せるとか上着の色を変えるとか……」


「成る程な。そこは端末からやらせる方がいいな。魔法陣とどう組み合わせるかだな……」


「塗り絵みたいな感じで色を決めると良いのかな?」


「……全て端末経由で出来るようにしてしまうか? 最初に出来上がった服の組み合わせで登録しておいて色だけ変えるとか」


「それならここの辺りは減らせるね。体型に合わせた補正はどこに行ったの?」


「あっちだ。そうだな、魔法陣の負担が減るから魔結晶も長く持つな……。一段階下げれるまで行けばコストダウンだが……あの光の演出は諦めて貰わないとな」


「あれはステージ衣装とか特別な物って意識だから大丈夫だよ」


「別で作る感じで行けるのか……なら、一般人にはこれで良いか」


 布の質感の再現とかも入れると際限なくデータが膨らむので端末経由での情報のやり取りでの方がうまくいった。試作品をレイと伊奈兄妹に渡して使い心地を確かめて貰った。スフォラも分体で変身しながら試していて、それをマシュさんが真剣に見ていた。

 レイはもっと自由なデザインと色の選択を望み、伊奈兄妹は事前に全て決めてしまった物を望んだ。真逆の要求だった。既製品とオーダー品を求めるくらい違う。初心者と上級者の要望の違いみたいな感じだ。


「蒼史はサイズが合ってれば、何でも良いみたいな事を言ってるよ」


「紅芭ちゃんはもっと可愛く出来るのに〜、基本の物から触りもしないのよ〜」


「うん、僕も基本で十分……」


「ちゃんと色替えしてるし、模様も変えてるじゃない〜。それもしないのよ〜」


「そうなんだ? 自分で描いた絵が入れれるから繋げて縦にラインを入れたんだ」


「そうよ〜。クリエイティブな事が出来るのよ〜」


「あー、それだな。出来上がった物を組み合わせるのは出来ても、作るまでは普通は職人でないと無理だからな……」


「そっか、初心者向きと玄人向きとに分ければ良いんだ?」


「それで行くか」


 皆の感想を聞きながら詰めて行った。完成はもう少し先だ。


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