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始まり

大幅加筆しました( ›‹ )

光が溢れる禁断の森——フュングラシェルの森。

そこには古代の遺産や、今では失われた貴重な植物が静かに息づいている。


一歩でも踏み入れば、誰もがその美しさに心を奪われ、

二度と戻れないとさえ言われていた。


森全体には侵入者を惑わせる強力な古代魔法が張り巡らされているのか。

中心部へ辿り着いた者も、帰ってきた者もいない。


未探索の森。


それが、この森につけられた「禁断」の由来だった。


そんな森には数百年の時を眠り続けた先住民…まだ年端もいかないその子供の名前を知るものは誰もいない。


そして今日、数百年の眠りを破りその子供は目を覚ます。




身に覚えのない場所で目を覚ました。

身体に若干の違和感を覚えながら起き上がり家の中を散策する。


ログハウスにしてはなんだか現代の面影もなく…

何となく旧文明的な空気の漂う場所だった。


(…ここ、どこ…?誰もいないの…?)


玄関と思われる扉を開けると…辺り一帯恐らくこの家と似たような作りの家が立ち並んでいて、思わず顔をしかめる。

意識のないうちにカルトの宗教団体の村にでも連れてこられたのだろうか?

「……?」

いや、違う、身長が変わらなかったから気にしなかったが、よく見ると手の質だったり色や形…極めつけには腰まである髪のその色。

全く違うものに変化していることに気づいた。


(……異世界転生…しちゃった?

赤ちゃんスタートじゃなくて良かった〜!

…とりあえず第一村人探そう)


誰かを呼ぼうにもこの身体は声の出し方も忘れてしまったのか口からは空気の抜ける音しかしなかった。

埒が明かないと、一つ一つ家を開けていくが誰も居らず、声の出ない現状に不安は増すばかりだった。

こうなったら村の外へ、と意気込み歩く。


(……………)


透明の薄膜のような物が村全体を覆っていることに気づく。

(……外に、出られない?)


もう一度、両手で押してみる。

やはり弾かれる。

弾かれると言っても痛みはなく、硬めのスライムに阻まれているようなそんな感じだった。


切れ目とかないのかとその膜を伝って歩いたが、出ることは叶わず結局目覚めた家に戻り休憩することにした、この身体はやたら疲れやすいようですぐに座りたくなる。


家の中に戻ると情報を整理することにした。


この村の規模は家屋は26軒、目覚めたこの家が一番大きいところを見る限りこの家の主が村長とかだろう、ということがまずわかった。

それと村の外周を歩くと、ひと回りするのにおよそ十分かかり、村の中の家屋は螺旋を描くように並んでいる。

中心には井戸と調理場のようなものと、祠の跡、小さな広場があって、村の端の方には半ば森に飲み込まれた菜園跡があったことだろうか。


あとは住民の行方は分からなかったが、

夜逃げの様に慌てて出たというより少しの間、留守にするくらいの感じで出て行っているように見えた。

金銭も置いたままというのもその証明だと思うのだ。

(例えばモンスター討伐、あるいは部族の縄張り争いなどだろうか?)

異世界といえばそういうファンタジーな何かがあってみんな出払ったとかだろうか。

(……そして全員、生きて帰れなかった)

なぜ自分だけ置いていかれたのか、寝ていたからなんてことではなく恐らく唯一の子供だったのだ。

他の家には小さめの靴や子供服などはなかったのでそういうことなのだと推測する。


きっとこの村の一族は自分たちが帰れない可能性を考えていたのだと思う。

この村を覆う膜はこの村を隠し通す為、そして中にいる者を閉じ込める役割があるんじゃないだろうか。


もし部族の争いだった場合、村が荒らされないのは不自然なのだ。

この土地に価値がなければまず争いは発展しない。

つまり相手はこの村を見つけることが出来なかった、ということだろう。


外からは見つけられないようになっているとすれば納得がいく。

これはモンスター相手だとしてもなのだ、柵もないのに荒らされることなくここに今あるということは、外からは見えないと仮定できる。

(もちろん、外の世界が絶滅とかしてなければ……)


そしてこの村を覆う膜はナイフや石は貫通していく。


ここからは出られないし外側から見つけてもう事も不可能…ということには早いうちに気づき始めた。

(これはまずい…この身体は絶対長命種……)

森に住んでて金髪に色白、鏡はなくとも手触りで分かる、突出した耳…ファンタジーなものなら必ず出てくる種族そのものである。

どうしたものかと考えあぐね、一年の月日がすぎていく。

壁に斜線を書いて日にち感覚を狂わないよう気をつけた。



何も変わることなく十年の月日がすぎた。

家々の扉を開け漁ることに慣れ、数年前に鏡を見つけたことで外見の確認もできた、予想通りエルフだった。

あの瞬間はそれはもう喜んだ、大人になればボインボイン…などと考えたが靴のサイズすら変わらない辺りその道なりはとても長いだろう。

そしてこの身体、性別もどうやらまだ定まっていないようだった。

(…性別選択っていつ、どこで出来るんだろう。

まさか初夜的なシーン…?)

そんなことを考えながらぼんやり過ごすことが増えたが、毎日外に出られないと知ってからも村の端すれすれまで散歩するのは日課である。

この身体の体力作り兼、膜が綻びてるかもしれないとあてのない希望を持って歩いたが結果は変わらず。

初めは苦労したが部屋の明かりを付けたりする程度は何とかできるようなったが、それ故に膜を突破する事が不可能に近いということがよくわかった。



五十年目。

この頃は孤独に涙を流すことも無くなり、惰眠をむさぼる様になった。

毎日続けてきた日にちを忘れないための斜線ももう引いていない、壁はもう線で埋まっている。

これ以上書いていたら気が狂ってしまいそうだったから。

しかし変化が少しあった、透明な膜に触れると、向こう側の気配がわずかに分かるようになった。



そしてまた、永遠のような時間が流れたあとに壁の向こうをまた探ろうと意識を向けると膜が、ふっと風に吹かれたように揺れた。

微かに、ひび割れのような光が走る。


心臓が久しぶりに大きく跳ねた。

これで誰かに会えるかもしれない、誰か助けてくれるかもしれない、そう期待を胸に揺れる膜へ手を伸ばした。


次の瞬間、膜が弾けるような音がして風が顔を撫でた。


(……外の風だ…)


初めての知らない空気の匂いに胸が震えた。

春一番のような暖かく、やわらかい風に知らぬ内に涙がこぼれそして、膜の外へと一歩踏み出した。


種族はハイエルフ…うっ頭が( ´ᾥ` )

村に監禁された期間は多分200年くらいのようです(断片的なメモ情報)

殴り書きしていた下書きを加筆しながら頑張ってます…当時の懐かしさと恥ずかしさになんとも言えない気持ちです、

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