獣王国:ガルネード
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スロウに笑われ、ダリアには微笑ましく見守られ、頬を膨らませていた所に新たにアンテルが加わる。
「ル―リャ様、こちらにお出ででしたか」
ゆったりとした足取りで草を踏みこちらにやってきた。
「アンテル話はもう終わったの?」
「ええ、私にとっては嫌なお話でした」
話題をふると思わず後悔するくらいにあからさまに凹んだ顔をしたアンテルに面倒くさ、という本音が若干漏れる。
「…へーどんな?」
「それはですねぇ…」
「ガルネードの先の戦争のことかしらぁ」
クスクス笑いながらダリアが遮って口を挟む、おそらくアンテルが話すと面倒臭く…長くなるのを察したのだろう。
(…やっぱり声までえっちだなぁ…)
こちらの思考を占める煩悩に気づいていないダリアはしてやったりという得意げな笑みで続ける。
「ガルネードは属国になるって聞きましたけどぉ」
そう言いながらちらりとダリアはスロウを見ると、視線に気づいたスロウが口を開く。
「属国になった以上な、手続きが必要で我が国の宰相様が出向かなきゃいけないいんだ。
その宰相ってのが、」
「私なのです、つまり私はしばらくル―リャ様と離れ離れということです…」
スロウが簡単にしてくれたところで主導権を取り戻したアンテルが会話に割り込み、オヨヨ…と泣き真似をする。
…いや本当に涙は溢れていた。
「アンテルって優秀なんだね」
(本当は…)
と本音を一部飲み込んで話すとアンテルは嬉しそうに顔を綻ばせる。
「えへ…へへ…いけません、こんなに気持ちが高ぶるのなんて…いつのことでしょう!」
「…わぁ」
すごい、とドン引きしながらアンテルを見ていると、今日は理性が戻るのが早く誤魔化せれない痴態を誤魔化すように咳払いをして居直る。
「…ふぅ…そういうことで、私はしばらくお側に仕えることが出来なくなりました、誠に遺憾です!」
「うふふ…私達はアンテル様がいないとル―リャちゃんとたぁくさん遊べるからうれしいわぁ」
そう言いながら尻尾を身体に巻き付けてくる。
身体がきゅっと優しく締め付けられる感覚がなんとも気持ちよくされるがままになってるとダリアが楽しそうに小さく笑った。
「うふふ…ル―リャちゃんの体温と…段々同じになってぇ…すごぉく気持ちいいでしょう?」
尻尾の先で頬を撫でこちらを見下ろすダリアの頬も紅潮している。
「…その辺で終わりにしましょうか」
アンテルの言葉と同時にダリアが痙攣して倒れ、尾が緩むと同時にスロウに引き抜かれた。
「ダリア」
「ごめんなさぁい…ルーリャちゃんかわいくてぇ…」
地面に倒れたダリアはシクシク泣きながら起き上がる。
「…部下の管理はきちんとしてくださいね、スロウ。
私の留守の間はくれぐれも気をつけてほしいのです、このようにル―リャ様を危険に晒されては困ります」
怒ったように言うアンテルの目は冷ややかにダリアを見下ろしている。
状況が飲み込めず質問するべきか迷っているとスロウが頭を下げた。
「悪かった、今後気をつける。
…こいつが一番温厚で力加減もできる、と思って任せたが俺の考えが甘かった」
「……次がないようにしてください」
そう言いながらアンテルは小さくため息をこぼしたあと、跪きこちらを見る。
その目は先程のような冷たさや険しさもなくいつものアンテルの目に戻っていた。
「いいですか?
今回のように身体は触れさせてはいけません!
ル―リャ様が汚されてしまっては私気が触れて世界の改変について勉強しなくてはいけなくなります。
くれぐれも!貞操観念は、強く過剰にお考えください…貴方様はいと尊き御方なのです」
泣きそうなか細い声でそう言われ思わず頷いてしまった。
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「過保護も限度があるとは思うんだがなぁ」
アンテルが立ち去ったあと、スロウはそう零した。
「やっぱりそう思う?」
「…まぁ、お前が大切なのは同意見だがあいつの教育方針はまるで…
いや俺は対して子育てはしてないから口は出せねぇか」
珍しく歯切れ悪くスロウはそう濁して煙草を探すようにポケットを漁ったあと、見つからなかったのか気分が変わったのか、顎を擦りながら、地面にどかっと座った。
「…よし、アンテルが絶対教えねぇ魔法教えてやるよ」
何だそれ、と思いながらスロウの前に正座して話の続きを促した。
次回更新は明日23時!




