マヨネーズ
たっぷりかけたい気持ちもわかる。
マヨネーズはなにひとつ悪くねえ
すべておれの不作法が招いたことだろ
どうぞ小遣いでも減らしておくれよ
マヨネーズにゃなにひとつ罪はねえ
ぜんぶおれの愚かさが しでかしたことさ
実家に帰るなら義父母によろしく
かけるなとまで言ってるんじゃない
加減を守れと言ってるんだと
大雪の朝のように白く埋まった
おれの皿を取り上げて
ひと袋だけふりかけを渡す
おまえの情けが身にしみる
マヨネーズもこうなれば被害者さ
まさかおれの犯行に巻き込まれるとは
あいつを憎むならおれを殴ればいい
使うなとまで言ってるんじゃない
際限を知りなと言ってるんだと
大雪の屋根のように白く積もった
おれの皿を数え上げ
めしをつくるのもさいごだと告げる
おまえの怒りに身が竦む
これでもう何度めかはおぼえちゃいないけど
夫婦喧嘩の原因の半分だなんて
なんとも平和な話じゃないかと笑った
あの夜のあやまちだけは
二度とくりかえすまいと誓う
生姜焼きとテリヤキバーガーには!