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「わらわが人間の世界で暮らす、、」


光の届かぬ闇の中で過ごした心地よい暮らし…


それが一変するという事か


「ルシファー様、私共もお付き合い致します」


笑わの前に跪く黒天使達、、またの名を悪魔。

大きな漆黒の翼を閉じ皆が平伏している中で黒天使2人が立ち上がり頭を下げた


1人はジエルダ

赤黒い髪色は腰まであり金色の冷たい瞳を持つ美しき女黒天使であり、わらわの左腕とも呼べる秀才。


そして、もう1人はギュラス

青黒い髪から銀色の鋭い視線が特徴な男であり冷やかなオーラと美貌を持ち合わせた男の

性格は冷徹、冷酷、残酷という素晴らしい逸材であり、わらわの右腕として貢献していた



その黒天使の大軍勢の頂点に立つのが、わらわである


天使の強さは羽の数で決まる。

わらわは歴代最高の12枚の翼を持ち

絶対的な力をもち白天使からも恐れられる存在だ

漆黒色の艶やかな大きな翼に至極色の長い髪の毛

鮮血のような鮮やかな赤色の瞳と唇は誰をも魅了する妖艶さを表し誰もが跪くのだ





人間世界へ同行するという

ジエルダは4枚、ギュラスは6枚、殆どの黒天使は2枚しか持たぬからこそ2人の強さが際立っていた。


そんな2人を連れて人間界へ行くという事は……その世界を破滅させても良いという事か?




「して、何故わらわが人間世界へ行かねばならぬのか理由を知っておるなら話せ」


溶岩が煮えたぎり川のように流れている傍で

大きな岩のソファーに座り、足を組みギュラスとジエルダを見据えた


「察しているでしょうに。何時ものハデス様とゼウス様の思い付きですよ」


溜息混じりで答えたのはジエルダ。


確かに察しは付いていた。我が王として君臨する異界の王ハデス様と天界の王ゼウス様は非常に仲が良く思い付きで天使達を引っ掻き回す。


以前は獣の気持ちも知るべきだと訳の分からない事を言い出し白天使の何人かを獣に変え人間世界へ送ったり、新しい(せかい)を作った時は人口、草、水、空気などが足りぬと次々と黒天使、白天使を精霊に変え送り込んだりしていた。


そして今度はわらわの番という事だ



「皆揃っているな。ルシファーよ聞いた通り人間世界へ行ってもらう」


「「「!!!!!」」」


ハデス様の声が響き渡る



しかし、聞こえど姿が見えないのは、いつもの事だった。異界はハデス様その物、分かりやすく言えばハデス様の腹の中の様な物でハデス様の声は異界に響き渡る仕組みなのだ


黒天使の誰もがハデス様の声を聞き体が硬直していた。それもそのハズだ。ハデス様は神で絶対的な力と支配力を持つ。

声だけで威圧し、まだ駆け出しの力の弱い黒天使は硬直したまま気を失っているのだから。



「既に決まっている事ならば、さっさと人間界へ送ってしまえば良いものを」


「……ルシファーよ…お前は何時になっても反抗的な態度だな」


「ご勘弁を、受け取り方の問題かと。わらわは反抗などしておりませぬ」


「はぁ…」


ハデス様は、わらわと会話をすれば、いつも吐息を吐く。それはつまり呆れているという事であり

溜息とも言う。


「ルシファーよ。これは試練ではない、褒美だ」


「それはそれは」


「少しは喜べ……何千年も働いているのだ。褒美なのだぞ?………」


「褒美ねぇ……」


「……まぁ、、良い。褒美とする世界だ、お前達の能力はそのままにし自由に過ごせる期間は100年とした。新たな世界で長期休暇と言うやつを過ごせ」


その言葉と共に、わらわの体は黒い煙に包まれた。


長期休暇……一体何をしろと?







━━━━━━━━━━━━━━━






「此処で暮らせと、、、」


1番先に口を開いたのはギュラスだ。

目の前にはキラキラと光る水面が特徴的な湖、、

足元には色とりどりの花、、、頭上には目を潰す程眩しい太陽、、、


光の届かぬ場所で何千年……人間界へ行く事があっても夜にしか私達は動かない。



太陽……はこんなに眩しかったか?


「ルシファー様。太陽はこんなにも眩しいものなのですか!?目が潰されそうですわ、、」


ジエルダが手で顔を覆い

ギュラスは今にも太陽を破壊しそうな程にイラついているのが目に付いた。



「言っておくがギュラス、わらわの命令以外に勝手な事をすれば殺すぞ」



「承知しております」


「なら良いが。太陽を破壊する事は許さぬ。この世界も勝手に破壊をするではないぞ。我らの力を使えば、この世界は10秒足らずで破壊出来るからな。100年という月日を全う出来ないとなれば、ゼウス様、ハデス様の好意に背く事になり機嫌を損ねるのが目に見えておる。機嫌を損ねれば命を奪われると思え、良いなギュラス、ジエルダ」



「畏まりました」


「承知しておりますわ!」


長期休暇という名目を与えられ

この世界を好きにして良いとの事だったが、、

この世界には何か問題が生じているようだ。


それに、善人を憂さ晴らしに殺せばゼウス様が怒りかねない。自由と言えど、、ある程度の秩序は必要と考えるべき、、、まぁ、その時点で我々は既に自由では無いのだが



「ルシファー様、早速向かいますか?雀の涙、、いえ、、それ以下か」




皮肉たっぷりに言い放ったのはギュラスだ


「確かに、微力な魔力を感じますわね。ですがこの世界を牛耳っている力には間違い有りませんわね。」



「その様だな、、その者がその力で何を牛耳り虐げているのか知る必要があるの。でなければ、我々の最も得意とする罰を与え、気晴らしにする事さえ出来ぬからな」


ギュラス、ジエルダと共に向かったのは近くの村だった。

廃屋のように屋根も塀も所々が崩れた中で

痩せこけた住人達の姿が目に映る


地面に横たわり動かない者も居るやら

只管地面を掘る者まで……正に異常だった

我々は翼を体へと収納し人間の様に村へと入った。



「なんですの、、この不衛生な場所は、、、それに」


「うむ、貧弱な結界が張られておるな。村に入る事は出来ても出る事が出来ない結界のようじゃが。」


特に何もせずにギュラスが結界を通れば

蜘蛛の巣のように意図も簡単に結界は破壊される。


「これが結界とは……人間て笑わせてくれますわね…こんな、軟弱な結界を張る方が私には難しいですわ…クスクス」


しかし村へ1歩入ると異臭が漂っていた。ジエルダは口に布をすかさず当てゴミを見るかのように鋭い目突きへと代わり

ギュラスは目を光らせていたが

ものの数秒で興味が無くなったようで溜息を吐いた


ギュラスが溜息を吐いたという事は

わらわが調べるまでも無く、この村には善人しか居ないという事だ


「き……貴族様……どうか……お…助け…を…」


1人の老人が我々に気付き、今にも倒れそうな足取りで、よろよろと近付いてきた。その命は余りにも弱く、体も衰弱している


気力だけで歩いてると言った方が近いだろう



「えっ!!ルシファー様!?汚いですわ!!近寄ってはいけませんわ!」


「ジエルダよ、黙れ」


「ゔ………申し訳ありません…」


「ジエルダ、、お前如きがルシファー様に指図するとは何様だ?」


「ギュラスこそ黙りなさいよ。私はルシファー様を守ろうとしただけよ。」


ジエルダを一喝し老人の元へと歩み初めると後ろからは何やら揉めそうな雰囲気になる



全く……煩いの



「ジエルダ、ギュラス、、、殺されたいのか?静かにしていろ」




「「申し訳ありません……」」



「煩くてすまぬな、して、ご老人、そなたの名前は?」



「わ…たしは……ダン…といい…ます…どうか……どうか……この村に……食…料を……我々…が……間…違って……おり…ま…し…………た」



(ジエルダ、ギュラス、口を閉じたまま静かに聞け。念話でわらわの考えを伝える、、まずはこの村を救う事とする。良いな、)


(…なっ!………えぇ、、分かりましたわ、、)


(承知しました)


「ダンとやら、まずは、そなたの体を回復させてやる」


こうしてダンに回復、再生魔法をかけた。

古傷も腰の痛みも全て取り除き、一時的に空腹も取り除いてやった。

この村には悪人は居らず、このような状況になっているのは悪人が必ず絡んでいる


「こ、、これは、、貴女は、、聖女様なのですね」



「聖女?……クスクス…面白い事を言うな。私の名はルシファー。聖女では無い」


「いえ、間違い有りません。回復魔法を使えるのは聖女様だけですから、、、ですが、、私は対価を払う事が出来ません……回復魔法は相当な値段だと噂で…」


「対価か…ならば私の為に働け」



「働く…どのような仕事でしょう…」


「まぁ、それはおいおい決める事とする。だがこの村について知ってる事を話すのだ。わらわはこの村、この国を良く知らぬからな。」


「それでしたら…この国はタイゼン王国という国です。この村は以前はルベスという村でした…ですが既に国から見放され地図からも消えたと噂により聞いております…」



「ほう。」


「この村は今では働けなくなった者、、不治の病にかかった者達は領地から追い出され、ここへ辿り着くようになっているのです…」



「辿り着くか…。まぁ大したことでは無いの、では、この村を私の手で好きにさせて貰う。国から見放され地図からも消えた村なのだからな。ジエルダ、ギュラス聞いていたな。まずはこの村の建物を全て破壊し整地せよ」


「「畏まりました」」


「そ、そんな!!!家を壊すなんて、、この村からは出る事も出来ないのです!今ある資源でやっと建てた家なのです」



「案ずるな。悪いようにはせぬゆえ、そこで静かに見ているが良い」


「………………」


パチンッ


「「「「!!!!!!!!!」」」」


「皆の者、今日からわらわがこの村を納める。名はルシファーという。これから宜しゅう。」


指を鳴らし集めたのは村の住人

困惑している人間を見ると心が踊るのは性分だ

突然今まで居た所から移動された住人を見れば魔法を見た事が無い人間なのだろう。動揺しているのが分かった。

適当に住人へ対し挨拶をすれば不信感丸出しの目を向けられる




「ど、、どうなって居るんだ、、、」



「怖いよ…お母さん…何でこんな場所に居るの…」

「大丈夫よ。お母さんから離れるじゃありませんよ」



ダンが言っていた通り、若い男でも手が無い者、足が無い者、、失明した者など様々だ。


そして不治の病という者もいれば

老化により働けなくなった老人も数多くいる


全ては労力にならない人材ばかり。


そんな中、群衆から悲鳴が上がる


「そんな…やめて!!!!」


「此処に追いやるだけでは飽き足らず…地道に建てた家まで……」

「終わりだ…雨も…風も……しのげ無くなっちまった」


流石はジエルダとギュラス。

次々と家を盛大に破壊するも木の破片、埃さえ飛び散る事もない。絶妙な力加減に

わらわも誇らしく笑みが浮かぶ程だ



「貴族様……は…悪魔だ……」


村人の1人からそんな言葉が聞こえたが

悪魔が悪魔だと言われても何とも思わない。

正に(その通り)なのである

時代によっては悪魔、黒天使、堕天使など

様々な名称を我々も持っている。何千年と生きているのだから当たり前だ。


「面倒なものよの………」


「聖女様……」


ダンは縋るように私を見つめて来た。

人間達は次々と破壊するジエルダ、ギュラスを見て泣き崩れる者や睨み付けている者怯えている者まで様々だ。



「はぁ…良く聞け。わらわは説明するのが好きではない、自分の目で判断し、全てを見届けそれから決断しろ。それまでは煩い口は閉じさせてもらう」



パチンッ……


「「「「「!!!!!!!!!」」」」」


人々の口を封じ、わらわは高みの見物をする。

村の封印は解かれ、今までとは異なる。この村の出入りは自由となった訳だ


「声が出ぬだろう、黙れと言った所で声を出すのは目に見えておるからの、先手じゃ。次いでにコレも味わうが良い。言葉より経験した方が身に染みて分かるからの…」


パチン!!


指を高らかに鳴らせば全ての村人に回復魔法、そして再生魔法をかけた。


腕、足が無い者には新しい手足を贈り

病の者は完全に病を取り除いた。


「さてと、コレでわらわ達の力は十分に分かったであろう?その体が欲しければくれてやるが、2つ条件がある。1つは、わらわの元で働く事。2つ、嘘、偽りは言わぬ事。この2つを守れぬ時は体を元の状態へ戻し、この村から出て行って貰う。あ、言い忘れておったが、この村からはいつでも出れるようにしたからの、去りたい者は去るがよい」


人間達がそれぞれの顔を見合せ苦渋の表情を浮かべていた。去りたければ去れとは言ったものの

何処にも居場所が無い人間達だ、此処から追い出されれば死しかない


数分後、人間達は口が聞けぬ事から態度でわらわに示した。皆が平伏しわらわに忠誠を誓ったのだ。


人間は非常に面白いの

ころころと表情が変わり忠誠を誓ったというのに

怯えているのだから、、



パチンッ…

「そなた達の忠誠を信じよう。口を聞ける様にはしたが無駄話はするな、質問もな。」


人間達は頷く者、平伏す者、拝む者…まで様々だ。


しかし、何に祈って居る?


(ギュラス、ジエルダ整地が終わったなら此処へ戻れ)


(今戻ります、ルシファー様)

(完了しましたわルシファー様)


ジエルダとギュラスの返事と共にわらわの後ろに戻った2人を見て人間の子供は目を輝かせた。

まるで手品を見てるかのように目を煌めかせ

瞬時に戻った2人を見つめる瞳は好奇心でいっぱいだった。


「先程まで泣いていたが、これには興味があるのか?」思わず小さな子供へ聞くと


小さな男の子供は小さく頷き口を開いた

「…格好いいと…思ったの…」

横に居る母親は顔が真っ青で震える手を子供の方に乗せていた。


わらわを魔物とでも思っているのだろうか?

人間など食わぬというに、、、


「そうか、ならばもっと凄いものを見せてやる。」

わらわが指させば皆が振り返った。

先程まであった廃屋は綺麗に無くなり、草1つ生えていない整地が広がっている。


「では始めるぞ」

頭で思い描き手の平を高らかに上げれば

わらわの頭上から黒い花弁が舞い降りてくる。


その光景に人間達は釘付けだ


そして息を軽く吹けば人間達の頭上を黒い花弁が風と共に通り抜け整地された土地へと舞い降りる。


「す、凄い!!」



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