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小説は埋もれ、エッセイがランクインした話 ――共感を得ないエッセイを書く天才らしい――

こんにちは。雨日です。


年末の日曜日は、休日返上で出勤をする。


大掃除を後回しにして、このエッセイを書いている。


◇ 年末に事件勃発!


事件だ。


あのカクヨムに、雨日の作品がランクインされた。


そんな!

滅多に読まれないカクヨムが!

何があった。


一人でざわざわした。


息を詰めて画面を確認したら――


週間創作論・評論ランキングだった。


そっち!?


しかも、2週連続。


小説じゃない。

物語じゃない。


そういえば、以前カクヨムに載せた小説は、

半月以上アクセス0が続き、静かに削除した。


ちなみに、同じ作品は、

なろうでは16万PVを超えている。


そもそも、カクヨムでは小説を載せてない。


このエッセイだけ。


小説の息抜きに書いている、このエッセイ。


「創作論・評論ランキングにランクイン」


この字面の地味さよ。


華やかさゼロ。

夢も希望も控えめ。


なろうで言えば、完全に端役ポジション。


それでも。


あのカクヨムで。


あの、動かないで有名な(※雨日調べ)カクヨムで。


作品が「順位」という形を持った。


読まれた。


・・・世の中、分からない。


正直に言えば、小説でランクインしたかった。



◇ 屈折と鬱積と抑制 読まれない理由は全部入り


「どうして?」


画面を見つめながら、呆然と呟いた。


そんな雨日に、家族は言った。


「もう、エッセイで頑張れ。そのほうが効率が良い」


・・・いやいや。


雨日が書きたいのは、エッセイではない。


小説だ。


それを説明する前に、家族が続ける。


「あれか。今、書いている――屈折したやつか」


言い方。


せめてもう少し、

ロマンとか、夢とか、そういう言葉はないのか。


「そうだよ。屈折と鬱積と抑制だけでできている」

そう認めると、家族がトドメを刺した。


「本当に。盛り上がりも救いもない。屈折と鬱積と抑制を、ひたすら書いている」


それが、今、雨日が書いている小説だ。


キラキラもしない。

爽快感も少ない。


読後に「元気が出ました!」なんて感想は、たぶん来ない。


でも、それを書きたい。



◇ 家族に「天才だ」と言われる


「雨日よ。お前は天才だ」


家族は、真顔で言った。


え?

天才?


その言葉に、少し色めき立った。


許してほしい。


だって、そんな言葉、普段は滅多に聞けない。


雨日は今、

テンプレ文化に花が咲き誇る道の真ん中で、

ひっそりと、屈折した物語を書いている。


だからこそだ。


「天才」という単語に、過剰反応してしまった。


――やっと、分かってもらえたのか?


――この屈折が?



そんな期待を、家族は一瞬で粉砕する。


「雨日はな、まるで共感を得ないエッセイを書く天才なんだ」


・・・は?


なんだ、それ?


天才の定義、どこに置いてきた。


共感を得ない。

エッセイ。

天才。


どれも単体ならまだしも、三つ並ぶと、ただの事故である。


小説でもない。

物語でもない。


ましてや、売れる気配もない。


「雨日よ。今、屈折している小説の文字数は?」


「35万文字」


「下書きは?」


「10万文字」


「最終文字数の見通しは?」


「50万文字に納めたい・・・」


間髪入れず、家族は言った。


「もう、これだ。この時点で、誰にも共感は得られない」


家族は続ける。


「エッセイはな、共感を得てなんぼだ」


そう言って、なぜか自分を指さし、得意げになる。


「自分みたいに――

5年間、執筆しているのに、

一話も公開していないほうが、共感を得る」


いやーー。


それも、どうかと思う。


共感の方向性が、完全に別の沼だ。


書いている。

でも、出さない。

積み上がるのは、原稿ではなく、年数。


それを誇らしげに語られても、

雨日は、どう反応すればいいのか分からない。


◇酒粕のようなエッセイ


「雨日は、共感を得ないエッセイを書く天才だ。

小説に見切りをつけて、エッセイ一本で頑張れ」


家族は、あっさりと言う。


だが、エッセイ一本にしたら、このエッセイは更新されない。


なぜならこれは、

屈折と、鬱積と、抑制だけでできた小説の、息抜きだからだ。


ネチネチと粘着質なものを書き続けていると、息が詰まる。


だから、気分転換にエッセイなのだ。


つまり、このエッセイは、

日本酒で例えるなら――酒粕である。


主役ではない。


売り物の酒でもない。


だが、酒粕がなければ、酒は生まれない。


副産物だ。


その酒粕がカクヨムでランクインされた。


なろうでも、エッセイジャンルで数回1位をもらっている。


小説?


地に埋もれている。


今日も、

屈折と鬱積と抑制の小説を書き、その合間に、酒粕をこぼす。


どちらか一方では、雨日は書けない。


なので、今日も書く。


ネチネチと。



連載中の小説


屈折と鬱積と抑制でできています。


このエッセイは酒粕ですが、本編は、さらに重たいです。


それでもよければ、どうぞ。


秘密を抱えた政略結婚 ―血に刻まれた静かな復讐と、許されぬ恋の行方―


https://ncode.syosetu.com/n9067la/

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