カクヨムに見切りをつけた日 〜テンプレ外作家がたどり着いた場所〜
カクヨムに見切りをつけた
おはようございます。 雨日です。
今週は出張があり、仕事が忙しい。
・・・それなのに短編とエッセイを書いている。
家族からは「忙しい人」だとは思われていない。
けれど、書くことは息をするようなものだから、やめられない。
今日は「カクヨムに見切りをつけた日」について書こうと思う。
◇ 処女作、15万PV突破
雨日が書いた処女作――
『秘密を抱えた政略結婚 〜兄に逆らえず嫁いだ私と、無愛想な夫の城で始まる物語〜』
テンプレートから外れた長文の物語。
47万文字を完結させたあと、じわじわと読まれ続け、先月、ついに15万PVを突破した。
この作品は「小説家になろう」と「カクヨム」に同時連載していた。
完結して二ヶ月ほど経った頃だろうか。
なろうでは10万PVを超えていたのに、カクヨムでは約5,000PV。
同じ作品、同じ更新スケジュール。
けれど、その差は歴然としていた。
後半に進むにつれて、なろうではPVが伸び、カクヨムでは減っていった。
それでも、「少数でも楽しみにしてくれている人がいるなら」と思い、
雨日は完結まで投稿を続けた。
◇完結して数日後、持病が発症した
完結して数日後ーー雨日の持病が出た。
そう、「完結した作品を、より良くするために改稿を始める病」である。
完結済みの小説を編集する目的は、もちろん読者様が読みやすくするため。
そのためには、文字数を減らしたい。
処女作の文字数は、47万文字。
文庫本にすると、およそ4冊半。
長くね?
こんなに長くなったのは、ひとえに雨日の粘着性。
ネチネチと書いていた。
文章は、著者の人柄が滲む。
つまり、ネチネチである。
「これではダメだ。
さっぱりと。明るく、朗らかに。そして、わかりやすく、簡潔に!」
そう決意した雨日は、197話すべてを編集し直した。
その作業量の膨大さに、途中で何度も途方に暮れた。
連載を書きながらの編集作業。
誰も求めていないのに、なぜか始めてしまった。
そして数ヶ月かけて、全話を編集完了。
するとーー奇妙な現象が起きたのだ。
文字数が3万文字増え、話数は197話から227話になっていた。
怖くね?
このとき雨日は悟った。
「この編集作業を、カクヨムで再びやる気力は、もうない」と。
もともとカクヨムでは読まれていなかったし、
編集前の文章は、夜中に書いたラブレターのように恥ずかしい。
なので、カクヨムの作品は非公開にした。
そして、もう一度。
“新たに生まれ変わった作品”として、カクヨムに再公開しよう。
そう決めたのだった。
◇ 非公開にしてから五ヶ月。
その間、雨日は無我夢中で続編を書いていた。
気づけば、文字数は60万文字。
半年かけて、続編も無事に完結。
そのとき、ふと気づいた。
「あ・・・カクヨムで公開するのを忘れていた」
そう、すっかり忘れていたのだ。
編集し直した処女作を、カクヨムで新たに公開し直すつもりだったのに、
気づけば五ヶ月が経過していた。
慌てて、カクヨムの管理画面を開き、「新規投稿」ボタンをクリック。
改稿済みの『秘密を抱えた政略結婚』を、再びカクヨムで公開した。
けれど、このあと雨日は知ることになる。
――“再公開”したところで、何も起こらないことを。
◇ アクセスゼロの夜
カクヨムで再公開した処女作。
初日のPVは0。
2日目も0。
3日目になってようやく――2PV。
ありがとう、誰か・・・!
けれど、それっきりだった。
それでも、雨日は更新を続けた。
そうじゃないと、テンプレ外の作品なんて書き続けられない。
書き手を支えるのは、結局“自分の情熱”しかないからだ。
孤独な日々が続いた。
毎日更新しても、読まれることはほとんどない。
87000文字を投稿して――PVは50。
五十。
五万でも、五百でもない。
五十。
そして、そのPVは最新話まで追ってくれない(泣)
0という文字がずっと続く。
雨日は考えた。
「どうして?」
作風はどちらかといえばカクヨム寄り。
淡々とした文体、重めの心理描写。
“なろうテンプレ”ではない。
それなのに、なろうでは15万PVを突破。
一方、カクヨムでは50PV。
この差を、どう受け止めればいいのか。
◇ 自分の作品を読まれるために
カクヨム攻略法を調べてみた。
そこにはこう書いてあった。
「相互フォロー」と「コメント交流」で読まれる仕組みがある。
もちろん、そんなことをしなくても、
面白い作品は自然と読者がつく人もいる。
しかし、凡人は自分の作品を読まれる努力をしなくてはいけない。
でも、雨日には――交流する暇がないのだ。
カクヨムでは、このエッセイだけを細々と更新している。
コメントをくださる方の小説は読むけれど、
新しい人を探して、交流するほどの気力も時間もない。
だって、今、連載中の小説を書かないといけない!
書いて、書いて、書いて。
書かないと落ち着かない。
現在、更新中の連載は41話。
ストック(下書き)は43話。
総文字数は23万文字。(まだ続く)
そして、ストックの文字数は11万3千文字。
つまり、まだ全然足りないのだ。
(この辺を家族は『狂気』と呆れていた)
◇ カクヨム、やめた
一ヶ月ほど、カクヨムで連載を続けてみた。
けれど、あまりにも反応がなかった。
頑張れば、誰かが興味を持ってくれるかもしれない。
けれど、その「頑張る時間」さえ惜しいと思ってしまった。
未だに不思議だ。
なぜ、なろうでテンプレ外の作品が読まれたのか。
あれは本当に謎である。
雨日の小説は、どう考えても“なろう向け”ではない。
それは自分が一番よくわかっている。
カクヨムと二股をかけていたけれど、キッパリとやめた。
「やめる」って楽。
作品を削除したら、肩の力がスッと抜けた。
雨日の狂気的な執筆スタイルには、なろうが合っている。
それは、二股をして気づいたこと。
毎日書いて、更新して、また書いて。
その繰り返しが、何よりの幸せ。
なろうでは、「やめる」の選択肢は皆無。
続ける一択。
それは、こんなテンプレ外の作品を読んでくれる読者様がいるから。
書く場所を変えたのではなく、自分の書き方を選んだ。
こうして書いている今もーー出張中も連載を書く時間があるか。
それが今、目下の悩みだ。




