連載中に心が折れた。でも完結後に15万PV
こんばんは。雨日です。
1週間の旅行から帰ってきた子どもが、
帰宅後に「ここに住んでいたのかな?」と鼻持ちならない海外かぶれをしている。
この文章は、『秘密を抱えた政略結婚』シリーズを「小説家になろう」で執筆している、
ライトノベル未経験の作者・雨日の創作記録です。
今日は連載中に心が折れた件について書く。
◇ 完結後 半年 15万PV突破
雨日が初めて書いた小説、
『秘密を抱えた政略結婚 〜兄に逆らえず嫁いだ私と、無愛想な夫の城で始まる物語〜』が、
3日前に15万PVを突破した。
嬉しい。
とても嬉しい。
人気作家の人たちにとって15万PVは鼻くそみたいなものだ。
でも、雨日にとって夢のような数字。
この作品、連載中は鳴かず飛ばずだった。
毎日更新しても反応がなく、ブックマークは増えず、感想はゼロ。
孤独な作業だった。
商業作品は、励ましてくれる編集者がいる。
けれど、小説家になろうは、当たり前だけど、誰もいない。
一生懸命に書いても無反応。
「こんな需要がない作品を書いて何になるだろう」と思った。
そう思いながらも、ネチネチと書いていた。
◇ 半年で、47万文字の連載を完結した。
完結時の話数は197話。文字数はおよそ48万文字。
(その後、削るつもりで手を入れたら、なぜか2万文字増えて50万文字になった)
よく「10万文字ブースト」という言葉を聞く。
更新を続ければ、どこかで急に読まれる日が来る、という希望。
雨日も毎回、「もしかして今度こそ」と思っていた。
でも、一度もブーストは来なかった。
20万文字のときも、30万文字のときも、40万文字のときも。
完結直前のPVは4万。
ブックマークは27。
197話、毎日書いて、ブックマーク27。
それが現実だった。
◇ 完結後 11万PV読まれた
完結後に、まさかの“完結ブースト”がきた。
完結当日はなんと、1万3千PV
「ちょっと、どうしたの?」
それが正直な感想だった。
非テンプレ作品なのに。
例えるなら――
いつも地元のお客さんにだけ大福を売っていた、
小さな和菓子屋に突然観光客が殺到したようなものだ。
「これは大変だ!」
嬉しくて、笑いが止まらなかった。
・・・けれど、ポイントはあまり入らなかった。
和菓子屋のたとえで言うなら、
冷やかしでお客がどっと押し寄せても、
誰も商品(=ポイント)を買っていかない、そんな日々。
静かに読んで、静かに去っていく。
一日に8,000PV、4,000PVあっても、評価はほとんど動かない。
「まあ、仕方ないよね」と思いながら、
そんな日が四ヶ月も続いた。
それでも、たまに――本当にたまに、
“蓼食う虫も好き好き”のように、ポイントが入ることがあった。
そのたびに、心の底から嬉しかった。
読んでくれて、ありがとう。
◇ 完結後も読まれた理由① <全文編集した>
テンプレ外でも、完結後に読まれ続けた理由を考えてみた。
ひとつ目は――全文を編集したことだ。
半年も前に書いた文章を読み返すと、まるで「真夜中のラブレター」のよう。
恥ずかしいところばかり目につく。
少しでも良い作品にしたくて、雨日は全話を編集し直した。
20話ほど直したところで気づいた。
――これは、途方もない作業になる、と。
ちょうどその頃、『秘密を抱えた政略結婚2』の連載も進行中だった。
毎日更新しながら、旧作を編集。
さらに、20年近く続けているブログの更新もやめたくない。
そして、仕事も忙しかった。
小説の原稿と講座の原稿を、同時進行で書き上げる日々。
ーーおい、何をやっているんだ。
需要がない小説なのに!
自分でもそう思いながら、三ヶ月、編集を続けた。
その結果、197話が227話になった。
文字数は50万文字になってしまった。(減らそうとしたのに!)
本音を言えば、今でも編集したくなる。
商業出版なら、印刷屋に原稿を出したら、もう修正はできない。
どれだけ「ここを直したい!」と思っても、もう手遅れだ。
けれど、「小説家になろう」では違う。
公開した後でも、何度でも書き直せる。
だからこそ、終わりがない。
書き上げた当時、「これがベストだ」と思って投稿したのに、
一週間も経たないうちに、「ああ、ここを直したい」と思ってしまう。
それが、創作という名の終わらない編集地獄だ。
けれど――残念ながら、今はその暇がない。
ただ、この地道な作業が、少しずつPVを増やしていたのだと思う。
気づけば数字が静かに積み上がっていた。
大きなブーストはないけれど、10万PVになった。
◇ 完結後も読まれた理由② 短編導入
完結して四ヶ月。
1日のPVは100〜150ほどになっていた。
――このまま静かにフェードアウトしていくのだろうな。
そんな予感がしていた。
その頃、『秘密を抱えた政略結婚2』は、ヒリヒリするような展開の真っ最中だった。
ーー書いていて苦しいのなら、やめればいいのに。
違うストーリーにすればいいのに。
そう突っ込みながら書いていた。
もはや、趣味なのに地獄。
「辛い」「苦しい」と呟きながら泣きながら書く雨日を、家族は引いていた。
そんなとき、救ってくれたのが――短編だった。
気分転換に、短編を書いた。
もちろんテンプレではない。
いわゆるSSで、連載の一部を別の視点から描くような小話。
50万文字も書いたのに、どうしても本編で描けなかった場面がある。
それを、ネチネチと掘り下げて書いた。
それが、楽しかった。
結局、書くことがつらいなら、書いて楽しむしかない。
雨日にとってのストレス発散方法は、それしかないのだ。
毎日、連載を更新しながら(最終的に60万文字で完結)、
息抜きのように週に一度、短編を投稿した。
すると――不思議なことに、処女作が伸び始めた。
18本の短編を書いた。(あれ?週に2回くらい書いている日もある?)
気づけば、二ヶ月で4万PVが伸びていた。
驚いた。
まさか、短編がここまで効果を持つとは思っていなかった。
書くたびに本編へ流れていく読者がいたのだと思う。
まるで、小さな灯りをいくつも点けていったような感覚だった。
こうして、作品は15万PVになった。
テンプレではない、雨日の物語が――1万8千人に届いた。
ブクマは97人になった。
100人まで、あと少し。
(ブクマ100人越えで底辺脱出、っていう都市伝説・・・本当なのかな)
まあ、どっちでもいい。今日も書く。
雨日には、特別な文章力はない。
けれど、読まれなくても書き続けることができた。
それが、完結後も読まれ続けた理由のひとつかもしれない。
今日もまた、誰かに届くように書いている。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
完結後に少しずつPVが伸びた理由のひとつが、短編集でした。
<短編集>無口な領主と気丈な姫の婚姻録
https://ncode.syosetu.com/N9978KZ/
本編の裏側や別視点を描いた小話を集めています。
そして、まだ読んでいない方には、雨日の原点でもある処女作を。
『秘密を抱えた政略結婚 〜兄に逆らえず嫁いだ私と、無愛想な夫の城で始まる物語〜』
https://ncode.syosetu.com/n2799jo/
<完結>
テンプレではないけれど、誰かの夜にそっと届く物語であれば嬉しいです。




