「趣味だから無理しなくていい」と言われても毎日更新してしまう病 ――言えない情熱と、静かな地獄の日々。
「何しているの?」と言われ「小説を書いている」と言えなかった件。
おはようございます。雨日です。
雨の三連休、いかがお過ごしでしょうか。
このエッセイを書き終えたら、出勤する予定。
この文章は、『秘密を抱えた政略結婚』シリーズを「小説家になろう」で執筆した、
ライトノベル未経験の作者・雨日の創作記録です。
■ 「小説を書いている」と言えなかった日
雨日は商業施設の中で、小さなお店を運営している。
仕事を終えたあと、施設の片隅でパソコンを開き、
ひとり必死に小説を書いている。
その日も集中していた。
おそらく、顔つきが少し怖かったのだろう。
同じ施設で働いている方が声をかけてきた。
「雨日さん、毎日すごく頑張っているみたいですが・・・何をしているんですか?」
キーボードを打つ手が止まった。
「他の人も話していましたよ。“あの人、呼吸してないんじゃないか”って」
若くて華やかな女性に微笑まれ、雨日は挙動不審になった。
――言えない。言えやしない。
「小説を書いています」だなんて。
こんなことはよくある。
「そんなに一生懸命、何をしているの?」と画面を覗かれ、
慌ててウィンドウを閉じたこともある。
商業施設のフリースペースでは、多くの人がパソコン作業をしている。
珍しいことではない。
なのに、なぜか雨日ばかり声をかけられる。
きっと、必死すぎて顔が怖いのだと思う。
息も忘れて書いているのだから、無理もない。
◼️ 静かなる執念
ここで「いや、小説をちょっとね」って言えばかっこいい。
けれど、そんなこと口が裂けても言えない。
そんな開放的な雨日は、どこにもいない。
胸の奥に小説への情熱を秘め、ひとり、粘着質に書く。
それが雨日だ。
もし仕事をしていなかったら、
きっと一日中、小説を書いていると思う。
実際、休日はそれに近い。
けれど、作家業だけで食べていける人はごくわずかだ。
雨日も例外ではない。
出版経験はあるが――それは小説ではなく、実用書。
トイレに行くのも惜しんで小説を書いている。
膀胱炎寸前になりながら書く姿は、
側から見たら、きっと奇妙なのだろう。
でも、そうしてまで書くのは、
誰に頼まれたわけでも、誰に見せたいわけでもなく、
ただ書かずにはいられないから。
◼️ 毎日更新という修行
二日前に、連載が完結した。
連載小説を始めるというのは、地獄の始まりだと雨日は思っている。
なぜなら、雨日は「毎日更新」と決めているからだ。
「趣味の小説で、そこまでしなくていいのに」
家族はそう言う。
週に二、三回の更新でも十分じゃないか、と。
たしかに、それもひとつの形だ。
面白い文章がすぐに書ける人なら、それでいい。
けれど、雨日は知っている。
毎日更新することの大切さを。
◼️特別な才能がなくても
雨日は二十年近く、ブログを書き続けている。
それは、そこそこ読まれている。
なぜなら、毎日更新しているからだ。
ブログを始めて二年目、大胆にも「書籍化したい」と思った。
アクセス数は多くなかった。
それでも、そう思った。
体調が悪くても、仕事が忙しくても、とにかく毎日書いた。
その夢が叶ったのは、五年後のことだった。
ブログをきっかけに、書籍化が決まったのだ。
この経験があるから、雨日は書き続ける。
今も小説を書きながら、ブログを更新している。
特別な才能がなくても、
書き続けることをやめなければ、いつか芽が出る。
◼️ 鳴かぬ蛍、身を焦がす
「ブログで小説を宣伝したら?」
家族は言う。
ブログの読者に、小説を書いていることを伝えたら、
一割くらいは読んでくれるかもしれない。
底辺の雨日の小説に、たくさんの来訪者が来るだろう。
皮算用したら、笑いが止まらない。
――けれど、それはできぬ。
「小説をちょっとね、書いたから読んで!」
そんなこと、言えやしない。
プライベートでも、ブログでも。
その屈折した想いは、
新たな小説を書くことで発散されている。
あと二日後に公開予定の新連載。
屈折があるからこそ、ぐんぐん進んでいる。
自分でも引くほどの勢いで。
ついでに短編も二本書いた。
明日、そのうちの一本を更新する予定だ。
「鳴かぬ蛍は身を焦がす」という言葉があるけれど、
雨日はまさにそれだ。
2日前に完結した小説 (60万文字)
『秘密を抱えた政略結婚 〜娘を守るために、仕方なく妾持ちの領主に嫁ぎました〜』
https://ncode.syosetu.com/n0514kj/
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処女作(完結済・約50万文字)
『秘密を抱えた政略結婚 〜兄に逆らえず嫁いだ私と、無愛想な夫の城で始まる物語〜』
https://ncode.syosetu.com/n2799jo/
▶ 約14万PV到達
▶ 政略結婚から始まる、恋と戦と家族の物語
明日、20時20分に更新 短編小説
文芸・歴史ジャンルで挑戦
「あの妃より美しい女性を探せ」
https://ncode.syosetu.com/n5007le/




