《小説裏話》やめられない、とまらない、執筆地獄
テンプレは知らないけど、書き続けているうちに“速筆”だと気づいた
こんばんは。雨日です。
お盆休みが終わり、明日から出勤の人も多いのではないでしょうか。
このエッセイは、ライトノベル未経験の著者・雨日が「小説家になろう」で物語を書き始めた記録です。
今日は、“テンプレ”と“速筆”について気づいたことを書く。
◼️ テンプレ、本気で書いてみたら?
ドライブ中に、突然、家族から言われた。
「雨日、テンプレ小説を本気で書いてみないか?」
“テンプレ”とは、なろう小説でよくある王道展開のこと。
異世界転生→最強スキル→ハーレム、といった流れが代表例。
驚いた雨日の顔を見て、家族は口を添えた。
「今、雨日が書いている小説は、テンプレの外の外。
秋刀魚を狙っているのに、池で釣りをしているような状態。
ザリガニとタニシしかいない池で、秋刀魚を狙っている。
もう、無理だ。静かに鯉を狙え」
まるで死刑宣告のようなものだ。
毎日、一生懸命、小説を書いているのに。
残酷なことを家族は言う。
◼️テンプレ 書けない 全然わからない
家族の提案に、雨日は動揺した。
テンプレ、書けない。
どうやって書けばいいのさ。
無理だよ。
雨日の主張を家族は叩き切った。
「それは、テンプレ小説を読んでないからだ。読め!勉強をしろ!」
確かに雨日は、テンプレ小説を読んだことがない。(告白)
単語として知っている。
こういうのが、人気なのだなと薄い知識しか持ってない。
勉強をしていないので、具体的にどういうものなのかは知らない。
黙った雨日に、家族は言う。
「読め!人気作品を読んで学べば良い。そして、自分なりに書けば良い」
◼️小説を書いているから、読んでいる暇がない
家族の提案を雨日は断った。
「そんな暇はない。自分の小説を書くのに必死なんだよ」
「雨日よ。連載中の小説のストック(下書き)は何話ある?」
「82話ある」
「下書きの文字数は?」
「21万文字。総文字数は53万文字になった」
「それだけ、ストックがあるのなら大丈夫だ。
小説を1ヶ月放置しても話は進む。その間に勉強しろ」
「そんな!完結まで書かないと無理!」
雨日はストックがないと不安で仕方ない病と、
完結まで書かないと、気持ちが乱れる病にかかっている。
朝から取り憑かれたように、小説を書いている。
夜明け前の暗い部屋で、時には涙を流しながら書いている。
その姿は狂気に満ちていると、家族は話していた。
◼️ 書くのが早いらしい
書き続けていたら、気づけばストックが増えていた。
速筆だなんて自覚はなかったけれど、どうやらそうらしい。
でも――テンプレは知らない。読む暇もない。
読むより先に、書いてしまうから。
「1ヶ月ほどの時間があれば、雨日は10万文字の小説を書ける。どうだ?やってみないか」
そう話すのだ。
同じことを、書籍化作家 マイヨ@『名人』受賞先生が書いてくれた。
(マイヨ先生のご紹介は、後書きに書いてあります)
雨日のことを、
『えげつない速筆の先生ですよ。見習いたい』と評してくれた。
えげつない? 速筆・・・?
こんなこと言われたのは初めてだ。
そして、書く速度は他の人と比べたことがない。(皆もそうだよね?)
◼️ ずっと書くのが遅いと思っていた
雨日は、実用書を商業出版している。
10万文字程度の実用書を書くのに、およそ1年半ほどかかった。
なので、書くのは遅いと思っていた。
けれど、不思議なことに、小説に関しては書くペースが早い。
それは、小説は趣味の世界なのだからだと思う。
実用書は、事実をきちんと正確に記載しなければいけないけれど、
小説はオールフリー!
自分の脳内に描いたものを書いてもいい。
参考文献、論文の添付がなくていい。
それってーーすごく快適!
脳内にある話を、そのまま書いていいなんて!
なんて、素晴らしい世界なのだろう。
ずっと、「遅い、書くのが遅い」と思い込んでいた自分の執筆癖。
エッセイを通して、交流をしたお陰で、新たな自分を知ることができた。
■武器か、墓穴かーー書き続ける理由
テンプレは知らない。
読む暇もない。
ただ、朝も夜も書き続けてしまう。
仕事が忙しくても、時間があれば書く。
小説を読んで、書いて、仕事をして・・・それは無理だなと思う。
小説を書くのに精一杯で、読み手に回る時間がない。
けれど、一つだけ分かったことがある。
雨日は“書くことをやめられない”人間だということだ。
それが武器になるのか、墓穴になるのかーー
読んでくださる皆さんと一緒に、その答えを確かめていきたい。
1日2回更新 ストックは82話(焦)
===================
『秘密を抱えた政略結婚 〜三人の娘を守るため、妾のいる25歳年上領主の妻になりました〜』
連載中です!
▼ こちら:
https://ncode.syosetu.com/n0514kj/
===================
祝!11万PV達成!
===================
処女作 テンプレ0(完結)
兄の命で嫁がされた姫・シリと、無愛想な夫・グユウの政略結婚から始まる切なくも温かな愛の物語です。
「秘密を抱えた政略結婚 兄に逆らえず嫁がされた政略結婚ーー無愛想な夫との結婚生活が、
やがて私の運命を変えるなんて思いもしなかった」 (完結済み/随時加筆中)
▶︎ https://ncode.syosetu.com/n2799jo/
============
このエッセイ、なんとマイヨ@『名人』受賞の先生が書かれた
『92位が自分にとっての1番』でご紹介いただきました。
「えげつない速筆」とまで言っていただき、恐縮です(笑)
マイヨ先生は「なろう」から執筆を始め、ランキング上位や受賞など実績を重ね、
商業デビュー作『U-15サッカー日本代表だけど部活は幼馴染と一緒の文芸部です』を
KADOKAWAさんから出版。
なんと、もうすぐ2作目も出版予定とのことです!
小説を書いている方にはぜひ読んでほしいエッセイです。




