涙の決意
「・・・っは」
目覚めるとそこは保健室のベッドの上だった。
「あ、よかった目覚めた~」
近くで柏木さんが椅子に座っていた。
「ごめん心配かけて。校長は大丈夫か?」
「うん。あの後すぐに目覚めて、あの男の頭ポカスカ殴ってたよ」
「じゃあ大丈夫か」
「でも、あの後不思議なことが起こって・・・」
「なんかあったのか?」
「うん。校長が満足したのか男から離れてしばらくした後、男の周りを炎が囲って消えたかと思ったら男もいなくなってたんだ」
「マジか・・・能力者以外全員消すとか言ってたし、このまま終わるとは思えないな」
「私もそう思って、雄太郎に頼んで色々調べてもらったんだ」
「雄太郎って中学のか?」
「うん」
雄太郎。小野沢雄太郎は中学の時の同級生だ。インターネットに詳しんだが・・・
「あいつにいつ連絡とったんだ?」
「宅人が倒れてすぐ・・・」
「またあいつ学校行ってないのかよ・・・」
ネットサーフィンに夢中になり学校に行かないことが多々ある。
「まぁいいや。それで?」
「そしたら、こんなサイト見つけたんだって」
柏木さんが見せてくれたスマホの画面にはこんなことが書かれてた
能力者に光を。非能力者に終末を ヘリクリサム
「こ、これは・・・」
「これより先は何故かは入れないみたいで、雄太郎でも無理だった見たい。でも、ここ見てみて」
柏木さんがサイトのスクリーンショットを見せてきた。変わったところはほとんどないが、ただ一つだけ。僕がさっき見たときはなかった、掲示板のようなところがあった。ほとんどは文字化けをして読み取ることができないが、一か所だけ読み取ることのできたところがあった。
今回は作戦に失敗した。でも、我々の戦力は着実に増えてきている。次の作戦は成功させる。
「雄太郎が何かないかって色々としたら、これだけは見れたんだって」
「次の作戦。まだこれは、始まったばかりってことか。」
「多分次は、さっきよりもすごいことになるかもだって」
そうか。じゃあ、僕のやることは一つ
「こいつら、潰すか」
「え?」
「こいつらが非能力者を滅ぼそうとしてる限り、危険な奴らだってことには変わりない」
「じ、じゃあ私も」
「柏木さんはやめとけ。危険すぎる」
「で、でも・・・」
「相手は普通の人じゃない。エスカトロジーを使ってくるんだ。お前は、さっきのツタ出してきた奴に勝てるのか?」
「・・・」
「きっと、アイツより強いやつが山みたいにいる。自分の命を大切にしろ」
「でも、宅人も能力者とはいえ、危ないんじゃ・・・」
「僕はいいんだよ」
「よくないよ」
「これは僕にしかできないんだ」
「私だって少しくらい手伝えることあるよ」
「死んでもおかしくないんだぞ」
「それは宅人も同じでしょ?」
「お前いい加減にしろ!」
はぁ、はぁ、バカみたいな大声出してしまった。柏木さんも驚いてるよ。本当にごめん
「僕はエスカトロジーが使えるようになってからいつ死んでもおかしくないって思ってきた。能力者が差別されてることぐらい、高校に来る前から知っていたしな。中学でも当然ひどい目にはあうだろうなって思ってたよ。でも、みんなは僕に前と変わらない対応をしてくれて、正直うれしかった。高校でひどい目にあっても、柏木さんがいたから何とかここまでこれた。だから、そんな大切な仲間を巻き込みたくないんだ」
目から涙が出てるのを感じる。柏木さんも呆然としちゃったよ。
もう、これでお別れかな?寂しいな。悲しいな。でも、覚悟決めないとな
「だから、僕一人でやらせてくれ。今までありがとう」
僕はそう言って保健室を出て、そのまま学校を抜け出した。
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