血液暴走
ーーーさて、さっさと終わらせるか。
「ガキ一人で何ができるっていうんだ・・・」
バシャッ
次の瞬間。さっきまで海野がいたところには血だまりだけがあった。
「なっ、あのガキ、どこ行きやがった」
そう男が言った次の瞬間
ザッ、ズドーン
男の出したツタのようなものが一本、一瞬のうちに倒れてしまった。
「い、一体どういうことだ?」
ズドーン
もう一本も倒れた
男は周りをよく見ると、赤い残像を見つけた。それは、地上だけではなく、空中にも見え、まるで複数人が同時に走っていたり飛んでいたりしてるようであった。
「くっ、こうなったらヤケクソだ」
ピシツ、バシバシバシ!
背中から2本ツタを生やし、それで自身の周りを打ちまくった。
「ハハハッ、このツタはかなり痛いぞ。どうだこれなら近づけない」
男がそういった次の瞬間
「遅い」
男の耳元に誰かがささやいた。恐る恐る後ろを見た瞬間・・・
ダーン
強烈な蹴りを入れられた。男はその蹴りで吹っ飛ばされてしまった。
「なっ、何が起こったんだ?」
血液暴走・狂乱
次の瞬間
ザシュ
海野の血だまりから赤い尖った大きなものが生えて来て男の体を貫いた
「ガ八ッ」
男はそのまま目を閉じた。
「はぁ、はぁ、久しぶりにエスカトロジー使ったわ」
エスカトロジーは人によってその効果が違う。あの男の能力、ウッドサンクチュアリはツタを生やしてそれを操る能力だ。そして僕、海野宅人の能力、血液暴走は自身の身体スペックの底上げである。能力者はもとから桁外れの身体能力を持っているが、血液暴走はそれがかわいく見えるほどの身体能力を得られる。並の相手ならさっきの男のように、何が起こってるのかを理解することさえ許させない。しかし、その代償は大きく・・・
「宅人。大丈夫⁉」
あ、柏木さんの声だ
「柏木さん。大丈夫だよ」
「うわひどい怪我・・・はエスカトロジー使ったから当たり前か。あの男は?」
「大丈夫。能力者ならあんなことで死にはしない。気を失ってるだけ・・・だ・・・」
ズドン
「え?宅人?大丈夫?急に倒れたりして」
「最近使ってなかったから反動に慣れてなかった。貧血・・・だ・・・」
「え?ちょ、とりあえず保健室行かないと・・・」
血液暴走は自身の身体スペックを底上げする代わりに出血をする。宅人がこのエスカトロジーを好まないのもこれが理由だ。使いすぎると今の海野のように自身にも影響が出る。なので使用時間をなるべく減らすために「血液暴走・狂乱」を作った。これは、自身の出血した血を自由に操作する能力だ。これを使えば、先ほどのように血を使って攻撃ができる。しかしそれでも出血はするので・・・
「ふん~~~っはぁ・・・重すぎるよ~!」
使いすぎると気は失うはこんな感じで周りに迷惑かかるで大変なんだよ~!
今回も読んでくださりありがとうございました。実は、ある程度の物語の流れは何パターンか決めてるのですが、正直そのどれにするのか決まらないので迷走しかけてます。でも、これからも読者の方々を楽しませられるように頑張ります。よろしければ、ブックマークや感想、お気に入り登録などお願いします。作品を書く励みになります。それではまた次回