終末の始まり
2067年。東京のとある研究所から光が放たれ、その光は日本全土にわたった。その光を浴びた人の内数十名はエスカトロジーという特殊能力に目覚め、さらに人とは思えないほどの身体スペックも手に入れた。しかし人はエスカトロジーに恐怖を覚え、能力者を差別の対象とした。それから数年後。
カーンコーンキーンコーン
授業終わりのチャイムの音が教室中に鳴り響く。4時間目が終わった。飯の時間だ。授業中によだれをたらしていびきをかきながら爆睡してたやつらもそれが嘘かのようにはしゃぎ始めた。そいつだけじゃない。この学校中のほとんどのやつらが騒ぎ出した。まったく、ここは動物園かよ。この高校に入学してから早半年が経過した。高校の学力は下の中といったところ。ロクな奴なんて、片手で数えられるくらいしかいない。でも、ロクな奴らはいなくてもイカれた奴はほとんどいない。犯罪を犯すような奴らはいない。”犯罪は”
「まぁいいや僕も飯食べよう」
そう思ってカバンからパンを出したその時。
「あれれ~?なんでお前なんかがパンなんか食ってんのかな?」
はぁ、今日もか。この学校でまともに飯食ったことないぞ。
「お前なんかが昼食にパンなんか食ってんじゃねーよ」
「お前は雑巾でも食ってろ」
この高校に入ってきてから昼食の時に限らずいつでもこんな感じだ。なぜなら・・・
「お前みたいな能力者は飯なんか食わずさっさといなくなればいいんだよ」
「てかさっさと転校してくんないかな?」
「退学でもいいぜ」
僕、海野宅人がエスカトロジーを使える能力者だからだ。入学当時は正直かなり驚いた。中学では能力者とみんなに言ってもみんな普通に接してくれたから。でも正直半年もすればもう慣れた。
こいつらに反論してもどうにもならない。僕がエスカトロジーを使って反撃してくると思ってるのか知らないが暴力は振るってこない。しかし、こっちは一人。向こうは周りの人全員が見方だ。やんちゃ仲間も、おとなしい人も、男子も、女子も、先輩も、先生も向こうの見方だ。ここは素直に
「あ、ごめんなさい」
そういってパンを置いて教室を飛び出て急いで屋上へ行く。流石に雑巾は食えないしな。しかし、これでは何も食べられない。まぁ、これもなれたもんか。あ、食べないことにではないだってどうせ・・・
「あ、宅人!また追い出されたの?」
一人の女性がやってきた。彼女の名は柏木蛍。中学時代からの同級生で、高校生活において数少ない僕の味方だ。
「うん。もう慣れたけどね」
「そういう問題じゃないでしょ。ほら、どうせ何も食べてないだろうしおにぎりあげる」
「あ、ありがとう」
柏木さんには高校に入ってからいつも弁当を分けてもらってる。かなりありがたい。けど正直迷惑ばかりかけて申し訳ないなって思う。だから毎日、ばれないようにこっそりご飯を食べようとしてるんだけど・・・なぜかばれる。パンもって教室出ようとするといつもバレる。だから今日は教室内ならばれないのではと思ったけど、結局ダメだった。
「本当にいつもごめんね」
「何言ってんの。友達が困ってるときは助けるなんて当たり前のことでしょ」
「うん。そうだね」
「てかさ、いつも思うけど屋上空いてるのって珍しいよね」
「確かに、ほかの学校って空いてないこと多いらしいね」
二人で他愛のない会話をする。ロクな扱いを受けないことが多い僕にとっては唯一の高校生活での楽しみな時間だ。
「あ、そろそろ昼休み終るね」
「あ、ほんとだ。じゃあ教室戻るか」
そういって教室へ戻ろうとしたとき
ドゴーン
校庭から大きな音が聞こえた。
「へ?なに?」
二人で校庭を見てみると砂埃が立つていた。それのせいで最初はよく見えなかったが、しばらくたつと男が一人いることが分かった。
すると、校舎から人が出てきた。遠くてよく見えないが、おそらく校長だろう。何やら話しているどうせ注意してるんだろうな。すると、
ドドドドドドドドドドド
男の左右から大きなツタのようなものが現れた。そのつたは校舎の3回ほどまで伸びた後、動き出して校長と思わしき人を弾き飛ばした。
ーかなり高く飛んだな。この高さは頭がつぶれるだろうな。ーーー僕が助けなければ。
僕は屋上から飛び降りて校長と思わしき人。いや、ここまで近くに行ってら分かる。校長を空中で抱えてそのままふわっと着地した。
「校長先生大丈夫ですか?」
声をかけて少しゆすってみたけど反応がない。脈を図ってみる。・・・ある。まだ生きてる。よかった。
僕は校長をそっと地面に寝かせてツタを操ってる男のほうを向いた。
「おい。お前誰だ?」
「我はヘリクリサムの一員だ。」
「ヘリ…ん?なんて?ヘリウムガス?」
「ヘリクリサムだ」
「あOKヘリクリサムね。で、何の用できた?」
「能力者がしいたげられない世界を作るために来た」
「能力者がしいたげられない世界を作るため?」
「ああそうだ。能力者だというだけでしいたげられる世界を変えるために、
能力者以外を消してやるのさ」
「は?お前頭どうかしてるぞ」
「うるさい。それがヘリクリサムの目的だ!
ウッドサンクチュアリ」
そう叫ぶとツタのようなものが増えて学校を囲った
「これで個々の学校のやつらはみんな逃げられない。じゃあ、やるとするか」
ーーーはぁ。しょうがない。僕のエスカトロジーはあまり使いたくないんだけど・・・
「能力者相手じゃしょうがないか」
長期戦は避けたい。すぐに終わらせる。
「血液暴走」
「クリムゾンディサピア」読んでくださりありがとうございました。小6ぐらいの時から物語を趣味で書いていて、高校で演劇部に入って台本を書くのを任されたとかはルンルン気分でしたがいざ書いてみると登場人物の人数や性別、性格を部員に合わせなきゃいけないわ読み切り系しか書けないわ表現に限りがあるわで案はたくさん浮かぶのに実現できないものが増えていったので、投稿を始めてみました。
初投稿なので慣れないところが多々あり、かなり大変でしたが楽しんでくれると幸いです。それでは、また次の投稿でお会いしましょう。