小林有理化の事件簿ー謎の怪盗リンと輝く宝石ー

作者：茶電子す

新シリーズです。

主人公、小林有理化は、たった14歳ながら天才的な頭脳を持つ中学生探偵だ。彼女は鋭い観察眼と論理的な思考力を駆使し、多くの難事件を解決してきた。ある日、彼女のもとに夜の街を駆ける怪盗「リン」による窃盗事件の依頼が舞い込んだ。

被害者は一流宝飾店のオーナー、堀田真吾だった。彼は裏社会の黒幕から宝石を盗み、真の持ち主から奪ったものだった。一般にはそのことは知られていなかったが、怪盗リンが彼の犯罪を暴露しようとしていた。有理化は真実を暴くために事件の舞台である宝飾店に向かった。

店内はガラスケースに美しい宝石が並び、中でも1億円相当の輝く宝石が一際目を引く。有理化は被害者である堀田の過去を調査し、裏社会とのつながりを突き止める。そして、彼が宝石を奪った真の持ち主、富豪令嬢・美緒からの復讐を怖れていることを察知した。美緒は堀田に自らの正体を暴露され、家族や名誉を失い追い詰められていた。

有理化はリンとの接触を試みるために、新たな依頼を偽装して宝飾店に案内することにした。それはリンにとっても誘惑に違いないと考えたのだ。事件の状況を再現し、店内に待ち伏せると、突如、黒い仮面を被った謎の怪盗が姿を現した。

「君が怪盗リンだね。私は小林有理化。君の真の目的は、堀田真吾に復讐することなんでしょう？」

有理化の冷静な声が響き、リンの表情がわずかに変わる。それは驚きと同時に、評価の意味も込められているように思えた。

「君はなかなかの頭脳の持ち主みたいだね。でも、ボクの目的はただの復讐だけじゃないよ。それに、君が探偵だとわかったからには、今回の依頼を受ける前に君のことも調べていたよ。」

有理化はリンの言葉に驚きつつも、油断はしていなかった。リンは堀田を追い詰めるために有理化を利用しようとしているのだろう。しかし、有理化にとって真実を暴くことが目的であり、リンを捕まえることはなかった。

「リンさん、あなたが欲しいのは私の協力ですか？」

リンは微笑みながら頷いた。

「そうだ。君の頭脳を借りて、堀田を追い詰めたいんだ。その代わり、美緒のことは教えてやるよ。彼女がどんなに惨めな状況にあるか、目の当たりにしてもらうことになる。」

有理化はリンの提案を受け入れ、リンと手を組んだ。彼女はリンの計画を手助けし、事件の裏に隠された真実を次々と暴き出していった。

リンは美緒の復讐として堀田に宝石を奪わせ、彼を追い詰めることに成功した。堀田は自らの罪を認め、報道陣や警察の前で涙を流した。美緒の名誉は回復し、彼女は新たなスタートを切ることができた。

事件の解決後、リンは有理化に向かって微笑みかけると、静かにその場を去っていった。有理化はリンが持つ謎に満ちた過去や真の目的を知ることはなかったが、彼女は心の中でリンを尊敬した。