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クレイジーハンター  作者: お茶漬け
第一章 ハイドラの脅威
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足手纏い

申し訳ございません。

ハイドラは、生き延びる事へと目標を変えると、邪魔者を消そうとラトリスファーへと矛先を向けた。

鋭く尖った爪に金属も軽く穿てるであろう膂力や地面を勢いよく蹴り飛ばして得た爆発的な推進力が合わさって異常とでも言うべきな速度と威力を持った突貫がラトリスファーへと向かう。


アルセーヌの力のお陰である程度強化されているとは言え、元々はただの高校生であるラトリスファーにはその音速に到達した突貫に反応する事はほぼ不可能だった。


目で追うことが精一杯な速度に、顔は恐怖に満ち、叫びを上げようとする喉をグッと押さえて、今にも笑い出しそうな膝を精一杯に堪えてラトリスファーは短く、速く言葉を発した。


傲慢の天刀(セーグ)・弱」


どう足掻いても常人なら反応出来ないそれをラトリスファーはギリギリの所で傲慢の天刀で受けきる。

それでも刀はミシミシと嫌な音を立て、骨は限界を訴え、体中の筋肉が悲鳴を上げて、その表情を苦悶に満たせていながらも拮抗していた。


否、拮抗させられていた。傲慢の天刀は凄まじい耐久性と力強さを持ち、ハイドラの突貫をラトリスファーの膂力をサポートしていた。


当然、ハイドラはそれを良く思わないだろう。

それを嫌ったハイドラは、真正面から加わる力を少しばかり上に逸らす、するとそこに全力の力を注いでいたラトリスファーの力は流され、体制を崩してしまう。


「死ねっ!!!」

「無視すんなよっ!」


そして秋刀魚のような体制からすぐに直り、動きが霞むような速さで振るわれたハイドラの脚がラトリスファーの頸をギロチンのように切り飛ばそうとしたその瞬間に逃げたハイドラを追ってきた男が双剣の片方をハイドラの胸の辺りに添えて思いっ切り自身の方向へと引っ張った。


その双剣の鋭さはどんな屈強な【巨人】だろうとも抵抗のような抵抗も感じる事も無く、バターのように斬る事が出来、細胞は最初からそうであったかのような断面によって血が出ることも暫く遅れるだろう。


しかしハイドラはその胸部に薄らと傷が出来たのみで明確な死を耐えしのいだ。

しかし体制を崩されたのは変わりが無く、ラトリスファーは体制を崩したハイドラに出来た僅かな隙を見逃すことなく、その柔そうだが無駄の無い筋肉の詰まった右腕を切り飛ばそうとする。


ゴンッ!とまるで金属を叩いたかのような音が、ハイドラの腕に打つかった傲慢の天刀から響く。

ラトリスファーはそれは生き物としてどうなんだよと思いつつも、僅かな体の体制の動きから予測した次の攻撃の軌道をある程度想定に入れ、その範囲外から逃げれるように後ろに跳躍する。


「いい加減死ねっ!光の罰(フォトン・ギルティ)


死んでやるかよと言いたげな表情をしたラトリスファーは次々と飛来する光球を避ける。

ガトリングのような無数の弾幕が次第に避け続けていたラトリスファーの逃げ遅れた服や髪の毛を一瞬で焼き焦がす。


ヒヤリ、とした冷や汗が流れ出した中でラトリスファーはあの男が自由に動けていない事に気がついた。

ラトリスファーが居ることであの男は広範囲の大技を使う事が出来ていない。


「鬱陶しいな!」

「お前こそさっさと死ね!」


ラトリスファーは傲慢の天刀を剣豪のように構えると、突撃してきたハイドラに対して剣先に炎を灯す。

ハイドラはその程度の炎でどうなるんだと言いたげに嗤い、右腕に光を纏わせて1つの剣のようにすると傲慢の天刀に思いっ切り打つけた。


暴食の業火(ベルゼブラストフレア)


暴食の業火。

それは魔力ある存在や主によって定められた標的を燃やし焦がすまで消えない業火。

本来木々が立ち並ぶこの森では使ってはいけないような物だが、幸いハイドラ達が辺り一帯の木々を食い尽くした。


そのお陰か大火事になることも無くハイドラに着火される。

しかしハイドラは腐っても上位の魔物、暴食の業火を物ともせずにラトリスファーに向けてひたすらに力を加える。


ラトリスファーはこのままではまた死にかけると思い、切り結んでいる部分に小さな爆発を生じさせ距離を取る。


「仲間外れにしないで欲しいな。月華蒼天」


ハイドラの視界は一瞬、真夜中のように暗くなった。まだ夕方だ。それなのに深夜のような暗さ?と思ったハイドラは、何かしらの術だろうと警戒する。


すると、一気に世界が明るくなった。月明かりが差し込んで、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

ハイドラは少しの間に、始めて見た美しい月に見蕩れていた。


その直後、月が蒼く光る。天を割るような蒼い柱。

それが降り注ぐ、それもまた幻想的でハイドラはここがまだ戦場だという事をすっかりと忘れていた。


無数に降り注ぐ蒼い光の柱、その中の一本がハイドラ目掛けて飛来してくる。それを蹴り飛ばそうとすると、脚が切られた。


突然の出来事にハイドラは困惑する。先程まで何も無かったと言うのに、何故?

そう思い辺りを見渡すハイドラの背中に、鋭い痛みが奔る。


やられた!


ハイドラの背中に大きな傷が出来る。そこに男は手を突っ込みブツブツと小声で何かを呟いた。

すると、男のハイドラの傷に触れている掌に濃密な魔力が、可視化される程の濃密な魔力が集まっていた。

少し長めになってるかな…

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