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変われる拳!  作者: 澤田慶次
81/109

合宿が終われば!

すいません、なかなか暇が出来なくて……

ゆっくりと更新します。

合宿も最終日となり、本日も将士と隆明は練習である。朝のロードワークに始まり、しっかりと本日も動いている。

午後には、いつもの通りスパーリングを中心とした練習となり、最後の喜多とのスパーリングが終わった時には2人共にぐったりである。

「よし、仕上げだね」

「「ま、まだ有るんですか?」」

「これからだろ?」

「ここが大事だ!」

「「!?」」

「ほら、2人でスパーリングだよ。喜多に手塚、準備」

「「おう!」」

将士と隆明のスパーリングで合宿の締めらしい。

準備が出来た2人、そのままリングに上がって身体を動かしている。

「さて、ここからだな?」

「お?手塚も分かってるの?」

「酷いぞ、徳井」

「お笑いやるなって……しかし、ここで進化が問われるな?」

「「納得」」

「3人共、良く分かってるね」

「「「トレーナーですから!」」」

このスパーリング、実は内容以上に求められている物が有る。

ボクシングは、上に上がる程にラウンド数が増える。特に珍しい物ではないが、世界戦となると12ラウンド、単純計算で36分間戦う。他の格闘技より、遥かに長丁場である。長ければ長い程、ピンチだけでなくトラブルが起き易い。そんな時に自分達を支える物、それこそ精神力というエネルギーしかない。

スタミナが切れた将士と隆明、今の状態でのスパーリングで問われる事は精神力。上に上がる際の資格が有るのか、4人はそれをこのスパーリングで確かめたいらしい。


将士vs隆明のスパーリングだが、ある程度は4人の予想通りの展開となる。

前に出て行く将士の足取りが重く、パンチにも切れがない。パンチを振るうのもきつそうである。

対する隆明だが、こちらも動きが重い。将士のパンチをかわして反撃したい所だが、反応に身体が付いて行かず、ガードする形となっている。

動きが鈍い2人だが、闘志は萎えていない。お互いに引かず、体力的には厳しい2人だが、見応えは充分である。このまま1ラウンドは終了となった。

「やる気を感じんな?」

「負け夫になるのか?」

「ボクシング辞めたら?」

喜多·手塚·徳井から容赦ない言葉が飛び交う。

「「これからっす!」」

将士と隆明の言葉が被る。

「口だけにならない様にね」

篠原会場の言葉の後、2ラウンドが開始された。


2ラウンド、ここも前のラウンドと大差なかった。

将士は前に出て、隆明は距離を取る。スタミナの切れた状態で、それでも2人は戦い続ける。気持ちの成長がとてもよく分かる。

このラウンド、1ラウンドの時よりも際どいパンチが増えている。それだけ、2人に妥協という言葉が無いのだろう。スパーリングでは勿体無い試合である。

ラスト数秒、隆明が将士の右フックにカウンターを合わせた。少し後退する将士、隆明はそのまま前に出るのだが、将士の左ブローがスリークォーターから隆明目掛けて飛んで行った。スマッシュである。隆明はこのパンチを喰らうと、よろよろと後退していく。

ここで、ラウンド終了のゴングが鳴った。


リングを降りる2人、

「まだまだだな」

「走って出直し!」

「ロードワークで合宿終了だな」

「はいはい、休まないで行った行った!」

4人に煽られる様にジムを出て行く将士と隆明、その顔には明らかに不満である。

「くそ!全くダメだ!」

「これじゃ、哲男君に追い付かない!」

「将士君、将士君にも負けないからね!」

「僕だって!」

激しく意識し合う2人、ペースは自然と上がっている。


一方の拳王ジム、

「徳井、隆明の気持ちは強いな?」

「中台君も負けてないよ」

「……ここに哲男だろ?……俺達の時より、激しくないか?」

「手塚君、環境が違うんだよ」

「「「環境?」」」

「君達の時は、同じジムで時々スパーリングをしても、試合はなかった。でも、この3人はいずれやる……可能性が有る。意識もするし、激しくもなるさ」

「……俺達より、恵まれてるかもな?」

「そうだな……喜多と違うジムだったら……もしかしたら、世界タイトルで戦ってたかもな?」

「勿論、俺がチャンピオンで俺のKO勝ち!」

「俺の勝ちに決まってるだろ?」

「……恵まれてるとは限らないぞ」

「「何故?」」

「うちの会長は馬鹿だ」

「おお、それな!」

「あれはハンデだ!」

「それはさて置き、刺激という意味だと、確かに恵まれてるね。それだけ、トレーナーの責任も大きくなるけどね」

「……まぁ、隆明のKOだらうけどね」

「いや、将士の勝ちだ!」

「おう、将士には俺と喜多が居る!」

「西田級の馬鹿2人?」

「「おい!」」

「いずれは結果が出るんだ。それまでは、しっかりやっていこう」

「「「はい!」」」

どうやら、2人共に精神面は合格の様である。これから、この2人も楽しみである。


その頃、川上ジムでは哲男が石谷トレーナーから絞られていた。

「おら、気合いが足りん!」

「強く打て!」

「速く速く速く!」

石谷トレーナー、ミットを持ちながら激を飛ばしている。哲男は肩で息をしながら、ミット目掛けて一心不乱にパンチを放っていく。

「ビー」

ブザーが鳴り、ラウンド終了である。

「サンドバッグ打って出直せ、この貧弱野郎!」

石谷トレーナーは外したミットを哲男に投げ付けた。哲男は悔しそうな表情でサンドバッグを叩き始める。

「石谷、どうだ?」

「闘志は認めますよ。しかし、まだまだこれからです」

「そうか。気を抜くなよ」

「勿論!」

哲男の方も、抜かりは無い様である。

仕事が落ち着きましたら、もう少し頻度を上げますね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] それぞれが気合入ってますね! この調子で成長まっしぐらですね。
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