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変われる拳!  作者: 澤田慶次
77/109

哲男、いざ日本タイトルへ!

哲男のタイトルマッチ!

試合当日、哲男は少し早めに会場入りしようとしたのだが、駅には将士と隆明が待っていた。

「……どうした?」

「いや、折角だしさ!」

「ほら……スパーでボコボコにしちゃったからさ……」

「おい、お前がボッコボコだっただろ?」

「頭もやられたの?俺の勝ちだったじゃん?」

「阿呆、俺の勝ちに決まってるだろ!」

「……総じて、泥試合だったんだね……」

「「激闘だ!」」

会場に行く前から、大分騒がしい3人である。


3人で会場入りし、控え室に入った。

「さて、後は結果を出すだけだね……俺は将士君と見てるからさ、しっかり決めてね」

「おう、任せろ!」

「哲男君、約束忘れないでね」

「おう、お前こそA級トーナメントでこけんなよ」

「「じゃあ、期待してる!」」

「おう、俺がベルト巻くのを見とけよ!」

将士と隆明は観客席に向かった。

暫くして試合が始まる。4回戦が始まると、哲男は着替えてゆっくりとアップをし始めた。

試合も中盤となり、哲男のアップも1度終了となる。このタイミングで石谷トレーナーと川上会長が控え室に入って来た。

「さて、後はやるだけだな?」

「はい、会長」

「哲男、勝つ準備は出来てるのか?」

「勿論!世界チャンピオンまでの予定は出来てます!」

「……でかく出たな、口だけ小僧」

「石谷トレーナー、酷くないっすか?」

「はいはい、口だけじゃないって事を証明して来い」

「言われなくてもやりますよ!」

何となくだが、きっとやってくれる。そんな気がする。

試合が進み、いよいよメインイベントである。

「よし、行くぞ」

「はい、会長!」

「最初からだぞ、いいな?」

「はい、石谷トレーナー!」

入場の合図が入り、哲男を先頭に3人は出て行った。


リングに上がる哲男、既にチャンピオンの岡本は赤コーナーに立っている。哲男は一瞬岡本の方に目を向けると、すぐに自分のコーナーに視線を向けた。

選手紹介が有り、その後にレフェリーから注意事項を受ける。一旦各コーナーに選手が戻る。

「哲男、知ってるか?」

「何ですか?」

「池本を始め、徳井に喜多、手塚もみんなKOで日本タイトル取ってんだぞ」

「!?……物凄ぇプレッシャーですよ!」

「このくらいでか?大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ!」

哲男は少し厳しい表情をしていたが、この言葉でいつもの表情に戻っていた。石谷トレーナー、流石である。その事を確認し、石谷トレーナーは笑顔でリングを降りる。川上会長は一連のやり取りを見ながら、こちらも笑顔であった。


1ラウンド…………

岡本は左ジャブを放ち、様子を見ようとした。哲男はいつも通りなら、左ジャブからセオリー通りに動く為である。岡本は最初、哲男のセオリーに付き合うつもりだった。

違っていたのは哲男である。岡本の左ジャブを前に出ながら沈む様にかわし、そのまま右アッパーを放った。このアッパーが見事に岡本を捉え、岡本はそのまま左膝をキャンバスに着いた。

「ダウン、ニュートラルコーナー!」

レフェリーから言われ、手塚はニュートラルコーナーに向かって歩く。

「ワーン、ツー……」

レフェリーがカウントを数え始める。岡本は一瞬パニックになったのだが、すぐに立ち上がりファイティングポーズを取る。カウント8で試合再開である。

再開後、すぐに哲男は前に出る。元々インファイターかと思う様な戦い方である。

岡本は更にパニックになる。アウトボクシングを哲男がすると思っていたらしく、この哲男の攻撃に岡本は後手に回って行く。何とか手を出し、飲み込まれない様にするだけで精一杯である。

哲男はこのまま、一気に攻めて行く。パンチを上下に打ち分け、岡本に狙われない様に丁寧に攻めて行く。混乱中の岡本には、これが何とも厄介である。強引に攻めたかと思えば、ベテラン並みにパンチを散らす。その上で、そのパンチ1つ1つが丁寧に打ち込まれて来る。岡本は考えがまとまらないうちにロープを背負う事になる。

哲男がこのまま一気に押し込むかと思われたが、ここで岡本が盛り返す。いい意味で吹っ切れたらしく、ロープを背負って打ち合いに出た。

割り切ってしまえば、岡本は確かに実力者である。そう簡単に優勢は取れない。哲男はロープを背負った岡本と、激しい打ち合いをする。2人の右フックが交錯した所でゴングが鳴る。1ラウンド終了である。


青コーナー、哲男はゆっくりと椅子に座る。

「全然ダメだ。何練習したんだ?」

「これからっすよ!」

「本当に口だけだな~……しっかりやって来いよ」

「……しっかり見てて下さいよ!」

石谷トレーナーと哲男、これが平常運転なのかもしれない。川上会長は終始笑顔である。川上会長の表情が全てを物語っている。


2ラウンド…………

岡本は少し重心を前に置き、哲男が出て来る事に備えた。どうやら、このラウンドも哲男が前に出て来ると思ったらしい。

対する哲男、左ジャブを放って左へと回って行く。アウトボクサーのセオリー通り、左ジャブから左へと動いて行く。素早い左ジャブを何発も放ち、時折右も加えて外から岡本にパンチを入れて行く。

岡本は更に困惑する。哲男のアウトボクシングは頭に入っていたのだが、1ラウンドにインファイトをされた為に対応がすぐには出来ない。哲男のパンチを何発も貰いながら、哲男のペースに巻き込まれて行く。

哲男は自分のリズムでパンチを放ち、有利に試合を進めて行く。その哲男の動きに、改めてアウトボクシングで対抗しようとした岡本の左ジャブを掻い潜り、哲男は岡本の懐に飛び込む。そのまま哲男は岡本をインファイトに巻き込む。

この一連の動作で岡本は訳が分からなくなっていた。そんな岡本と哲男のインファイト、哲男が打ち勝つのは当たり前である。哲男の左アッパーが岡本を捉えると、岡本は左ジャブを放ちながらバックステップをして距離を取った。

次の瞬間、哲男は右足を前に出しながら斜め上からフックを放った。このパンチが見事に岡本を捉え、追撃の左アッパーは岡本の意識を刈り取った。そのままダウンした岡本、レフェリーはカウントを取らずに両手を何度も交錯させた。

2ラウンド1分37秒、哲男はKOにて日本タイトル奪取に成功した。

哲男の強さ、際立つ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 哲男も日々成長ですね。 まずは、日本タイトルはなんとかいきましたね! 後で佐伯はみんなから話を聞かされてそうです(笑)
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